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| ウォルフレンの目 |
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2005年2月15日 |
| ◆ カレル・ヴァン・ウォルフレンの新刊「世界が日本を認める日」(PHP研究所2005年)の3分の2の論調は、氏の「日本/権力構造の謎」以降の論説の延長線上にある。アメリカの属国のように振舞う日本、説明責任が弱い日本の官僚や政治家を批判しながら、国連や外務省を中心に日本は自立しなければいけないと。日本の経済は弱くなったとか、アメリカ帝国ができるとかいうマスコミの論調は間違っていると言う点についても論証を試みている。
◆ ウォルフレンはオランダとアイルランドの目線で、アメリカと日本を見ているので、サミュエル・ハンチントンやフランシス・フクヤマとはまた違うものの見方をしている。3者の日本語訳の論説は、一般書で、本当のところはよくわからない。方向性としてはおもしろいけれど、だからどうすればよいのか、彼ら自身の考えははっきりとは見えてこない。マクロとミクロを結びつけるループの部分が見えにくいのだ。 ◆ というよりも、それは自分で考えなさいということだろう。ただ、新刊の残り3分の1の目線自体はとてもおもしろい。もちろん、これも方向性だけで、だからどうしたらよいのかはわからない。外務省のメンバーはわかるのかもしれないが、少なくとも庶民や市民にウォルフレンは語りかけてはいないようだ。しかし、中国のみならずロシアやインドの今後の重要性を記述しているところやヨーロッパではなくEUと日本の関係の重要性を提唱しているところはアメリカの政治経済学者やマスコミの論調とは違うようだ。 ◆ 日本は観光立国の戦略を実行しようとしている。そのために今年4月から旅行業法や約款まで改正する。オランダと日本を往復しているウォルフレンにとっては、いかにEU諸国が魅力かは、身に染みてわかっているのだろう。世界観光機関資料(2003年)によると、外国人旅行者受入の人数国際ランキングはEU諸国が上位を占めている。それに比べ日本は33位だ。フランスは約7700万、日本は600万人前後。国土交通省は、2010年までに1000万人を目標にすると言うが、フランスと日本の受け入れ態勢・体制は全く違う。 ◆ アメリカは歴史が相対的に浅い。文化資本がないのだから、金銭資本でなんとかするしかないわけで、ウォルフレンのアメリカ批判は、文脈調整がなさすぎる。一方氏は日本の文化資本の貴重性を熟知している。が当の日本人は自国の文化資本を軽視しすぎである。国際理解教育は、文化資本という角度から再検討するときがやってきたのだろう。 外国人旅行者受入数国際ランキング(世界観光機関資料2003年)
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