東京都立白鷗高等学校附属中学校「進化 〜歩〜」
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 【リ ハ ー サ ル】

■ いよいよプログラム最終日。プレゼンテーションの時間が刻一刻と迫る中、生徒たちは最終準備とリハーサルに追われています。プレゼンテーションテーマ『あい』。どのような『あい』が表現されるのでしょうか。



■ 「誰か時間計ったほうがいいよ!」「僕がやる!」「誰が何を言うかもちゃんと分担してるよね!?」「よし、じゃあみんな!一回リハーサルね!」。一人ひとりが、お互いの状況を確認しながらリハーサルを重ねていきます。どのチームからも、メンバー同士の目には見えない絆が確かに感じられます。LAのアドバイスを受けながら、「どうすれば聞いてもらえるか考えようよ!」と、伝えるだけではなく、聞き手のことも意識して、改善をはかります。部屋全体が活気付く中、完成に向けてラストスパートです!


 【発 表】

■ とうとう、プレゼンテーションが始まりました。発表は、16チームを1〜8と9〜16の二つに分け、二会場で行われます。発表の順番をくじ引きで決めて、生徒たちは自分の順番を待つ間、ハラハラ・ドキドキの本番スタートです。

■ あるチームは、テーマを『色々なものとの出会い』として、各施設での出会いとそこから学んだものを発表していました。中でもFFLに関しては、ASIMOをはじめとする最先端技術との『出会い』を取り上げ、次のように説明していました。「まだ12,3歳の僕たちの努力は小さいですが、最先端技術を開発する努力はとても大きいと思います。特に、ASIMOの開発には16年かかっています。僕たちが生まれる前からの努力です。だから、FFLでは、ASIMOと『出会った』だけでなく、16年間の人々のひたむきな想いとも『出会う』ことができました。」
自分の生きてきた時間と重ね合わせて考えられたメッセージは、聞いている人たちの心に強く語りかけてきます。

■ 短歌を作って発表したチームもあります。

‐愛とはね、不思議な力を持っている。進化をさせる、それが力だ。
‐愛の道 それは口で言うよりも 歩いて示す それが愛だよ。
‐愛ってね。過去を栄養にしてるんだ。愛にもいろんな 価値観がある。

そして、「過去の人が未来を愛していたからこそ、この未来があると考えれば、私たちは過去の人の想いを裏切ることはできないと思います。」と締めくくっていました。

■ 『あい』について話し合うことを重視してリサーチをしたチームもありました。自然や友人とのふれ『合い』、自動車やロボット、友人への『愛』、感情の『哀』や『相』など、様々な『あい』をこの3日間での経験と結び付けて考えていました。また、FFLスタッフとの会話の中で「ロボットに介護されるよりも人間に介護されたほうが愛を感じない?」と言われたことから、「人への愛で便利さが生まれるけれど、便利さに愛があるとは限らない」と発表します。「自分のことだけじゃなく、他人のことも考えることが『あい』だと思います。」というのがこのチームの結論でした。

■ 『ツツピーツツピー』というタイトルで、結婚に「愛」はあるのか?というテーマをプレゼンで扱ったチームもありました。「ツツピー」とはヤマガラという鳥の求婚の鳴き声で、HWにあった紹介文から着想を得て『愛』と『哀』をキーワードに展開をしていきます。このチームは非常に斬新な見せ方を行っており、実際に『愛』を感じた写真と、『哀』を感じた写真をスクリーンに映しました。聴いている生徒たちの笑いを誘ったのは、学校の先生が登場する『哀』の写真と、LA同士の友情が全面に溢れた『愛』の写真です。『愛』と『哀』はそれぞれが別個に成立するものではなく、双方が関連性しあうことで成立すると説明します。パワーポイントで映し出されたものはほとんどが写真であり、文字をあまり使っていないところが特徴です。そしてその写真にあるような、ありふれた光景の中に『あい』が存在するという結論に結び付けていました。「身近なところに『あい』は存在する」というのは人への接し方を考えさせる発表であり、今後の彼らの人への接し方に注目したいところです。

