春日部共栄中学校「HONDA最先端教育プログラム」
HOME
レポート!|A. 体験B. チームワークと関係図C. 議論・リサーチD. 編集・企画会議E. 発表・評価
 【議論】

■ 二日目がはじまりました。いよいよ最終日のプレゼンテーションに向けて、テーマを選択する議論が行われます。朝食が終わった後、まず昨日のE-関係図についてもう一度話し合う時間になりました。昨日表現したチームの理想の状態をもう一度共有します。そして今日一日の活動中、チームをよりその状態に近づけるにはどうしたらいいかを話し合います。

■ 配られた3枚のシートから出たアイディアを交換します。シートにはそれぞれ各国の二酸化炭素排出量の割合、各国の軍事費の割合、CO2と気温上昇の相関関係が表されたグラフが描かれています。「このグラフはその話とどう関係するのだろう?」と問いかけられると、「アメリカが1位なのはやっぱりそれだけ技術を使っているから」「でも日本も技術は使っているよ?」「面積も関係あるかもしれない」など、自分たちなりに情報から読み取れることを話し合います。議論の時間がとられたあと、生徒たちから様々な意見が発表されました。「二酸化炭素排出量と軍事費で国がわかる気がする」「日本が結構上の方にいる」「ロシアの二酸化炭素排出量が90年以降に急激に下がっているのは、ソ連崩壊と関係があると思います」など、いままで知っていた知識を活用し、新たなと関係性を見いだす意見が挙げられました。

■ そして、プレゼンテーションのテーマが改めて発表されました。一つは「自然と人間」でもう一つは「最先端技術(ロボット)と人間」です。この二つのテーマからチームメンバー全員の興味・関心を確認しながらどちらかを選択します。しかしこの時点ではまだ判断しかねているチームもあるようです。テーマの選択とともに、何を調べにどの施設を訪問するのかといったリサーチスケジュールの組み立てもしていきます。情報収集を重ねることでテーマの方向性も見えてくるかもしれません。


 
 【リ サ ー チ】

■ 生徒たちは午前のリサーチに出発します。FFLに行くチームがやや多いですが、三つの施設に別れて自分たちが選んだテーマに沿ったリサーチが行われます。リサーチ中は調べるだけでなくどのようなことを考えたかもチーム全体で共有します。それによって個人の考えがチームのプレゼンテーションに還元されてゆきます。



■ 午前のリサーチも午後のリサーチも三つの施設の中から行きたい場所を選ぶのですが、午前中にリサーチしたり、話し合ったりしたことをどうプレゼンテーションにつなげるのか話し合うために、昼食後には30分間のミニミーティングが行われます。ここでは午前中で情報収集を重ねた結果から、チームの方向性をもう一度見直すことも含まれます。「午後はやっぱりHWにいこうよ、私たちはロボットと人間じゃなくって自然と人間の方向性だったんじゃない?」といって午後のリサーチをFFLからHWに変えるチームもありました。

■ 自分たちの考えを再確認できたら、現時点でのチームの方向性を先生方に報告します。まだまだ内容が幅広いチームには「午後の時間を考え、もう少し調べることのポイントをしぼってみたら」といったアドバイスや「どのように役割分担をしていくの?」といった質問を先生方から受け、もう一度チームで話し合います。元気に出発するチームもあれば、中にはもっと話し合いたいと言い、そのまま昼食会場に残って議論を継続するチームもありました。

■ あいにくの雨の中、HWをリサーチに選んだチームは元気に山を歩き回ります。道の途中で蛇と出くわしたり、田んぼを見つけて覗き込んだり、かえるを見つけて捕まえたり、自然の中では本当に様々なこと、予想外のことを発見し、体験し、経験します。「どんなことを感じた?」とLAに問われた生徒の一人が「歌を歌いたくなった」といって歌い始めました。自然の中で生徒たちの気持ちは様々に揺さぶられているようです。そしてそれらは「自然と人間」というプレゼンテーションのテーマとどう結びついていくのでしょうか。山から戻った生徒たちはさっそくHWの入り口にあるウッドデッキで感じたことを議論し始めました。

■ FFLでは多くのチームがリサーチを行っていました。なぜなに教室で話し合っている生徒、ASIMOの情報について熱心にメモを取っている生徒、常駐している施設のスタッフの方やHondaの方に様々な質問をインタビューしている生徒。「HondaはなぜASIMOを作ったんですか?」という質問にHondaの吉本さんは「まず、今まで誰もやっていないということ、それから私たちは子供の頃にアニメでロボットをたくさん見ていて、夢といったとき自然とそれがあたまに浮かぶということ、それらがたぶん大きな理由です。」と丁寧に答えてくださいました。この情報は「ロボットと人間」を考える上で、生徒たちの発想や思考を広げるきっかけになったのではないでしょうか。

■ HCHは、いままでHondaがどのような歴史を辿ってきたのか、そしてこれからはどのような歴史を辿ろうとしているのか、そういったたくさんの資料、置いてある机や椅子、そして全体に漂う静かな雰囲気が生徒たちの発見や体験だけでなく、思考や議論をも刺激します。情報を集めることはもちろんですが、それだけでなく議論をするには恰好の場所ではないでしょうか。実際、リサーチにHCHを選択したチームのほとんどは大半の時間を議論に割り当てているようです。ここで深まった議論は必ずやプレゼンテーションに活きてくるでしょう。