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液晶大国シャープの危機≪週刊東洋経済5/21号より要約≫

2005年6月10日
by 葛原 怜

■ デジタル家電の失速を受け、どの電機メーカー2004年度決算は厳しい状態である。その中でシャープが注目されている。同社の連結営業利益は24%増の1510億円と二期連続で過去最高益を更新している。その原動力となったのが主力の液晶部門で前年度比46%増の556億円の営業利益をたたき出した。

■ さて、シャープの液晶の強さはどこにあるのであろうか。韓国・台湾勢が汎用品のPC用パネルを主力とするのに対し、シャープは自社の液晶テレビ向けと携帯電話や携帯ゲーム、デジタルカメラなどに用いる中小型液晶パネルが中心である。液晶といえば液晶テレビばかり注目されているが実はこの中小型液晶パネルこそが液晶部門の7割を占めるほどの利益を出しているのである。

[同号より参考]

■ 中小型液晶は納入先の仕様にあわせて設計する特注対応型の商売で、他の液晶商品と違って、比較的安定した利益を確保しやすいという利点がある。また、韓国・台湾勢がPC用液晶や液晶テレビにおいて勢力を拡大してきたのに対して、中小型は日本が得意とする繊細な作業が必要であるため、日の丸メーカーはこぞって中小型液晶の強化に乗り出した。

■ しかし、安定収益が望める市場でも日本企業がどんどん参入してくれば、価格競争が激しくなるのも当然である。国内勢同士の足の引っ張り合いが行われているという。それでも、業界の供給能力は増える一方で、4月にシャープは中小型専用の工場の生産能力を大幅に拡大し、ライバルの東芝松下は来年四月の活動を目指して500億円弱を投じて新工場を建設する。各社とも工場の稼働率向上が課題となるため、受注拡大を目的とした価格競争がより激しくなりそうである。

■ しかも、この中小型液晶の市場の韓国・台湾勢も参入するという。韓国のサムスン電子も動くはじめ、従来自社の携帯電話用が中心だったが、今年に入り日本のデジカメメーカーなどへ頻繁にアプローチをかけ始めた。主力のPC用液晶の市況が厳しい以上、中小型にアジア勢が流れてくるのも仕方がない。シャープが牽引する技術的なハードルが高い中小型液晶に、アジア勢がどこまで入れるか、注目である。



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