聖徳学園中学校「サマーキャンプ 〜Road to the Future〜」
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 【リハーサル】

■ 今日は3日間の集大成。プレゼンテーションを行います。プレゼンの準備時間も残りわずかとなって、生徒たちにも焦りの色が見られます。昨日、プログラム終了後に志願して残り準備を行ったチーム1は、遅れを取り戻すように資料の作成やリハーサルを行っています。プログラム当初、バラバラであったチーム状態も徐々にまとまりつつあります。台本を作るのに夢中なチームは、チーム全員で一枚の紙を見ています。どのように話を展開していけば良いのか、ということもチーム全員で考える姿勢は大変評価できます。

■ リハーサル会場に行って、リハーサルを行っていたチームがありました。
「前を向いて話そう」
「ゆっくりと話そう」
「恥ずかしがらない方がいいよ」
と、LAからアドバイスがあります。
「パワーポイント次のページ行ってよ」
「ここは誰が喋るんだっけ?」
「マイクの受け渡しはスムーズにやろう」
と生徒たち自身でも、より良いプレゼンテーションにするために改善していこうと一生懸命です。細かい部分へのこだわりは「生徒たちの成功させたい」という気持ちの強さの表れでしょう。

リハーサル時間が終了となり、各チーム、プレゼンテーションの会場へ移動していきます。どんなプレゼンテーションが行われるのか、楽しみで仕方がありません。

 
 【発 表】

■ いよいよプレゼンテーションです。「エコと自然」というタイトルで発表を行ったチームはエコカーと自家発電について調べたことを発表しました。エコカーのことをわからない人にも分かるように説明をしていた点が素晴らしいです。太陽光発電について身の回りの使用例を挙げ、自分たちにとって身近なモノであることを説明。「エコは身近なところから」という結論で締めくくりました。

■ あるチームでは、ASIMOの変遷について発表しました。写真をスクリーンに映しながら説明するのでASIMOの歴史が段階を追って見ることが出来ます。このチームは、最先端技術とは「感情」であると発表しました。それは、感情は作れないもので生きているものにしかない、頑張りたいという感情が努力を生み、その努力は生きていなければ生まれないものだと主張。生きていること・命があることが豊かである、と結論づけました。




■ 「豊か」という言葉から連想して、最終的に「充実」という言葉につながったことを発表したチームがありました。連想は次のように展開していったとのこと。
「豊か→自然→動物→弱肉強食→死→厳しい→つらい→大変→忙しい→充実」
この連想から、豊かさは充実したものである、と考えたそうです。しかし、充実した豊かさに辿りつくためには様々なマイナスの要素が絡んでくるということにも気付いたのです。この自分たちの思考の流れを説明することで、聴いている側も同じ思考を辿ることが可能となっています。次にスクリーンに映し出されたものは、
「豊か→便利→最先端技術→未来→希望→夢→創る」
という連想。この連想から、豊かというものは創るものである、そして、豊かさは人間が創るもの、豊かさとは人間そのもの、という結論に発展していきます。このチームは自分たち人間が「豊か」という考えに最終的に至ったようです。「あなたたちは豊かですか?」という質問に対して、「豊かです」と満面の笑顔で答えたことは、どこか心の豊かさを感じさせます。



■ クルマのエンジンについて発表したチームは強烈なインパクトのプレゼンを行いました。オープニングでバックミュージックを流し、進行役の司会者が軽快な口調で説明していきます。聴いている人から「ほんとかよー?」と言われると、発表の途中でも「ほんとですから!」と間髪入れずにやり取りをする様子はまるでショーを見ているよう。僕たちは「ハイブリッドが完璧とは思ってません」と明るいノリで調子良く言うと、聴いている人から笑いが起こります。このショーの終わりは「歌」です。崖の上のポニョを恥ずかしがりつつ歌いました。途中、手拍子が起こり、このチームの発表は最高潮の雰囲気のまま終わりました。
「水が汚れたらポニョが死んじゃう。ポニョはきれいな水じゃなきゃ生きていけないので、ポニョが関係あると思って歌いました」
というコメントは大変優しさに包まれた想いを感じます。とても印象的な発表でした。

■ 「ASIMOが本当に必要なのか?」ということを考えたチームは、プラス面とマイナス面の両方を考慮したプレゼンテーションを行いました。

@ASIMOのプラス面
・危ない作業や、障害をもつ人の補助をすることが出来る
・技術開発にチャレンジすることで人間が成長発展していくことが出来る。
・さみしさを紛らわすことが出来る

AASIMOのマイナス面
・本来人間の持っている力が無くなっていってしまう恐れがある。
・ASIMOで溢れかえってしまうと人間に代わりASIMOで仕事がこなせてしまい、職を失う人間が出てきてしまう。

このチームの結論としては、ASIMOやロボットは完璧ではない。だからASIMOやロボットに何でもやらせようとすることは良くない、というものでした。発表の進め方もスムーズでしたし、このチームはチームの全員が情報を共有し、質問に答えられる状態にありました。プレゼンテーションにおいて連携を図ることも重要なことです。

■ 他にも様々な発表がありました。あるチームでは、自分たちのチームの発表を盛り上げるための盛り上げ役を担うチームメイトがいました。パワーポイントに画像やグラフ、図を用いて説明をしているチームもあります。もっと技術を進歩させ、濁っている地球から青くキレイな地球になればいい、という大きな青写真を描いていたチームの発表にはスケールの大きさを感じます。


