聖徳学園中学校 「サマーキャンプ 〜Road to the Future〜」
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 【開 会 式】

■天候が心配されていましたが、ツインリンクもてぎの空は一粒の雨もこぼすことなく聖徳学園中学校の生徒たちを迎え入れてくれました。

■学年主任の佐藤先生から「ルールを守って先輩たちと同じだけの成果をあげられるように努力しましょう。みなさんにとって充実した3日間にするための行動を期待します。」「聖徳学園生として、16に分かれたそれぞれのチームとして、また、ひとりひとりの成果として、たとえどんなに小さなことでも良いので『これだけはできるようになった』というものを持って帰れるようにしましょう。」というお話しをいただくところから「サマーキャンプ 〜Road to the Future〜」と題したHonda「発見・体験学習」プログラムが始まりました。

■その後はラーニングアドバイザー(LA)の自己紹介とチームメンバーの発表でひとしきり盛り上がり、昼食会場へと向かいました。




■これからの3日間、生徒たちは何を体験し、何を発見していくのでしょうか。

 

 

 

 【体 験】

ハローウッズ(HW)  


■ここは人と自然が快適に共存できるように様々に工夫が凝らされた山里です。ウッドチップが敷き詰められた山道を歩くと、程なく汗がしたたり落ちてきます。


■小路の途中でウッドチップと立てかけられた木の枝についてキャストから説明を受けました。ウッドチップとは切り倒した木を4p角ほどに細かく砕いたものです。これを敷き詰めると、そのクッション性によって、人間にとっては歩きやすく、万が一転んでも大きな怪我をしにくいという利点があります。また、自然にとっては土が踏み固められないので、ミミズや蟻、もぐらなどの地中に住む生物に優しいという利点があります。さらにウッドチップは放っておくと土に還るのでゴミは一切出さず、環境にも優しいのです。


■立てかけてある木や枝は、その隙間に虫やとかげ、蛇などが隠れ住む棲家となり、人間にとっても土砂が崩れてこない土止めの役割をしています。


 

■山の小路にはちょっと酸っぱいにおいが漂っています。これは樹液のにおいで、虫たちの大切な食糧となります。



■次にキャストが足を止めたのはくぬぎの切株のところです。ここで「木を切るのは悪いことだと思いますか?」とキャストから質問がありました。一通り生徒たちの声に耳を傾けた後、キャストから説明がありました。

■昔はくぬぎやこならの木は燃料にするために定期的に切っていました。木はきってしまうと枯れてしまうわけではなく、切株の近くから新しい芽を出します。この新しい芽は種から出る芽と違い、成長が早いので、10年〜15年で燃料にするのに丁度良い太さにまで育ちます。これを萌芽更新といいます。現在では燃料としての利用はありませんが、定期的に間伐しています。木が覆い茂ると日光が入らなくなり、植物が育たなくなってしまうことと、古い木より若い木の方がたくさん光合成をするので環境にも良いという理由からです。このように人間が手を入れることで、豊かな森が維持されているのです。

■さらに歩を進めると森のトイレがありました。ここでもキャストから質問を投げかけられました。「自分のうんちやおしっこはどこへ行きますか?」生徒たちが困った顔をしていると「では、ここら辺でうんちをしたらどうなると思いますか?」と聞かれました。すると生徒から「バクテリアが分解して土に戻っていく」と声が上がりました。そうです。その仕組みを水洗で実現したのが森のトイレなのです。生徒たちはトイレのうら手にある浄化槽を見に行きました。浄化槽のふたをあけ、中をのぞくと、茶色の水がこぽこぽと泡を立てて循環しています。きれいとは言い難いのですが、不思議とにおいがありません。



■キャストからこの浄化槽にはうんちの成分、おしっこの成分、においの成分などをそれぞれ分解するバクテリアが住んでいて、それらが共存できるような工夫がしてあるという説明がありました。さらに浄化された水は色はついているけれども飲むことができるということや、この水を肌につけると、古い角質をバクテリアが食べてくれるのでぴかぴかのきれいな肌になることなどを聞きました。生徒たちはちょっぴり気持ち悪そうに、しかし好奇心たっぷりに話しに聞き入っていました。

■このように自然の力の偉大さや循環の仕組み、人間との共生の実際などを見聞きした生徒の知的好奇心はどのくらい刺激を受けたのでしょうか。明日からの活動の源泉になることを期待して里山を後にしました。



 

Hondaコレクションホール(HCH)  


■生徒たちはハローウッズからバスに乗り、HCHへやってきました。里山を1時間ほどかけて歩いてきた後で、どの生徒の顔も上気して少し汗ばんでいますが、説明を聞くとさっそくお目当ての製品が展示してあるフロアへと元気いっぱいに飛びだしていきます。

■ここHCHで生徒たちがチャレンジする課題は「違いとその理由…発見!」。ワークシートにある2つの車両を見比べ、その違いを書き出しながら違いが生まれた理由を考えてみようというものです。シートは3種類。バイク、CIVIC CVCC、レーシングマシンと、それぞれ異なった角度から、製品が誕生した背景を探しに行きます。

■お目当ての車両の前に来ると、ほとんどの生徒がまずは黙々と違いを書き出していきます。CIVIC CVCCを調べているチームは、色、製造年、窓の形、シートベルトの位置など、まずは目に見える違いをあれこれ挙げてみます。「ねえ、『名前』っていうのは違いに入れてもいいのかな?」とLAにたずねる生徒もいます。LAが「あなたが『違う』と感じたものなら、それはあなた自身の発見なんだからぜひ書いておこうよ」と言うと、少し嬉しそうにしながらシートに加えていました。何が正解?何を答えればいいの?そんな戸惑いを感じている様子も見受けられます。自分の視点で見つけたものをまずは他ならぬ自分自身がきちんと受け止め、認めることが、探究活動の第一歩となるのです。

