近畿大学附属豊岡中学校  「近大豊岡 Pプロジェクト」
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 【発 表】

■ ついにプログラム最終日となりました。プレゼンテーション本番が刻一刻と迫る中、生徒たちは最終準備とリハーサルに追われています。すべてのチームが1分1秒を惜しんで、朝食前に集まって作業を行っていました。LAからアドバイスを貰い、発表の流れに問題がないか念入りにチェックし、わかりづらいところがあればすぐに全員で話し合って修正作業を行っています。「他者と協働するためのコミュニケーション力」はどのチームの生徒を見ても確実に向上しているのが明瞭にうかがえます。

■ 各チームの工夫をご紹介します。

チーム1・・・チーム目標「団結」とプレゼンテーマ「かがくのちから」に関係性をもたせた内容
チーム2・・・「妖精」と対話する形式でプレゼンテーションの説明を展開していく
チーム3・・・模造紙を4枚合わせたり、「謎の球体模型」を作るなど表現にインパクトをもたせる
チーム4・・・パワーポイントと模造紙の両方を合わせており、聞く人によりわかりやすい視覚表現を行う
チーム5・・・「かがく」に様々な漢字をあてて考察
チーム6・・・被り物を作成し、体を張った演劇風の表現
チーム7・・・人間の感覚である「五感」に着目し、環境問題との関係性を考察

内容・表現方法には各チームの特色が良く表れています。

■ プレゼン会場でのリハーサルで、生徒たちは新たに気付きます。
「声を大きくした方がいいかな?」
「マイクの渡し方はどうする?」
「模造紙出すときの合図を決めておこう」
「緊張して早口になっちゃうね」
など、よい「伝わる」発表をするために意見を出し合います。いまや、どこのチームにも動いていないメンバーは見当たらず、チームとして一つの目標に向かって活動を行っています。

発表 発表 発表

 

■ 生徒たちによるプレゼンテーションが始まりました。発表は1チームあたり7分、質疑応答3分です。緊張の表情は隠せませんが、自分たちのやってきたことを信じることが大事。SVからプレゼンテーションの注意事項が告げられた後、最初のチームが演台に向かいます。

■ 先陣を切ったチームのタイトルは、「進化 〜過去・現在・未来〜」です。「とびら」という言葉に可能性や未来という意味を感じ、「未来への驚くべき可能性」という意味をこめて「かがく=可愕」と考えたとのこと。技術の進化によって環境によくなった製品に着目し、ハイブリッドカーや太陽光発電の普及について説明を行いました。そこから未来に出来て欲しい技術として『太陽ボール』を提案しました。これを投げることで、紫外線をカットできるオゾン層シートを作り出すというものです。
生徒が「ボール欲しい人いますかー?」と聞くと、会場の数人が挙手、ボールを投げて渡すパフォーマンスで会場を沸かせました。自然と融合していけるように進化していくことが「かがくのとびら」を開くことである、と締めくくり発表を終えました。

発表 発表 発表

■ 素晴らしい演技力で存在感を見せつけたチームがありました。あらゆるタイミングに「実演」を混ぜて説明していました。このチームでは「かがく」とは便利なもので、理想や夢を叶えるもの。「とびら」は障害、出入り口、境目と捉え、その共通点として「何が起こるかわからないもの」と意味づけしました。この「何が起こるかわからない」=「冒険」と連想を膨らませ、冒険と新しいものを創る過程が似ていると考えたのです。冒険家と科学者が道を進み、そして迷う実演を交えて、冒険家と科学者には同じような長くて辛くて険しい道があって、ひとりで出来ないことも協力して乗り越えていく。なにより失敗しても諦めない、根気、やる気、元気が必要である、との主張がなされました。そして、長い年月をかけて創られたASIMOと同じように、自分たちのプレゼンも同じように険しい道のりがあった。けれど、協力して、諦めずにやり遂げることができた、と展開していきました。冒険者・科学者の歩みと自分たちがこの3日間歩んできた経過を合わせた「みちのり」というプレゼンタイトルに込められたメッセージは、最後に行われたASIMOを模した実演と合わさり、会場にたくさんのどよめきと笑い声を生み出しました。

■ テーマが「かがくのとびら」と平仮名であるところから、一つだけでなく様々に漢字を当てて考えるチームもありました。「とびら」を「タイトルページ・はじまり」と考え、前へ進もうとする時に生み出されるものと捉え、そこから「道(過去)」を連想し「未知(現在・未来)」と発想を飛躍させていました。
ツインリンクに来て見た技術を紹介しそれぞれに漢字を当てていきます。森のトイレは、私たちの暮らしに欠かせない技術として「欠我暮」。ASIMOは、Hondaが苦しみながら20世紀に不可能といわれていたものの成果と考え「果我苦」。そして、人を楽しませることが可能になるかもしれないという未来予測をこめて「可楽」としていました。

