NSG教育研究会 「NSG夏の発見・体験学習合宿」
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 【発 表】

■ プレゼン本番の朝、生徒たちは朝食を食べ終えて予定よりも早く会場に集まっていました。

■ 昨日の企画アドバイザーがまとめたメッセージカードが生徒たちに手渡され、最後にもう一度読み直します。
「中間発表を聞いて、すごく理路整然として説明をしていたので、みなさんの能力の高さに感心しました。そのままでも十分に良い発表になると思いますが、皆さんに期待しているのは、やはり独創的な新しい発想です。みなさん自身の発想をプレゼンにぶつけて下さい。そしてツインリンクもてぎで調べて感じたことをあふれるくらいプレゼンに乗せてください。後もうちょっと。がんばって!!」
企画アドバイザーのアドバイスを受け、チーム2のパワーポイントは観客を意識して、写真が追加されています。真横で作業をしていたチーム1が時折チーム2のパワーポイントを覗きに行く様子も見られます。データ修正の締め切り時間を迎えても、原稿作りや模造紙の書き足しなど、残り30分をきってもどちらのチームもまだリハーサルをしていません。SVのアナウンスを合図に、両チームリハーサルに入ることにしました。

■ 本番会場にやってきたチーム1のメンバーは、立ち位置を決められずステージ上でなんとなくうろうろしてしまいます。「本番もそうやってはじめるの?」というLAの指摘を受け、ようやくリハーサル開始です。いつ誰にマイクを回せばいいのか。パソコンの操作は誰がやるのか。喋るときの目線はどこへやるのか。パワーポイントが完成しただけではプレゼン準備が終わっていないことに気付き、焦って担当を決めていました。チーム1が移動したあとの編集会場では、チーム2がリハーサルを行っていました。たどたどしかったリハーサルも2回目にはぐっとなめらかな発表になっています。時間を計っていたLAから1回目より2回目の方が10秒早くなったことを聞くと、「えっ、これじゃ時間があまりすぎちゃう!」と原稿を再度見直すことになりました。

■ プレゼン準備終了直前の会場内には、慌ただしくも綿密に最終調整をする生徒の姿がありました。「緊張するー!」と言いながらも実にいい表情をしています。諦めずに取り組んできた3日間の自信がにじみ出ているようでした。

■ チーム1 『技術&環境』
技術についてまず身長・体重のデータを用いてASIMOの進化を追い、ASIMOが都市でどんな風に活躍したらいいかを模造紙にまとめていました。家事手伝いや博物館でのガイド役などいくつも案を提示し、その上で「ASIMOに頼りすぎないで、どうしても必要になったときに使うほうがいいと思います。ロボットに頼りすぎるとロボット社会になってしまうからです。」と述べました。パワーポイントと模造紙を交互に使いながら、原稿を見なくてもすらすらと発表していくチーム1。調べたこととチームで考えたことを巧みに織り交ぜ、自分たちの言葉でしっかりと発表していきます。最後は「自然を守ったりもっとも最適な機械を生み出すことが豊かな都市につながっていると思います。」と結論を述べました。

■ 発表が終わると、質疑応答の時間です。「ロボット社会っていうのはどういうイメージをもっていますか?」「ロボットがすべてのことを支配してしまうような社会です。」「そんな社会になったとき人間はどうなると思いますか?」「人間よりもロボットが地位が高くなってしまう、と考えています。」突然の質問にも堂々と答える姿からは、これまでの議論の充実ぶりが伺えました。

■ チーム2 『みんなが笑顔になるために』
自然・笑顔・便利。豊かな都市に必要だと考えた3つの柱に関して、それぞれ理由を述べていきます。「チームとして目標を話し合った時、笑顔を大切にしたいと思いました。それはとても大切だと思ったからプレゼンにも出しました。」「便利になった分、自然が減ってしまうので、将来は空中に道路などを作って自然を壊さずに便利なまちになってほしいです。」数々の絵や写真を背に、HWのキャストへのインタビューを紹介したり、「この紫色の花が咲いている木の名前は何でしょう?」と聴衆にむけてクイズを出したり。プレゼンテーションの手法にも工夫がなされていました。

