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Honda「発見・体験学習」とは

Honda「発見・体験学習」がめざしているのは、すべての子どもたちが創造的で価値ある活動ができる学習です。優秀な1人の天才を育てることが目的ではありません。それは、どんなに優れた人材の知的活動や創造的活動も、探究心旺盛なさまざまな人材が協働することにより成しえたものには太刀打ちできないからです。
Honda「発見・体験学習」の基礎は≪チーム学習≫です。私たちを取り巻く世界を見ても、あらゆるものが結びつき循環することで成り立っています。人間を刺激するさまざまな情報は、1つひとつでは単なる知識にすぎませんが、それが互いに結びつき影響を与え合うことによって、新たなものを創造し価値が生みだされます。この結びつける方法の雛型は、私たち自身の中にすでにあります。それが人間関係です。人間関係がうまく循環するには、論理的であることと互いを尊敬し合う感情の両方が必要です。こうしたコミュニケーション能力を養うことが不可欠なのです。コミュニケーション能力を鍛え、自分で学び、考え、判断する力と他者と協働してものを創りあげる力とを育てる学習方法が≪チーム学習≫です。
この≪チーム学習≫によって育てていこうと考えているのが≪創発型コミュニケーション≫です。これは1人ひとりが感じたり発見したりしたことを、チームで共有し、結びつけることによって新しい考え方を企画提案していくというものです。
Honda「発見・体験学習」は、子ども1人ひとりの知識や好奇心を、生活や社会の問題と結びつけることによって、子どもたちの潜在的才能を引き出す学習方法を探究するところから始まりました。これは従来のドリル型のスキル・トレーニング学習とはまったく異なる発想です。また、単純な体験学習にも疑問がありました。体験からは楽しいという感情は生まれるものの、それを子ども自身のリアルな問題意識や疑問に結びつけていくためには、体験させるだけでは不十分なのです。問題意識や疑問など、あるものの見方があらかじめ子どもにないと、何を見ても聞いても触っても、発見することは難しくなります。体験は、仮説の検証や問題の確認をしたり深めたりするときには非常に豊かな素材です。論理やビジョンが生まれる真の意味での体験学習をめざすのがHonda「発見・体験学習」です。けっして「体験・発見学習」ではないのです。
世界には無限の示唆があります。その示唆を子どもたちが発見することで、子どもたちは無限の可能性の世界、つまり創造の世界に入ることができるでしょう。すべての人の創造する機会を侵してはならないという最高レベルのルールに基づいて、新しい世界を創造する楽しみを分かち合える方法を追求する。そんな未来を子どもたちに築いていってほしいと願っています。

「世界を変える学習」第1章 §1より 抜粋