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八雲学園のInternational Future Program

2005年10月18日
by 本間勇人(honma@netty.ne.jp)

◆ 八雲学園といえば、英語教育。学園中に英語の文化や実際の英語による対話があふれている。生徒たちは英語を話したくてしようがない。そのモチベーションの高さにはいつも驚愕。10月10日第3回≪未来を創る学校≫セミナー(近日中に当日の模様がアップされるだろう)でも、2人の生徒がパネルディスカッションの部で、鈴木先生と同席。なぜ英語に興味を持ったのか英語で語ったり、将来の夢を主張したりしていた。パネルディスカッションに同じく参加した洗足学園の優秀な生徒に八雲学園の2人の生徒に向かって、私は絶対に負けないとファイティング・ポーズをとらせるほどかっこいいトークをしていた。

◆ パネルディスカッションの部の前に、基調講演が3人の講師の方々によってなされたが、そのうちの1人が近藤校長先生だった。「グローバル社会での異文化体験の必要性と想像力」というテーマで、説明会などで聞くいつものお話とは全く違う新しい内容にこれまた驚愕してしまった。

◆ というのも、今までは八雲学園の流暢な英語を話す生徒たちを見ていると、それだけで大満足で、学園の英語教育の背景や未来へのビジョンなど考えてみたこともなかったことに気づかされたからだ。確かにそうだ。アメリカのサンタバーバラに海外研修用の施設を建築するところから始まった新しい英語教育において、本当の異文化体験をまず先生方が思い切り体験しているわけである。異文化体験といっても、英語で話すという表層的な体験ではない。日本と同様、建築をするのだから近隣への同意を求めなければならない。といっても、近隣には人はそんなに住んでいない。そのエリアのコミュニティそのものと話し合わねばならない。

◆ とにかく広大なスペースに先生方はまず圧倒されただろう。それから建築関連法も日本とは全く違う。1つひとつ調べながら、建設していくのは、フロンティア精神そのもの。これぞ本物のアメリカ体験だったに違いない。とにかく設計者や近隣のコミュニティの人々とどのように心を通わせ、親交を深め、絆を太くしていったのかというプロセスのお話はおもしろかった。熊との遭遇のエピソードや八雲学園のバスケット部の生徒たちの活躍物語など、セミナーは大いに盛り上がった。

◆ 卓越したリーダーは、ストーリーテラーであるとよく言われるが、なるほど近藤校長先生はそうだなと改めて感銘を受けたが、その中に鋭い視点を投ずるのも忘れないのはさすがだ。英語教育というと文系の生徒のためというイメージを持つだろうが、理系こそ英語力は必要。科学論文を日本語で書いても仕方がないし、グローバリゼーションの流れの中で技術の交流は政治以上に活発だろうから理系も英語は重要なツールであることは間違いない、なるほどそうだ。

◆ 女子の特性は対話すること。この特徴を上手く活かして、英語教育を進めれば、あっという間に英語は上達。これもそうだ。脳科学の進化で、女性が言葉という論理性において男性より優位にあるとう話は聞いたことがある。その代わり男性はイマジネーションにおいて優位にあるとも。この点は、どうするのだろうと思っていると、近藤校長先生は、間髪入れずに、だから強烈な体験が必要なのだ。時間や空間、民族、文化が大きく違うアメリカ体験をすれば、イマジネーションは喚起されると。

◆ しかも、そのアメリカ体験は、いつまでも想像力で生徒たちの内部で生き続ける。これが大事だと。なぜなら女性の社会進出といくら言っても、女性が家庭に入り、子育てをする時期がある。この時期は楽しいことばかりではない。子供が独り立ちするまで、いや本当はしてもなのだが、とにかく心身ともに大変なのだ。投げ出したくなるときもある。しかし、アメリカ体験は、色々な意味で夢と希望をつなぐ。世界の女性は育児をしながら社会で活躍している。日常生活の中で、自分の夢を持続可能にするというのが異文化体験のキーであるというお話は、そこまで考えて英語教育を実践されているのか、そして角度を変えて見ると本当のリスクマネジメントでもあり、まさにInternational Future Programであると感銘を受けた。

◆ 同時に、学校説明会以外に、このような話を聞くチャンスを私立中高一貫校はもっと作っていくとよいのにとも思った。学校説明会ではどうしても大学進学実績を出すためにどういうカリキュラムや体制をとっていくかという所信表明的な話が前面に出て、広がりと奥行き、夢と希望の話をリラックスして聞くのは難しい。学校選択は実益ばかりではなく、夢と希望をつなぐわが子の人生の架け橋であるはずだから。



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