白梅学園清修中学校 「清修 発見・体験学習」
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【発表〜新しい視点を共有する】


◆ 昨日リサーチから帰ってきた時点では、自分たちの新しい視点を自覚するまではいかなかったのですが、自分たちのインタビューに応じてくれたHondaのスタッフが、企画会議で、アドバイスをしにかけつけてくれた後、自分たちらしさ、独自性というものに少しずつ気づき始めました。


◆ たとえば、あるチームは、収集した情報をホワイトボードに絵を描きながら整理していくことによって、既にあるASIMOの機能以外に、自分たちらしいASIMOの機能をイメージしやすくなっていったようです。また、すばらしい絵を描く才能に回りのスタッフが感嘆するなど、1人ひとりの生徒の持ち味も現れてきました。

◆ 創りあげる過程と発表直前のリハーサルの調整で、新しく見つけた視点は、さらに鮮明になっていく体験ができたと思います。何より大事な体験は、徹底的に調べ尽くすことでした。インタビューすることで、実は自分たちの仮説と違う考えをゲットできたというチームもあったし、里山を歩きながら実際にいろいろな植物を探し歩くことで、視点が定まってくるという体験をしたチームもありました。その体験について議論・編集を通しているうちに新しい視点が明らかになっていったようです。

◆ 共通の体験をとことん追究していくことで、実は議論がやっと噛み合うのです。議論が噛み合うとは、共通の体験をしたのに感じ方や考え方が違うというズレを発見できることです。そしてそのズレが何か、ズレを埋めることはできるのかなどに議論は自ずと発展します。その瞬間、新しい視点が生まれるのです。共通の体験がないのに、いくら形だけ議論しても、それは互いに独白しているだけなのだということに気づいたのではないでしょうか。宿泊1日目はまさにこの状態だったのですから。

◆ 体験という質料なき議論は空虚です。しかし議論という方法を通さない体験もまた、何も組立てられません。体験という素材をチームでできるだけ時間をかけて共有する。そして、議論をし、共有した体験を情報という知の構造に整理していく過程が、新しい視点を生み出すという経験。この経験が今回の目的でした。

 

◆ そして、最終的に、それぞれのチームが新しい視点のみならず、創意工夫した独自の表現にチャンレンジするプレゼンテーションにつながったのです。投票の結果、一位になったチームは、共有体験から得た結論を、メンバー1人ひとりが自分の言葉で語るユニークなプレゼンテーションを行いました。チームのアイデンティティとメンバーの独立した姿。このチームのあり方は白梅学園清修の新しい伝統の象徴です。というのも、このチームを一位に選んだのは、74名の2回生自身なのですから。

◆ もう1つ、今回のプレゼンテーションで忘れてならないことは、校長先生の質問をきっかけに、多くの生徒が各チームのプレゼンテーションの後に質問を投げかけたという出来事です。


◆ たんなる事実の確認や感想ではありません。「技術の進歩と言っていましたが、具体的にはどのような進歩をさしているのですか?」「ASIMOといっしょに暮らしたいと発表していましたが、そのためにはどんな工夫が必要ですか?」「ロボットに対する考え方が便利屋でよいと言っているように聞こえたのですが、どうですか?」「なぜ血がでるASIMOが必要なのですか?」

   
 

◆ 質問をする側は、プレゼンに触発されて新たな視点を生み出すのです。そしてその視点に触発されて、質問された側は、自分たちの視点に磨きをかけたり、別の視点をとっさに思いついたりするのです。良き問いかけは、互いのマインドを豊かにするものです。

◆ 触発は好奇心につながります。良き質問はさらに好奇心を開きます。その問いかけのやりとりができる共同体/協働体には、オープン・マインドが広がります。「好奇心」「問いかけ」「オープン・マインド」こそ学びの基礎です。物理学者ファインマンはそれを科学の目と言いました。

◆ このように清修「発見・体験学習」において、2回生は自分たちの学びと協働体の発芽に成功したようです。