聖徳学園中学校「スプリングキャンプ 〜Road to the Future〜」
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 【リハーサル(役割・編集・再発見)】

■ キャンプ最終日のこの日は、いよいよプレゼンテーションが行われます。この日の大きな課題は「発表」と「自己評価」。同時に、自分たちの発表を通して、あるいは他のチームの発表を見聞きして「再発見」できることもあります。

■ 朝食後、各チームごとのプレゼン準備とリハーサルは8時から始められました。前日までにつくりあげた企画をもとに、実際に時間も図ってリハーサルしてみることで、内容や表現方法の見直しをして、本番までにより良いものに仕上げることが目的のリハーサルです。

■ まず、スーパーバイザー(SV)の合図で、各チームいっせいに5分間のリハーサルがスタート。全員が、とまではいかなかったかもしれませんが、16のチームごとに、ほとんどのメンバーの意識がひとつにまとまったように見えます。

■ 1回の実演が終わると、すぐにチームのなかで意見が飛び交い、自然に議論が始まります。プレゼン中の姿勢や各自の役割、道具(マイクなど)の使い方も含めて、実際にラーニングアドバイザー(LA)がタイムを計り、本番を想定してリハーサルを行います。



■ 時間の途中でSVから「待った」が入り、リハーサル姿勢について「椅子に座ったままの人もいますが、みんな本番でもそういう姿勢でプレゼンを行いますか?」と疑問がぶつけられます。これも指示ではなく、生徒自身を気づきを促すための投げかけなのでしょう。

■ このリハーサル段階では、各チームのタイトルは「環境と車」「ASIMOの歴史」など、まだチームの視点と主張があまり表現されていないものが多数ありました。そこでSVからタイトル表現の仕方として、≪もののけ姫≫≪バカの壁≫などを例にあげ、各チームの表現や、タイトルのインパクトなどについても、もっと効果的なものがないか、熟考を促します。

リハーサル リハーサル

■ 9時になると、プレゼンテーション本番で使うパワーポイントの提出が締め切りになります。すでにパワーポイントは完成し、模造紙などほかの道具の仕上げにかかっているチームもありますが、多くのチームは、締め切り時間いっぱいまで修正を加えている様子です。

リハーサル リハーサル

■ そして完成したパワーポイント提出後、最後の打ち合わせや見直しに時間を費やし、9時30分にはリハーサルが終了しました。この後、数分の休憩を経て、各チームはプレゼンテーション会場に移動。16のチームは、1〜8チーム(T組・U組)と9〜16チーム(V組・W組)の2会場に分かれて、これからプレゼンテーション本番に挑みます。

 
 【発 表】

■ 9時40分になると、いよいよこのスプリング・キャンプの最終段階であるプレゼンテーションが始まります。まず簡単な説明と、プレゼンテーションの順番のくじびきが行われます。各チーム代表が引いたくじで順番が決まるごとに、そのチームの生徒から歓声があがります。

■ プレゼンは各チーム5分。プレゼン中、4分が過ぎるとベルが1回、5分になるとベルが2回鳴らされます。5分経過してしまっても、そこでプレゼンを打ち切る必要はありませんが、ポイントをしぼって伝えるように事前に説明がありました。取材に入ったA会場では、チーム1から8までのプレゼンが行われます。

■ そして本番のプレゼン開始。最初にあたったチーム6のメンバーが壇上に上がると、他のチームと先生方、スタッフが座る客席から大きな拍手が贈られます。プレゼン中はパワーポイントの操作も自チームのメンバーが行います。他のメンバーは壇上に上がりますが、パワーポイントの操作をする役割の生徒は、舞台脇の机に位置しますので、うまくタイミングを合わせての操作が必要です。

■ A会場では、チーム6「人間の知恵」、チーム2「歩行技術」、チーム8「自然と生きる」、チーム3「自然と科学の共存〜廃棄物の処理」、チーム7「ロボットと車の地球環境に対するメリット・デメリット」、チーム4「最先端技術〜その喜劇と悲劇」、チーム5「ASIMOについて」、チーム1「やさしい車」のプレゼンテーションが、次々と行われました。

■ 各チームのプレゼンが終わると、会場からの質問が受け付けられます。最初のうちは、遠慮がちだった生徒からの質問の様子を見て、先生方からの質問が多くなりました。しかし、プレゼンが進むごとに生徒からの質問も活発になり、やがて生徒の質問も増えてきます。


■ 「自然と生きる最新技術とはどんなものですか?」、「いままで行われてきた環境破壊についてはどう考えますか?」、「自然と科学がどうやって共存していくのか主張が弱かったように思いますが、具体的な考えは?」、「私たちはまだ自分で車を買えませんが、私たちにできる環境への配慮とはどんなことと考えますか?」、「いまの技術では無理なことでも、将来はどんな技術が開発されると考えますか?」、「ASOMOをもっと小型化する必要がどうしてあるのですか?」等々、各チームの発表後にぶつけられた質問に対し、自分たちの考えで答えていきます。