■ クイズの答えはHWのウッドリアという花でした。「絵がいっぱいあって、面白いなと思いました。HWに行って、いろんな虫や木やキノコがありましたよね。いろんなものを見つけたことと思いますが、なぜその中でウッドリアの花を選んだんですか?」「帰りにその花を見て、とてもきれいで心も豊かになったからです。」何を吸収して、何を感じ何を考えたのか。「豊かな都市」というテーマに対し一人ひとりが真剣に向き合い、話し合った末の発表が2つ、終わりました。

■ 発表が終わり、生徒たちはホッとした表情を浮かべています。ここで、「3日間のプログラムを通じて自分がチャレンジしたこと」をノートに書きます。生徒たちは自分を振り返って、ノートにペンを走らせていきます。


 
 【評 価】

■ 閉会式では、3日間の健闘を讃え、先生方から賞状が贈られました。チーム1には「ステップアップ賞」。チーム2には「相乗効果賞」です。壇上で照れくさそうに賞状を胸に掲げるその姿に、会場からは自然と大きな拍手がわきあがりました。

■ 3日間をともにしてきたLAから最後のメッセージが送られました。「みなさん本当に一日一日ステップアップしているな、と感じました。ここではすぐに身につく力、じゃなくてこの先ずっと続けていける学習の方法みたいなものを学んだのではないかと思います。」「みなさんにとって大事なことはみんなが自分の頭でしっかり考えること。それを伝わるように努力すること。そして自分の言ったこと、相手から聞いたことを大切にすること。」「自分の中に眠っている可能性に見切りをつけないでほしい、そして、自分の言ったこと・したことに責任をもつ決意を持ってほしいなと思います。」

■ 続いて、NSG教育研究会代表の小野様から閉会のご挨拶がありました。
「僕も実はみんなと同じ体験を今でもやっています。仕事とは別の場で知らない人と集まって一つのグループをつくって自分たちでやるべきことを決めて、決めたことに対して結論を出すためにどうするか、毎日のようにやっています。みんなの姿を見て思い出しました。これってすっごく難しいことだよね。でもみんな諦めなかった。最後まで何とかしようっていう風に思っていたことが一番大切なことだったんじゃないかなと思います。チャレンジする、その気持ちを最後まで持っていたのは素晴らしいことです。
本田宗一郎の言葉で好きな言葉があります。『これは絶対にできない、ということを証明することほど難しいことはない』という言葉です。「できる」はたくさん試してたった一つでも成功することが見つかればいい。でも、「絶対できない」って証明するためにはあらゆる可能性をつぶしていかなきゃいけない。だから「できない」を証明することほど難しいんです。チャレンジし続ければ必ず成功する、できるんだっていう気持ちを、これからも持ち続けてほしいと思います。」

■ 田中美貴子さんから、全員を代表して3日間を通した感想を語ってくれました。その手には原稿はありません。自分が考え、感じたことを、自分の言葉でしっかりと話してくれました。
「私は自分から発言することが苦手で、自分を変えたいと思って合宿にきました。少しでも実現できるように頑張ってきて、少しでも変われてよかったです。これからも、学校などで自分から発言できるようになりたいです。」最後は代表者の生徒の宣言で、3日間を締めくくりました。知らない人同士で様々な体験をともにして、様々なメッセージを受け取った生徒たち。羽ばたいた先でどのような活躍をみせていくのでしょう。

■ バスに乗り込んで生徒たち。スタッフ全員で見送っていたところ、乗り込んでいたバスから、なぜか全員降りてきました。忘れものかな?トイレかな?と思っていたら、「せえの」という掛声とともに、全員が声をそろえて「3日間、どうもありがとうございました!!」とスタッフに挨拶をしていました。どうやら、生徒たちが車中で話し合い、実行することに決めたようです。スタッフ一同、その姿に熱いものが胸にこみあげてきました。
自分で考え、行動を起こす力。生徒たちはこの3日間で、ひと回りも、ふた回りもおおきく成長したようです。