■ チームの発表が終わるごとに、質疑応答の時間が設けられます。発表チームが「何か質問はありますか?」というと、すぐに手が挙がり、チームが進むにつれて質問の数はどんどん増えていきます。

Q:「『大丈夫?』と声を掛けるのは、「愛」ではなく「相」じゃないんですか?」
A:「愛がないと声をかけないと思います。」
Q:「微生物などでろ過した水を途上国に配ると言うのは途上国を下にみていませんか?」
A:「東京の水より栄養も含まれていていいと思います。」
Q:「エコ重視で燃費がいいというインサイトについて、さらにどういう改善点があると思いますか?」
A:「水しか排出しない車もできているので、今後もいくらでも改善点は出て来ると思います。」
Q:「『アイ』ディアの『あい』以外に考えた『あい』はありますか?」
A:「プレゼンの中でも言った『相』違点と、あとは目で見たということでeye…『アイ』ディアの中にも更に『あい』があります」

質問がヒートアップして、各チーム『あい』の定義を、質問を通して議論する場面もみられました。自分で見つけ、体験し、考えたことだからこそ、一人ひとりが自信を持って発言できているのでしょう。




■ 全ての発表が終了すると、生徒たちも皆ほっとした様子。自分が良いと思ったチームに投票した後、この3日間を振り返っての自己評価を行い、2泊3日で最も変化したと思うことを200字で書き表します。隣り合って座る生徒たちが「もう終わりかぁ」「ホント早かったよね」と静かにつぶやいています。この後はもう、閉会式です。

 
 【評 価】

■ 3日間のプログラムもついに終わりを迎えます。閉会式が始まり、Honda「発見・体験学習」の青木さんからまずは両会場の投票一位チームの発表です。A会場の一位はチーム6、B会場の一位はチーム11でした。
それぞれの会場の一位チームが改めて、全体に向けてプレゼンテーションを行ないます。

■ 続いて、LAからの挨拶です。
各チームのLAがチームに向けてメッセージを伝えていきます。
「プレゼンテーションのときにちゃんと自分たちの思いを伝えられたからこそ、皆からの質問・反響をもらえたのだと思います。今後の学校生活でも空気を読むだけでなく自分たちの思いをしっかり伝えるということを意識して過ごしていってください。」
「周りを見て行動するんじゃなくて自分でどうすればいいのか考える。その上で実際に自ら行動してみる。自分で自分の道を切り拓いていってください。」

■ LAの挨拶に続き、生徒代表からの挨拶です。
「ホテルを気持ちよく使わせてくれた方に御礼を言います。ありがとうございます。」
そして、ホテルの人からは、
「それぞれの皆さんが考えてくれた成果、とても深いものになったと思います。この3日間の体験を、また学校に戻られてからも活かしてくれたらと思います。」というコメントを頂きました。

■ 最後に薮田副校長からの講評です。
「皆さんお疲れ様でした。この宿泊体験学習のスローガンは“一致団結・レベルアップ”でしたね?チームの中でレベルアップ出来たでしょうか?またクラス内ではどうでしょうか?今きみたちはまとまることがいかに難しいか、そしてまとまるとどんなに大きい力になるか、感じたと思います。今回の経験をこれからの生活にも生かしていってくれたらと思います。今回のテーマ「あい」…とても難しかったですね。私が考えたのは英語の「I」です。英語だと私を示すのは「I」ですよね。過去にしてきたことや今の自分をもとにI hope 将来に向けてI can私ができること。「I」つまり私から始まって将来に進んでいくものなんです。プログラムタイトルで『進化〜歩』とありますね。「あい」というのは50音のはじめの文字であり、ここから言葉が始まります。ここからがスタートなのです。この学習はHondaを知るための学習ではありません。自分自身が成長するためにHondaを活用させていただいたんです。そのような“手段”を忘れないようにしてください。LAの皆さん、スタッフの皆さん、ホテルの皆さん、ありがとうございました。」

■ この3日間を通して、生徒達は自分で何かを見つけ、考え、それを発表することを学ぶと共に、チームで何かを成し遂げるということの大切さ、すばらしさを体感したはずです。今回のプログラムで得たものを活かして、今後の学生生活が実り多いものとなることを願っています。