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2007年首都圏私立中高一貫校入試動向(8)
2007年1月10日
by 本間勇人
◆ 湘南白百合の人気は不変。キリスト教精神とそれを表現する芸術的教育活動がベース。生徒たちは高3になってもぎりぎりまで、多様な行事に参加して燃える。体験を分かち合うことが最高に重要なのである。すべてが内在的価値に転化し、それがエネルギーになって、自分が選択した進路に向かって集中する。教師も生徒も世界の人々に仕える精神がベース。理想を実現する力を身につけられる教育がある。

◆ 昭和女子大も大人気。人見圓吉が「目覚めたる婦人、正しき婦人、思慮ある力強き婦人」の育成を掲げ、偉大な教育者でもあったロシアの文豪トルストイの「愛と理解と調和」に立脚するヒューマニズムに満ちた教育観に共鳴し創立したのはあまりにも有名。かつ全人教育や体験学習の充実振りも説明するまでもない。開かれた学校として、昭和女子の魅力を広報しつづけてきた成果がここ数年現れている。

◆ 女子学院の人気は不変。プロテスタンティズム的自由と自律を謳歌し、思考と表現の6年間を過ごすことができる。礼拝を中心とした学園生活で、世界の痛みをどのように受け入れ、自分の進路の中で、それを解決していくか気概を持って生きていける人材が輩出する拠点。

◆ 女子聖学院の魅力ある教育は世の注目を浴びている。言語教育、表現教育、理数教育、芸術教育とそれらのベースに流れる通奏低音としてのコミュニケーションの充実。世界の村治佳織がこよなく愛する母校でもある。クリティカルでクリエイティブなタレントが解き放たれる教育空間作りも評判。

◆ 女子美は美術が好きな受験生にとっては、最高の学園生活の場だろう。美術を通しての人間教育の最適拠点である。実際に頭の中はいつもデザインが一杯だとか、高校生で美術史に詳しい生徒もたくさんいる。美術史とはビジョンの変遷を追う行為である。いつも歴史の中で新しい発想を追い求める人材が集結する。新しい発想を追い求める姿勢は、女子美の創立当初からのコンセプト。時代のパラダイムシフトを生み出す本物のリベラルアーツが根っこにある。

◆ 白百合学園はやや苦戦。隔年現象だと思われるが、貧困を生み出している世界の痛みをどのようにとらえていくのか、湘南白百合ほど明確なビジョンがまだまだ外部に表現されていないのかもしれない。白百合のカトリック精神は、マザーテレサのように物質への愛ではなく心の愛に気づく瞬間を大事にするはず。それがどのように行われているのか意外と外部には知られていない可能性がある。

◆ 白梅学園清修は昨年に続き大人気。情熱と実現力ある冷静な教師陣のバランスがよく、とにかくコミュニケーションが充満している学校。昨年の春新設の女子中学であるが、午後入試も実施せず、正統派生徒募集で志望者を増やしている。その秘密は、説明会などで学校を訪れると、生徒たちのタレントが開発されていることに大いに合点がいく教育活動を実践しているところにある。エリア・コラボレーションなど地域との有効な連携を仕掛けるプロデューサー顔負けのクリエイティブ・ディレクターとしての事務局もいる。教育の質にのみこだわっているところが、マスコミにも評判になっている。白梅学園清修の歴史を創るという意志を一期生がもつことが、ブランド戦略の成功につながることを知っている教師もいる。「教育とは人である」を証明する学校なのだ。



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