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2005年8月4日 by 本間勇人(honma@netty.ne.jp) |
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◆ 開成と麻布が求める数値論理力を、5つのカテゴリーで見てみよう。R4 60以上、55〜59、全体のデータやカテゴリーの分け方は、「首都圏私立中高一貫校が求める学力像〜3年間の入試問題分析(1)から(4)」のものをベースにしている。
◆ 【表(2)−1】からわかる通り、言語力同様、両校とも全体に比べ、出題のカテゴリー傾向が極端にはっきりしている。計算論理、比較論理、時間論理は、中学以降方程式で解けてしまうので、算数的なイメージを初めから払拭しようとしているのかもしれない。 ◆ 算数的なイメージは、線分図や面積図など関数関係の優れたビジュアル化によって美しく解けるのであるが、関数関係としての概念が小学校の段階では抜け落ちて、図が固定化してしまい、目的と手段が完全に転倒したままになってしまいがちだ。 ◆ この固定化によって、本来数学は、関数関係を自在に方程式に変換していく過程なのだが、初めから与えられた方程式を解くことが、数学だと思い込んでしまうようになる。それが算数から数学になかなか移行できない桎梏であるのだが、そのことに気づかない塾関係者が多い。もともと数学を学んできていない講師が、算数の世界だけで中学受験を突破する方法を積み上げてきた世界だからであろう。その創意工夫は驚嘆に値するが、数値的論理力を養うのには限界があるのかもしれない。 ◆ 開成・麻布はそのことにおそらく気づいている。特にこの傾向は前世紀末にははっきりしてきているからだ。2次元、3次元の空間的なイメージ力は、実体数から虚数という仮説イメージを形成する想像力を刺激するものであり、古典的ではあるが微積分のイメージ作りに将来役に立つのだろう。 ◆ また数列や組合せ、規則性の発見などは、新たな論理を発見し、自ら関数関係を方程式化したりグラフや図に置換する最も数学的なセンスを養う問いかけである。そしてこの創造的な数学的論理は、今や理数系のみならず芸術系や経済系には極めて大切な能力になりつつある。未来のクリエイティブ・クラスは数学的センスなくしては、DE-SIGN力を発揮できないであろう。デ−ザインとは、規制の記号(SIGN)を脱構築(DE)することなのである。新しい関数関係を創出するということである。 ◆ 麻布は開成に比べ、比較論理から論理発見まで万遍なく出題しているが、これは実は比較論理のように一見易しい問題でも、基本的には自分で論理を発見するような仕掛けになっているだけであり、実は論理発見の問題だと考えてもよいだろう。麻布は開成に比べ、1つひとつの問題で完結するのではなく、全体で1つの数学的思考の発展的展開を追っていく形になっている。だから麻布はどの段階まで数学的論理に絶えられるかがわかるだろうし、開成の場合はどの領域が得意なのかどうかが評価できるような問題作りになっている。 ◆ 麻布は数学的発想、開成は本当に得意な数学分野(数学オリンピック的だとも言える)というものがわかるようになっているといえるのかもしれない。両校の算数の中学入試問題は実に奥が深いのである。 |
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