発表 発表 発表

■ 昨日チーム内に波紋が起きたチームは「環〜人と技術と自然の関係性〜」というタイトルのプレゼンを行いました。環には○の輪っかもある。この○のように「人・技術・自然」は循環しており、「かがく」は「架学」として、三つをつなぐ「架け橋」として存在するものであるとの説明を始めました。そして「とびら」とは「身近にあるもの=人・自然・技術」であり、それらが一つでも欠けると未来への架け橋を架けることができなくなる、と主張を展開していきます。
最後に、Hondaの社会活動のロゴマーク(人が手を取り合っているデザイン)を引用し、初日に掲げたチーム目標「団結」とのつながりを話します。「「人・自然・技術」と同じように、メンバー一人でも欠くことはできません。環を大切にすることでいつでも『かがくのとびら』を開くことができるのです。」
自分たちが目指したチーム像とプレゼンの主張をリンクさせた素晴らしい内容のプレゼンテーションでした。最後にチームメンバーで手をつなぎ、「チームだけでなく、ここにいる41人みんなで手を取り合って夢を実現していこう」と、チームから視野を広げて学年全体の関係と未来とに想いを馳せるメッセージが会場に投げかけられました。

■ 全ての発表が終了すると、生徒たちも皆ホッとした様子です。自分が良いと思ったチームに投票した後、この3日間を振り返って自己評価をし、2泊3日で最も変化したと思うことを200字で書きます。

発表 発表 発表
 
 【評 価】

■ 閉会式の時間になりました。まずHondaの赤羽さんからの講評がありました。
「この三日間の活動を見させて頂いて私にも色々な発見がありました。言いたいことを言うために様々な出し物があったり、話し方、資料の作り方、内容がとても斬新で驚きました。この難しいテーマ「かがくのとびら」をチームで一丸となって取り組んでいる姿勢、チームのみんながとても仲良く楽しそうにやっていたのが印象的で、それがこのような素晴らしいプレゼンに結びついたのではないか、と思います。今回のテーマの正解はそれぞれのチームによって異なってくるものでしょう。たくさん話し合ってその正解を求めて、それぞれのチームにふさわしい正解を出したのではないでしょうか。これからの人生、色々とあると思いますが、自分の正解は自分で考えて出していって欲しいと思います」

■ 続いて講演をしていただいた岡部さんからも講評をいただきました。
「『発見・体験学習』を何回か見てきて、私の一番の楽しみは夕食前後の活動状況や進行状態から、このプレゼン当日に発表した内容の差、これを見るのがとても楽しい。必ずどのチームもやり遂げ上手くまとめてくるところが素晴らしく、近畿大学附属豊岡中学校の皆さんのプレゼンも素晴らしいものでした。チームの目標を模造紙に書いていましたが、あれがそれぞれのチームの夢だと考えてみてください。夢というのは実践したり、実現することが難しいものです。どのチームもフレンドリーでチームワークが良く、一人で実現することが難しいことを、チームワーク良く実践することが出来ましたね。この素晴らしい経験を忘れないで欲しいと思います。
そして、夢を描いたらそれを漫画にしてみてください。今の姿も漫画にして、その差を更に漫画にしてみて下さい。その「差の漫画」が努力をしなければならないことです。学校に戻ったら、自分たちのチームのプレゼンの目的は何か、その目的を達成するための目標が何かを考えてほしい、絶対に必要なのは夢を描いたら目標を設定するということです。ここで学んだことを糧に進化させていって、みなさんの描いている夢を実現していって欲しいと思います。」



■ 続いて、川端先生から投票結果と先生賞の発表です。栄誉ある1位は素晴らしいパフォーマンスにて聴衆を沸かせたチームでした。先生賞は以下のとおりで、チームリーダーが前に出て表彰状の授与式が行われました。
チーム1・・・チーム○―ク賞
チーム2・・・パーソナリティ賞
チーム3・・・アイデア驚愕賞
チーム4・・・マリオワールド賞
チーム5・・・Kagaku賞
チーム6・・・パフォーマンス賞
チーム7・・・チャレンジスピリッツ賞

■ 最後に中尾先生から閉会式の挨拶がありました。
「長旅を終え、3日間本当によく頑張ったと思います。素晴らしい活動でした。各チーム、意見の対立など色々あったと思いますが、一番大切な事は、ここでの活動を通して身に付けた力です。色んな人の力を借りて、発表することができたこと。それはチームメンバーで称え合って欲しいです。チームのプレゼンに正解はありません。このテーマはとても難しく、永遠のテーマとも言えます。これからもこのテーマについてずっと考えていって欲しいですし、機会があれば誰かと話して合ってみて欲しいです。「つながり」というのは一つの大きなテーマです。夢と夢とのつながり、それによって色んなものを作り上げてきたHonda、チームメンバー同士のつながり、人と自然のつながり、そういったものをもう一度自分の中で考えて欲しい。何かをつなげる時に『100の半分は50ではない』という本田宗一郎の言葉を忘れないでください。ここでたくさんの人の力を借りて、成し遂げたことを忘れずにこれからの学校活動に役立てて欲しいと思います。本当に素晴らしかったです。」

評価 評価

■ 会場を出る前に、3日間をLAと共に振り返りました。各チームのLAからそれぞれの生徒へ向けてのアドバイスや良かった点が話されています。3日間という短い期間ではありますが、毎日一緒に過ごしたLAと話すのもこれで最後。「お昼ごはんは一緒じゃないの?」と名残惜しそうに話しています。どの生徒も笑顔で話しているのが印象的です。

評価 評価

■ 閉会式を終え、バスに乗り込んでいく生徒たち。自分一人ではなく、自分の周りにいる人の気持ちを考えたり、他者との関わりあいを意識し始めた生徒もいることでしょう。それぞれの中に新たな可能性が見出されたのであれば、生徒たちの瞳に映る光景は3日前と似て非なるものでしょう。「とびら」を開いて新たな世界へ進みだす生徒たち、彼らによって拓かれる未来にはどのような夢が実現されているのでしょうか。