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■ 地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)など温暖化ガスの排出量を企業間で仮想的に売買する模擬取引が始まった。昨年末の環境省に続き、2月から経済産業省が実施する。2008年の国際取引に備え、年間百兆円になるとも言われている「排出権」市場をにらんだ企業の取り組みが幕を開ける。
■ 昨年十二月、環境省によるCO2排出権の模擬取引の参加41社は、三菱総合研究所が開発したシステムを使い、インターネット上で売買注文を出した。売り手は排出権所有者の管理業務を環境省から受諾するNTTデータにメールを送り、買い手の口座に排出権を移す仕組みである。一日3時間を3日間続けた模擬取引で67件、40万5千トンの売買が成立した。2月から経産省が実施する模擬取引では、排出権仲介業者のナットソース・ジャパンが電話で参加企業の注文を受け、より臨場感を出す。
■ 環境省、経産省や参加企業は今年半ばまで続ける模擬取引を通じて、排出権の保有や移転を管理するデータベースや企業会計上の処理方法のあり方を検証する。排出権とは、「企業などが事業活動に伴うCO2を同量だけ排出できる権利」である。地球温暖化防止の国際合意である京都議定書では先進国が発展途上国で実施する温暖化ガス削減事業で排出権を生みだす制度を設けた。国際取引が始まれば、排出権は『国際通貨』に成りうるとも言われている。
排 出 権 と お 金 の 流 れ
■ Jパワー(電源開発)中南米で、工場燃料の石炭から天然ガスへの転換事業など五つのプロジェクトを開拓したことで、百万トンの排出権獲得を目指している。その他にも新日鉄は年間16万トンの排出権を取得でき、東京電力もインドネシアで水力発電の可能性を調査中である。温暖化ガスをそれほど出さない金融機関でさえ、排出権ビジネスとは無縁ではない。UFJ銀行は経産省の模擬取引に参加し、排出権を顧客企業向けの有望な金融商品として育てると考えている。
■ 昨年12月にイタリアのミラノで開かれた地球温暖化防止条約第九回締約国会議で、目立ったのは、企業関係者が自国政府や国連に排出権取引のルール作りを推進するように働きかける場面である。地球温暖化防止会議の主役は環境NGOから排出権取引に期待をかけるビジネスNGOに代わった。京都議定書の発効はロシアの批准見送りで先送りされたが、民間企業は排出権取引の開始を前提に動き出している。
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