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| ANNE LITERACY〜未来のメタファーを読み解くパスワード |
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2005年3月22日 |
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◆ コペンハーゲンもそうだが、アムステルダムも中央駅は赤レンガ。八重洲駅の「八重洲」の由来はオランダ人ヤン・ヨーステンからきているとどこかで聞いたような気がしたが、まさか色から形まで影響を受けているのだろうか。それはともかくこの中央駅から大きな通りがまっすぐに伸びていて、証券取引所や迎賓館、ショップが集中している。その西側は新教会があるエリア、東側は旧教会があるエリアと分かれている。西も東もアムステルダム特有の形をした建物が立ち並んでいるが、西の方は小奇麗で、東の方はどこかさびれている。西は昼間映えるエリアだが、東は有名な話(要するに新宿歌舞伎町)だが夜にぎやかになる。 ◆ アンネ・フランク・ハウスは言うまでもなく、新教会のエリア。あらゆる呪縛や抑圧が浄化された地区の雰囲気を代表しているかのようだ。東は抑圧の悲しみと罪を告白によって贖うシステムが存在している。ここもまた都市全体がマズローの世界。というよりフロイトやユングの世界と言った方がよいか。 ◆ それはともかく、大事なことは、中世やルネサンスの時代ではなく、近代に入って、1人の人間から生まれた多数の教条的抑圧の塊が、ヨーロッパ中を重度の苦しみに陥れた事実をどのように浄化し贖うか。しかもそれは未来に向かって持続的に浄化しつづけるシステムに成りえるのか。中世から形成された人間存在というか近代自我がどこへ向かうのかを読み解く都市記号群。 ◆ そのシステム記号を読み解くパスワードがアンネ・フランク・ハウスである。人々がこのパスワードを喪失したら、浄化と贖いのシステム記号の中にはいることはできない。だから、そう簡単には忘れないように徴が必要だった。アンネ・フランク財団が出版している"a History for Today"には何人かの著名人のメッセージを掲載されているが、その中にこのようなものがある。「自分の苦しみの上に生きる人々から受け入れられ尊重されためには、死後その手記が出版され殉教者とならなければならないのか」(イレーネ・フリッシュ)殉教は悲しいけれど破壊され難い徴である。 ◆ 「長い歴史の中で甚大な苦しみと損失が支配した時代に人間の尊重を守るために声を上げた人々は数多くいるが、アンネ・フランクの声ほど強く訴えるものはない。」(ジョン・F・ケネディ)とはアメリカの大統領的な発想。アメリカは救世主の立場だから当然なのだろうが、本当はアンネ・フランクを褒め称えるだけでは意味がない。 ◆ 「ここには、ユダヤ人虐殺のはかりしれない悲劇と、人間の生命と才能を無にする行為と、自由な人々が全体主義運動抑圧の早期行動をとられなかったことによる代償とが示されている。」(イェフーダ・レヴ)というリーダーも市民も含めて、起きているときも眠っているときも、議論しつづけなければならないような問題が横たわっているのだから。 ◆ 「戦争中にアンネを知っていたら、きっと彼女のことをうらやましく思ったでしょう。食糧や身をひそめる場所を求めて街中をさまよう必要がなかったのですから。アンネの潜伏生活は他の人々に比べると安全なものでした。父親と一緒に暮らしていたというだけでとてもうらやましく思います。そのわたしが生き残ったのにアンネは生き残らなかったというのは、残酷な偶然です。わたしは幸福だったにすぎません。」(ヤニーナ・バウマン) ◆ 殉教と言う徴が、アンネ以上に残酷で凄惨な経験をした何百万のユダヤ人(本当はそれ以外の人も巻き込まれていたし、アンチナチズムのドイツ人も含まれていた)の思いを吸収し光として解き放つ。私たちはその光エネルギーをきちんと充電できるだろうか。充電できてもそれを運動エネルギーに変換できるだろうか。自然放電させて終わっているのが本当のところかもしれない。 ◆ 戦争と平和の学習プログラムは、事実や歴史の集積を整理するだけでは物足りない。どういうメタファーをデザインするかあるいは物語を創造するのか、つまりANNE LITERACY、それが問題だ。OECD/PISAで注目を浴びている「読解リテラシー」。ANNE LITERACYの一部に過ぎないだろう。 |
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