■レーシングマシンを調べているチームは、スタッフをつかまえてあれこれと質問しています。普段目にすることのないマシンを前に、「この部分はなんていうんですか?」「あれは?」「これは?」と質問攻め。おかげで「ウィング」「フロント」など新しい言葉をたくさん仕入れていました。この日は、1階の企画展フロアでレーシングマシンのドライバーシートのモックアップが飾られており、生徒はその中に座って「せまい!」「低い!」と驚きの声。「ちょっとお前も座ってみろよ!」と仲間も巻き込んでみんなで初めての体験を楽しみました。

 

■たくさんの情報が書き込まれたワークシートを持ち寄って、発表準備。まずは「何を書いてきた?」とシートを見せ合うところから始まります。違いはたくさんあるものの、「これ、全部書くわけにはいかないよね…」と少し困惑の表情。じゃあどれを書こうか?何を基準に選べばいいのか?少しずつ話し合いの雰囲気が出てきてはいますが、なかなかよいアイディアは浮かんできません。残り時間も少なくなり、スタッフのアナウンスに押されるように「じゃあこれとこれを書くからね!」と誰かの一言で決まってしまうチームもありました。


■発表ではチームそれぞれが見つけてきた違いを発表。また、その違いが生まれた理由として「環境」「安全」といったキーワードも出てきました。ツインリンクもてぎに到着して初めてのチームでの発表ということもあり、話す部分を間違えたり、読んでいる途中でつかえたり、またいきなりマイクを振られて何を話せばいいのか分からずその場にたたずんだり…。あるチームでは、一人の男子生徒が発表を担当。しかし途中で混乱したのか言葉に詰まってしまう場面がありました。すると、それまで隣で立っていた生徒がこっそりセリフを耳打ちしたり、マイクを受け取って続きを話したりと、さりげないフォローも生まれてきています。試行錯誤しながらもなんとか全チームが発表を終えました。

 





■65分という短い時間ではありましたが、調べる過程や話し合い、そして発表の場面で徐々にチームのメンバー同士の関わりがでてきたように感じました。


ファンファンラボ(FFL)  

■FFLにつくと、まずはなぜなに教室にてFFLスタッフから館内ガイドがありました。配布されたパンフレットを見ながら、生徒たちの会話が弾みます。

■館内案内のあとは、スーパーバイザー(SV)からFFLでのテーマが提示されました。
(1) FFLの中から技術を一つ選び
(2) その技術が社会にどのような影響を与えるか
(3) その技術をさらにどう改善するとよりよいものになるか
テーマと同時に、発表の開始時間も伝えられました。チームごとに、リサーチと発表準備それぞれにどのくらいに使うのか、時間配分も考えなければなりません。ノートにテーマをメモし、発表の開始時間を確認すると、どのチームも館内リサーチに出発です。

 


■生徒たちは、施設内にある飛行機やCO2排出量を減らすゲームなど、わかりやすく工夫された技術に次々と触れていきます。数人でひとつの機械を囲む姿や、一人黙々とボードの説明を書き写す取る姿もあり、リサーチの仕方はさまざまです。


■リサーチを終え、なぜなに教室に戻ってきたチームから発表準備に入ります。いくつもメモを取ってきているのに、中々チーム内での話は進みません。そのうちに誰かがペンを取り、模造紙にタイトルを書き始めると、徐々にチーム内に活気が出てきました。しかし、まとまりはじめた辺りで発表時間に。「まだ終わってない」「あと10分!」と各チームから声があがります。SVから「ではあと5分で発表に入ります」と延長が告げられ、どのチームも慌しく最後のまとめに入りました。


■発表の順番は挙手制です。発表にも少し慣れてきたのか、積極的に手を挙げるチームが出始めました。徐々にまとまりはじめたチームですが、いざ発表がはじまると、男子のみが発表したり、女子のみが発表したりと、まだ男女の間に遠慮があるようです。発表の途中で止まってしまっても、チーム内でお互いどのようにフォローをしたらいいのかわからない、といった戸惑いが見られます。


■発表の内容の多くは、技術をASIMOと捉えていました。同じASIMOという素材でも、チームによって少しずつ視点が違います。






■FFLでは、チームの発表のあとにHondaの吉本さんからコメントをいただきます。あるチームでは「ASIMOに性別をつけて、男女それぞれの服を着られるようにする。そうすることでより人間に近づくことができて、友達になれるようなロボットになる」と発表しました。この発表に対して吉本さんから投げかけられた「ASIMOに性別をつけるというのは新しいアイディアですね。ただ、ロボットが人間のようになって、はじめは楽しいけど、身近になりすぎたらどうかな?ASIMOとコミュニケーションという話だったけれど、人間同士のコミュニケーションでも難しいですよね。その辺のことも考えつつ、さらに深めていけたらと思います」とのコメントに、現状のチームを振り返り、コミュニケーションの難しさを感じた生徒もいたことでしょう。また、今はまだチームで考えを深めるとこまではいってないと感じた生徒もいるかもしれません。最終日のプレゼンに向け議論を繰り返していく中で、チームで考え、その考えを深めていくヒントになったのではないでしょうか。