春日部共栄中学校 「HONDA最先端学習」
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 【発 表】

■ プレゼンテーションも間近。パワーポイントなどの資料作成がまだ間に合っていないチームもあり、なかなかリハーサルに取り掛かれません。満足のいく資料を作ろうと締め切りのギリギリまで作業をしています。パソコンを2台使って資料を作成していたチームは、それぞれが作った資料の相違点が出てしまったり、予想以上のページ数ができてしまったりと、ここにきて様々なハプニングが起こります。

■ リハーサルをしてみると新たな課題が見えてきます。5分以内に発表をすることができなかったチームもあります。スムーズに説明できなかったり、パワーポイントの映像を切り替えるタイミングが掴めなかったりしています。
「もう少しゆっくり話した方がいいね」
「下を向かないで前を向いて話そう」
「焦らないで落ち着いて自信をもって発表して大丈夫だよ」
LAからアドバイスされます。生徒たちも真剣に聴き入れて、より良いプレゼンテーションにしようと最後の調整に一生懸命です。

発表 発表 発表

9時30分になりました。リハーサル時間の終了です。各チーム、プレゼンテーションの会場へ移動していきます。

■ いよいよスタートです。保護者の方も見学にいらっしゃっています。先生方も保護者の方々も期待してその時を待ちます。テーマは次の2つのうちから選択性です。
@「自然と人間」〜自然と人間が共生するために〜
A「ロボット(最先端技術)と人間」〜技術が進歩した先にあるものはなんでしょう?〜
各チームどちらを選択したのでしょうか。


■ 「ロボット(ASIMO)」を選択したチームが多くありました。その中の一つは、これからは人の助けになるロボットが必要だという結論にいたったようです。アシモステージを見て「ASIMOの仕組みを詳しく知りたい」と思ったチームもありました。ASIMOが将来自分の家に来るかもしれない、という理由でASIMOについて調べたチームもあり、同じテーマを選択していても、その動機は様々です。

■ あるチームは、ASIMOの特徴を説明した後、こんなASIMOになって欲しいという「未来のASIMO像」を発表。人が接しやすく、家庭や会社で役に立つASIMOが必要である、と結論づけていました。
別のチームは「ロボットと人間の共存」を考え、ASIMOの身長と体重についてグラフを用いて説明した後、未来のASIMOを予想していました。介護ロボットとしてのASIMO。顔の表情が豊かなASIMO、丈夫なASIMO、などASIMOへの期待が非常に高いことがよく分かります。「ドラえもんの構造を見本にしながら進化していくとみんなに愛されるASIMOになれると思う。」と結論づけて、オリジナリティのある発想を見ることができました。

■ 「ASIMO」について発表したチームの中でも、自然と科学を比較して考え、科学が発
展したら自然を保護するロボットも作ることができるという理由で、「最先端技術」を優先してテーマを決定したチームが印象的です。テーマ決定の際に、もう一方のテーマと比較し、融合させている点は見事です。『環境対策ロボット』は計画的に木を切る人間の立場とは対照的な、器械的に木を植えるロボットです。『大気汚染改善ロボット』は二酸化炭素を吸って植物に与えて光合成を促進します。


■ 劇というスタイルでプレゼンテーションを行ったチームは「人とロボットの関係」について発表しました。人間とロボットが友達になれるのか、という疑問が今回の発表テーマを決めるモチベーションになったようです。劇では人間による励ましと、ロボットによる励ましを演じ、それを比較していました。
人間A「今回のテストの点数悪かったなぁ」
人間B「大丈夫だよ、僕も点数悪かったんだ」
ロボット「ダイジョウブデスカ?ダイジョウブデスカ?」
人間は相手の気持ちを考慮して対話をしていますが、ロボットは相手の気持ちなど関係なく「ダイジョウブデスカ?」と言葉を繰り返しています。この劇から、人間とロボットとの違いは「こころ」である、という主張を展開していました。お互いの心を理解しようとする、それができるようになれば人間とロボットは友達になれるかもしれません。劇を使うことでロボットの無表情な雰囲気がリアルに伝わってくる発表でした。

■ 「自然と人間の共生」について考えたチームは、自然の方がロボットよりも工夫をする余地があると考えたそうです。現在は「人工(的なモノ)>自然」という状況であると説明し、このままいくと人類が滅亡する恐れがあると警告します。HWで見つけた様々な自然に対する工夫を未来にも活かしていくことで、人類滅亡を防ぐことができるのではないか。技術の発展だけではなく、工夫の仕方も発展させていくことで、人間と自然が共生できるようになる、とまとめました。

■ 発表が終わると質疑応答の時間になります。多くの生徒から発表の内容に関する質問が飛びました。
・「感情のあるロボットができたら、人間とロボットの関係はどうなるのですか?」
→「そうすると今度はロボットを利用しようとする人間が現れるようになると思う」