■ はじめのうちは、質問の対してチームの誰か一人が答えるスタイルが多かったのですが、そのうちとっさにチーム全員で輪になり、意見を出し合ったうえで答える場面も増えてきました。

■ そういったキャッチボールが活発になっていくにしたがい、会場の雰囲気も盛り上がってきました。質問を受けたチームが話し合っている間、聴衆の生徒たちも静かに議論の行方を見守ります。プレゼンも終盤に入ると、寸隙やアンケート集計のグラフ、目を引くビジュアル表現などを駆使するチームが出てきて、観客席から歓声があがることも。最終のチーム8がプレゼンを終える頃には、盛り上がりが最高潮になりました。

発表 発表 発表

■ こうして120分間にわたる計8チームのプレゼンが終了。途中で答えに詰まってしまったチーム、読み上げる内容の原稿を1枚欠いてしまったチーム、パワーポイントの順序や進行がスムーズにできなかったチームなどもありましたが、その都度、何とか自分たちで解決方法を考え、プレゼンを進めてきた全チームの発表が無事終えると、大きな拍手でこの「発表」の場はフィナーレを迎えました。

■ プレゼンテーションが終わると、次は投票です。生徒たちと先生方、LAや他のスタッフにも各自2枚づつ配布された投票用紙に、それぞれ良かったと思うチームの番号を記入していきます。ルールは2枚の用紙に必ず別のチームを記入することと、2枚のうち1枚は自分のチームに投票してもよいということです。

 

 【評 価】

■ 集約された投票用紙は、急ぎスタッフの手で集計されます。その間、生徒は、各自がこの3日間で「何がいちばん変わったと感じるか」をノートに記入していきます。このプレゼンを通して、自分たちの考えを他者に発表し、互いに評価し合う経験をしたことで、こうした自己評価の視点や角度も、かなり広がったのではないでしょうか。

■ そしていったんプレゼン会場を出た生徒は、当初の大ホールに戻って、各自が「自己評価」をWebのフォームに入力します。この間、入力を終えた生徒は各自休憩を取り、次の「投票結果発表」を待ちます。ここまでやり終えた達成感があるのか、多くの生徒は、少しホッとした表情をしているように見えました。

■ 12時15分から、先のプレゼンA会場に全員が入って、投票結果の発表と、このキャンプの閉会式が行われます。

■ まず、Honda「発見・体験学習」推進チームから、投票結果発表と講評が行われました。A、B両会場ごとに、3位から1位までが発表されます。チーム1から8までが発表したA会場では、3位がチーム2「歩行技術」、2位がチーム4「最先端技術」、1位がチーム1「やさしい車」となり、もうひとつのB会場では、3位をチーム15、2位をチーム13、1位をチーム12が獲得しました。

■ 講評としては、プレゼンを通して良かった点や、もっと期待したい点に加えて、「みんなで意見を出し合うこと」、「アイディアの実現にチャレンジすること」等の大切さと、聖徳学園のみんなが、この3日間でひとつのテーマに対して、それを体験し、発表の段階まで実現したことに賛辞が寄せられました。

■ 続いて聖徳学園の先生方から、得票による順位とは別に設けられた、チームごとの特徴に対して与えられる賞の発表がありました。「次回に期待したいで賞」、「アイディア賞」、「エコで賞」、「ちゃんと聞けたで賞」、「ビジュアル賞」、「ステップ・バイ・ステップ賞」、「グッドマナー賞」、「チームワーク賞」、「学年部長賞」、「Power of Dreams賞」など、該当チームに与えられた各賞は、きっとそれぞれのチームのメンバーにとって、自分たちの活動が評価された喜びとなったことでしょう。

■ そして次には、この3日間、各チームと活動をともにしてきたLAから、一人づつ各チームへのメッセージが贈られます。各自が担当したチームと、チームのメンバーについて、このプログラムへの取り組みと3日間の活動を通して感じられた成長、変化などについて、それぞれ具体的な言葉でコメントがありました。


■ 各チームの生徒たちには、その言葉は嬉しく、きっと自分たちがこの間、少しづつ実感できたことでもあったのではないでしょうか。また、3日間ずっと一緒にアドバイスやサポートをしてきた自チームのLAに対しての愛着と感謝の気持ちもあったことと思います。全員のメッセージが終わったあとにも、16人のLAに大きな拍手が生徒たちから贈られました。

■ 続いてスーパーバイザーからのコメント、生徒代表のコメント、先生からの閉会の挨拶があり、この3日間の、聖徳学園「スプリング・キャンプ〜Road to the Future〜」のプログラムは終了しました。


閉会式 閉会式

■ バスに乗り込む生徒たちを見送るLAからは、自チームのメンバーに一人ひとり声がかけられます。生徒はこの後、昼食を済ませて、しばし、おみやげ等を買う時間があります。この3日間のキャンプでは、プログラムを終えての「お楽しみの時間」がようやく訪れます。しかし、この間のプログラムを通じて得た達成感や、仲間と協同してものごとにあたることの楽しさと難しさは、きっとそうした「遊びの時間」のなかでは得がたい、何か大きな自信や気づきを生徒にもたらしたことでしょう。