芝浦工業大学中学校「S.I.T in Twinring'08」
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 【リ ハ ー サ ル】

■ いよいよ発表の日がやってきました。生徒たちは朝食と取るとすぐにチームごとに発表の準備にとりかかります。全員が食事を終え、そろったタイミングでプレゼンテーションに向けたリハーサルが始まりました。

■ リハーサルを通して生徒たちは、1チーム5分間という時間を有効に活用できているか、表現がただ伝えているだけでなく、相手に伝わるものになっているかを体感します。残された時間はおよそ30分。「ちょっと棒読みすぎるかな」「読み方を変えれば時間はかかるけどみんなにわかってもらえるよ」など、パワーポイントが完成済みだったためか、原稿に関する部分に意識を集中させていたチームが多かったようです。

■ 「終了です」というSVのアナウンスがあったあとも、生徒たちはなかなか作業をやめようとしません。名残惜しそうな表情を見せる生徒もいます。プレゼンテーション会場へと向かう途中でも議論が途切れることはありませんでした。




 【発 表】

■ いよいよこの3日間でのチーム活動の集大成を大勢の人に知ってもらう時間がやってきました。全体で2つのグループに分かれた生徒たちは、それぞれの発表会場へと向かいます。少し緊張して落ち着かない生徒も見られましたが、プレゼンテーションが始まるとほとんどの生徒がスクリーンや模造紙に釘付けになってプレゼンテーションに聞き入ります。プレゼンテーションは各チーム5分間、その後2分間の質疑応答の時間が設けられています。

■ 現在のエコカーの限界を超え、次世代のエコカーを独自に考案し、発表するチームがいくつかありました。太陽パネルが付き、プロベラや避雷針が装備されていて、家庭用コンセントで充電できる車を発表したチームがあります。晴れ日も、風の日も動き、雨の日は雷の力を利用でき、曇りで風がない日は家で充電して動かす車というアイデアです。そこに対して、質疑応答では「避雷針はエネルギーを地面に逃がしてしまうのではないか」「プロペラを外装すると空気抵抗が生まれ早く動かないのではないか」など、技術的な面を様々な角度から検討するような鋭い質問が数多く出てきます。すでに、太陽光と風力で動く車がモナコで開発されていることを突き止めたチームもあります。車を題材に扱ったチームが多かったこともあるでしょう、アイデアがどこまで現実的に考えられてるか、次々と鋭い意見が出されました。

■ 別の視点からエコカーにアプローチしたチームもあります。前日のリサーチで、エコカーが普及しない理由をHCHのスタッフに聞いたときに「みんなはどう思うの?」と言われたチームは、他のチームや先生、スタッフなどに「エコカーを買いたいと思うかどうか」というアンケートをとったようです。「スタンドがない」、「どこで買うか修理するかなどの情報がない」などを理由に反対する意見が多くありました。そこから「エコカーが普及しないのは、今のメディアの伝え方に限界があるから」という課題を見つけだし、新しいCMを考え、ステージ上で演じたのです。この独特のアプローチには他のチームの生徒たちも感心していました。

■ さて、森のトイレを超えるテクノロジーを提案するため、実験を重ねてきたチームがありました。
大きなペットボトルの底を開けてネットを貼り付け、下から順に土、砂、落ち葉を入れ、最後に炭を乗せます。いよいよ、実験開始です。一日目に入手した臭いのある、色のついた水を上から入れます。下からは、チームの実験装置で浄化された水がでてきました。他のチームの生徒が確認すると、どうやら臭いはかなり薄くなった様子。ステージでは1度しか実験できませんでしたが、準備段階の実験では、何回も濾過すると、色も薄くなるという結果が得らたそうです。これは、炭にある小さな穴が、臭いと色を取るという機能を果たすため。質疑応答では、「何故、炭に浄化機能があるのか」という質問が出されましたが、どういうメカニズムで臭いと色がとれるのか、他の材質で代用できるのかはまだチームで検討中で、今後の課題として残ったようです。

■ 様々な視点とアイデア、そして活発な質疑応答に彩られたプレゼンテーションとなりました。ただアイデアを出すだけでなく、多角的に検討するような質問が多くありました。「空気中の二酸化炭素を冷やしてドライアイスにして地中に埋める」というアイデアに対して「地中に埋めたドライアイスは時間がたてばどうなるのか」という質問は盲点だったようですが、チームですばやく相談し、「温度と圧力を保つことのできる特殊な容器に入れて埋める」と回答するなど、チームの枠を超え、会場全体で議論をするようにプレゼンテーションが進んでいきます。最後の瞬間まで、考えることに対しての「挑戦」は続きました。

 
 【評 価】

■ 2泊3日もいよいよ閉会式を迎えました。まずは生徒、先生方、スタッフが1人2票ずつ行ったプレゼンテーションの投票結果の発表です。酸素を使って走る燃料電池自動車を提案したチーム6、水素を爆発させて走る過程で出る水を太陽エネルギーで電気分解することで補給なしに走る車を提案したチーム11がそれぞれ1位を獲得しました。質疑応答の受け答えや、エネルギー問題を解決することで経済の問題をも解決できるのでは、という先を見据えた提案が聞き手の心を捉えたのではないでしょうか。

■ 中学二年生ともあってか、2チームとも冷静に結果を受け止めます。投票結果は出ましたが、そこまでの過程において各チームならではの良さが数多く見られました。そこで3日間の過程をずっと見守っていた先生方が、各チームの特徴を評価します。チームが3日間で驚くほど変わりましたという「カメレオン賞」、話合いで、議論があちこちいきながらもよくコントロールしましたという「スラローム賞」、壮大な構想を発表しましたという「ビックスケール賞」など、先生方の評価には生徒たちも嬉しそうです。続いて奥先生から、3日間で生徒の参加意識が目に見えて高まったこと、また、今回は多くの生徒にとって初めてのプレゼンテーションであったけれども、質疑応答まで含めてがプレゼンテーションであり、そこでも堂々と主張できるようにするためにも、次の機会からはより、万全の準備をして発表にのぞんで欲しいという期待をこめた講評が贈られました。

■ そして、チームをサポートしてきたLAからのコメントです。チームと行動をともにしていたLAは、一番近いところから生徒たちの成長を目の当たりにしてきました。「人の意見を良く受け止めるようになった、これからもっとそれを新しいアイデアにつなげていてください」「一人ひとりが輝いていたけど、みんな自分だけでなく、より他人をも輝かせることにができるように挑戦してください」など、生徒たちの成長と、未来へ向けた期待をフィードバックしていきます。

■ 最後に、山川教頭先生から閉会の挨拶がありました。「このプログラムの良さは、体験してみて初めて分かることであり、それぞれに3日間を通じて得たと感じるものは違うでしょう。しかしその中でも最も大事なことは、考えることや学ぶことの楽しさや面白さに、自らが気づくことです。」というお話に生徒たちも改めて2泊3日を振り返ります。

■ それぞれにユニークな個性と、アイデアとを持った生徒たちは、これからもわくわくするような挑戦を続けてくれることでしょう。山川教頭先生の号令で生徒たちが廻れ右をし、閉会式を生徒たちの背後から見守っていたLAに挨拶します。これで、3日間の芝浦工業大学中学校「S. I. T. in Twinring ‘08」が、それぞれに充実感を残しながら、終了しました。