・「技術が進歩すると人間が退化してしまうのではないですか?」
→「しません。ロボットの技術が進歩するということは人間の技術も進歩しなければならないからです。」

・「工夫の発展とはどういったことですか?」
→「ビルの屋上に緑を増やしたり、公園にウッドチップを置いたりするなどの工夫です」
→「ビルに植えた木が落ちたりしてこないんですか?」
→「しっかりと固定したら問題ありません」

・「感情を持ったロボットと友達になりなくない場合はどうしたらいいですか?」
→「人間と人間でも合わないタイプがあるので、ロボットの場合でも同じです」
→「お金でロボットを買ったのだとしたら、それでは済まないと思うのですが」
→「ロボットと話し合って、それでもロボットが変わらなければ、自分が変わってロボットと頑張って付き合えるように努力するしかないです。」

生徒たちは質疑応答でも試行錯誤を繰り返します。徐々に生徒たちも質問することに抵抗がなくなり、白熱したやり取りが繰り広げられました。

■ 会場Aでは森先生から講評がありました。
「プレゼンテーションをやってみて、自分たちのチームがよく出来たと思いましたか?それとも少し足りなかったと思いましたか?他のチームの発表を聴いて、お互いの良いところ、悪いところを伝え合うことで切磋琢磨できると思います。今後も頑張ってください」。


■ 発表が終わると投票の時間です。自分たちが良いと思ったチームへ票を入れていきます。投票の後、3日間を振り返り自己評価をしていきます。最後に、この3日間を終えた今の気持ちを「200字シート」に書き綴っていきます。このプログラム中に様々な小さな変化や成長があったはずです。それぞれ自分と向き合いながら記入しています。発表が終わって生徒たちも少しホッとした表情をしています。

■ 続いて、投票結果の発表です。会場Aにて最も多くの票を獲得したのはチーム7です。
2位はチーム1、3位はチーム9となりました。会場Bにて1位となったのはチーム4です。2位はチーム12、3位はチーム6となりました。1位を獲得したチームはもう一方の会場へ移動し、披露します。多くの票を獲得したチームの発表はどんなものなのか、見ていない会場の生徒たちは初めて見る発表を真剣な眼差しで聴いています。

 
 【評 価】

■ プログラムもいよいよ終わりを迎えました。閉会式が行われます。まず、Honda「発見・体験学習」を代表して青木さんから講評がありました。
「プレゼンテーションお疲れさまでした。ロボットと人間について発表したチームは9チームと多かったものの、色々な切り口があって感心しました。自然と人間について発表した3チームも、環境問題について取り上げていて施設をよくリサーチしたのがわかる内容となっていました。全体的に、時間内で発表できるチームが少なかったので、自分たちの言いたいことを伝えられるように今後は取り組んでいって欲しいです。ツインリンクモテギも『人と自然とモビリティの融合』がテーマです。みなさんのプレゼンテーションと同じようなテーマで取り組んでいますので大変参考になりました。ここで体験したチームでの活動、チームワークを今後の活動に活かしていって下さい」。

■ 続いて、最優秀賞の再発表です。各会場での1位のチーム4とチーム7です。大野先生よりこの両チームへ表彰状が授与されます。
そして最後に大野先生より講評がありました。「6年ぶりにASIMOを見て、ASIMOが6年前より確実に芸達者になっていました。そんなASIMOのインパクトから『ロボットと人間』のテーマを選択するチームが多くなりましたね。皆さんが昨日の夕方くらいから体験している、時間に追われながら何かを仕上げる、ということ。これはとても大事なことです。そのためにどうやって時間を使っていけばいいか、ということを考えなければならないのです。また、今日の発表を聴いて『工夫の発展』と言う言葉が出てきました。『人間の持っている技術の工夫』、それを発展させていくという考え方は非常に意義深いものだと感心しました。最後になりますが、これから中学2年になるまでに、君たちは少しの我慢を覚えてください。『ちょっと我慢する』ということはこれから先に必要なことです。この3日間、本当によくがんばりました」。

■ 先生方、スタッフの方々、チームメイト等、自分の身の周りの人達へ向けて、
「ありがとうございました。」
と、感謝の言葉を全員で述べ、今回のプログラムの幕が降りました。

■ 閉会式が終わると、生徒たちは記念撮影と昼食を終えてバスへ乗りこんでいきます。短い時間ではありましたが、共にした時間を惜しむようにLAと最後まで話している光景がとても印象的です。ここで体験したことの答えは一体何だったのでしょうか。その答えを見つけていくのは、これからの生徒たち自身なのです。自分なりの答えを見つけ、今後の成長の糧となることを心から願います。