■ 発表が終わると質疑応答の時間になります。多くの生徒から発表の内容に関する質問が飛びました。

「歩くための基本という発表がありましたが、歩くための基本って何ですか?」
「バランスを取ることが出来るようになったことです。」

「この先のASIMOはどのようになっていくと思いますか?」
「老人の介護をしたり、ビジネスで活用されていくと思います。」

「ロボットが感情を持つことが出来たらどうなりますか?」
「感情のあるロボットが生まれたら人間がいる意味がなくなってしまう。だから感情のあるロボットを作る必要がないと思う。」

「豊かさとは人間そのもの、と発表がありましたが何故そう思ったのですか?」
「人間がいなければ豊かという考え自体がないから」

「ASIMOがやっていることは人間がやればいいと思う」
「ロボットは人間の生活を助けるものだという考えが根本にあります」

「ASIMOは量産できないと思うけど、実用することができると思いますか?」
「近い将来には量産化されるのではないか、と思っています」

「空気抵抗が少なくなってどういう点が良くなったのでしょうか?」
「空気抵抗が少なくなると、風を上手く受け流せるため、燃費が良くなります」

中には鋭い指摘もあります。
「ハイブリッドカーは充電しないと思うので、発表した内容は電気自動車じゃないんですか?」
「間違ってました。すいません。」

「ASIMOはガソリンで動かないと思うんですけど?」
「勉強不足でした」

指摘されたことが間違っていると思った時に、素直に間違いを認めることも必要です。もし、悔しさを感じるのであれば、それはこれからの成長の糧となるでしょう。

先生からのコメントもありました。
「『人間の知恵の豊かさ』というように、『豊かさ』を限定している点が素晴らしいと思いました。」
先生に褒められると生徒たちも自信につながるのではないでしょうか。



■ 発表が終わると投票の時間です。自分たちが良いと思ったチームへ票を入れていきます。投票の後、3日間を振り返り自己評価をしていきます。最後に、この3日間を終えた今の気持ちを「200字シート」に書き綴っていきます。このプログラム中に何か新しい自分を見つけることができたのでしょうか。それぞれ自分と向き合いながら記入しています。発表が終わって生徒たちも少しホッと安心した表情です。

 

 【評 価】

■ プログラムもいよいよ終わりを迎えました。閉会式が行われます。まず、Honda「発見・体験学習」を代表して青木さんから投票結果の発表です。
会場Aにて最も多くの票を獲得した1位はチーム6でした。2位はチーム3、3位はチーム2となりました。会場Bにて最も多くの票を獲得した1位はチーム15でした。2位はチーム14、3位はチーム12となりました。

■ 続いて青木さんから講評がありました。
「テーマが『最先端技術』ということもあって、ASIMO、ハイブリッド、エコカー、環境、自然ということをキーワードに調べているチームが多かったという印象があります。各チームの発表や質問を見ていても鋭いものがあって、お互いに活かし合うことが出来ていたと思います。ただ、プレゼンを時間内に収めることが出来なかったチームがいくつかありました。そうしたチームは今後の課題として、限られた時間で伝えたいことを伝えることが出来るように頑張って欲しいです。ここで育んだチームワークを大切に今後の学校生活に役立てていってください。」

■ 生徒たちが3日間で育んだチームワーク、それは決して楽なものではありませんでした。時には意見が食い違ったり、仲間と気持ちがすれ違ったりと、それぞれに葛藤を乗り越えて発表にこぎつけました。その過程をそっと見守っていた先生方からは、チーム毎にユニークな表彰状が贈られました。「逆転ホームラン賞」「ドラマチック賞」「IDEAS FOR HUMAN賞」「Fusion賞」などが、先生方のコメントとともに手渡されました。

■ 先生からの表彰の後、LAから生徒に向けてコメントがありました。あるチームのLAは生徒の目を見て話しかけます。
「みなさん、今、ぼくの眼を見ていますか?相手の眼を見るということは、相手の心に心を注いでいるということです。そうすることで人と向き合うことができるのだと思います。」
短い時間ではありましたが、やはり共に活動をしたが故に生まれる熱いメッセージ。生徒たちも真剣な表情で耳を傾けています。
、生徒たちはひとつ大きくなったように感じます。一人ひとりがどんな成果を感じて持ち帰っていったのか、その答えは今後の学校生活の中で見えてくるに違いありません。

■ 生徒代表による挨拶がありました。
「この3日間、最先端技術と豊かさというテーマで学習してきました。ここで得たことを活かして、今後の学校生活に役立てていきたいと思います。」




■ 最後に成田先生より講評がありました。
「いよいよサマーキャンプも終盤になりました。この間、テレビで水素の燃料電池の番組を見ていたのですが、挫折と努力の繰り返しでした。今回の研修でも、チーム内で挫折や努力があったと思いますが、そういったことがプレゼンテーションに活きたのではないかと思います。期待した何十倍も良い発表でした。意見交換をしたり、そこから更に考えたり、その繰り返しを積み重ねていった結果、更に良いものが出来上がっていったのでしょう。大事なことは、他人とよく繋がって、自分らしくしっかり生きること。これはより良く生きることにつながります。今回の体験を学校生活に活かしていって欲しいです。最後に感謝の気持ちを述べて終わりにしましょう。」

スタッフ全員が前に並び、生徒全員が立ってお辞儀をします。
「ありがとうございました!」
これにて聖徳学園中学校の「サマーキャンプ〜Road to the Future〜」は幕を閉じました。これからも探求していく心を忘れずに、前を向いて成長を続けていって欲しいと思います。