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ポスト入試の光景
2005年3月3日
by 本間勇人(honma@netty.ne.jp)
◆ 今朝の日本テレビで、都立日比谷高校の合格発表風景が報道された。進学重点校としての前提があったため、キャスターは、合格者の受験勉強時間の長さに驚いてみせたり、大事なのは大学受験、これからがスタートというトーンの合格者のコメントをクローズ・アップしてみせたりしていた。

◆ 日比谷の東京大学合格者推移を歴史的に回顧するなど、東大一直線がキャリア・デザインの中心という設定で番組は編集されていたが、現代の日比谷高校風景からはあまりにもズレた編集に戸惑いを感じた。

◆ 一方読売新聞朝刊では、「脱・暗記 塾もトライ」という教育ニュースが掲載された。その塾の幹部は「暗記暗唱で知識量を増やすというのは、世界の学力観とずれている。中学入試もPISAのテストと同様、持っている知識をどれだけ生かせるかが問われます。そういう力を育てるように学習を進めたい」と語っていて、時代に合わせたトークのスピード感に驚きを感じた。

◆ 日比谷の入試の後景には、従来型の受験勉強という懐かしい絵柄が描かれたのに対し、私立中高一貫校入試の前景にはOECD/PISAの英語版の報告書の表題"Learning for Tomorrow's World"を想起させる未来の学びのビッグ・ピクチャーが描かれた。

◆ マスコミのレトリックは実にわかりやすい。こちらがAならあちらは非A。比較という原初的レトリック。しかし、もう少しだけ突っ込んで欲しい。「リテラシー」とは何か。リテラシーとは社会や精神や自然の諸関係全体を読み解き、解きほぐし、さらに脱構築するシステムである。

◆ このシステムは膨大な知識や情報を取り込み、整理し分析し編集し創造する思考マシーンである。知識はそのマシーンのエネルギーだ。高度情報社会の到来で、知識量は極めて決定的な富の差となって現れる。こういう社会的時代的文脈を見落としている学習に対する言動は百害あって一利なし。受験や入試のマス広告化した記事の脱・編集を期待したい。



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