| ■ 今や世界一のテーマパークとしてのその地位を揺るぎないものにしているのは、まぎれもなくディズニーランドであることは言うまでもないであろう。オリエンタルランド社が作ったディズニーランドは、夢と希望に満ちた夢の王国として人々に深く受け入れられている。ディズニーランド自体の経済学については、以前に触れたので今回はあまり深くは論じないが、その経営技術には驚かされることが山のようにある。ディズニーほど顧客満足度の高く、リピーターが多い産業は他に例を見ない程である。
■ しかし、ここではディズニーランドの経済学について論じるのではなく、ディズニーの文化への影響について論じていこうと思う。ディズニーは我々の生活の身の回りの至るところに存在していることはわかるであろう。台所やキッチンや食器棚の中にはディズニー製の食器の一つや二つはあるだろうし、衣類やタオルなどの中にもディズニー製の物は存在するだろう。テレビのスイッチを入れたら、ディズニーの音楽や東京ディズニー・リゾートのコマーシャルが目に飛び込んでくる。
■ 家を出ても、街角や駅や電車の中でディズニーに関するポスターなどが多数見受けられる。さらに行き交う人の波の中にも、Tシャツやトレーナーなどでディズニーの絵が書いてあったりするであろう。しかし、それらのグッズを身につけているのは必ずしも若者ばかりではない。それはディズニー映画の観客についても同様である。夢と希望を与えるディズニーの世界は子どもから大人までの幅広い範囲の人間に愛されているというわけである。
■ ディズニーは我々の身の回りの環境の一部になっている。このため、私たちはディズニーを空気のように感じ、その結果意識しなくなっている。これほどいたるところにディズニーが氾濫しているのにそういわれるまではそのことに気がつかないのだ。こんなあふれ返っているディズニーの製品の一つ一つや企業活動が、その時代や社会によって、どのような影響を及ぼしているのかということを知る人は少ないだろう。
■ だが、我々が置かれている今日の文化環境を理解し、それがどのようにして生まれ、そこにはどのようなメカニズムが働いているのかを知るためには、それらのことを考えなければならないだろう。ディズニーについて、私たちの身の回りに氾濫しているディズニー製の物について、このように氾濫させる企業とそれが成立するシステムについて、それらが様々な時代と国と人々の間で起こしている問題について知ることは、自分達にとってディズニーとは何か、どのような意味を持っているのか、どのように自分達が置かれた文化環境と関わっているか、それを通じて自分達とどう関わっているかを考える上で不可欠である。
■ このように、「ディズニーの存在」について考えることは、現在の「文化」の問題について考える上で大変重要な意味をもつ。よって次章以降は、ディズニーについて考えつつ、現在の文化について論じていこうと考えている。
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