那須高原海城中学校 SAP 〜Nasu-Kaijo Study Awakening Project〜
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 【発 表】

■ さあ、リハーサルの時間です。いままでは、プレゼンテーションをどうするのか、チーム内で活発な議論を行ってきました。しかし、今度はそれを相手に伝えるための予行演習です。担当のLAに向けて時間内に伝達します。

■ しかし、いざ声に出してみると上手くはいかないもの。「ここはおれが発表するから、ここはお前が発表してくれ」。「ここで盛り上げたらどうかな」。チームは発表の手順をどうするのか、自然とロールプレイが決まっていきます。実際に自分の声で発表してみて、さらにメンバー同士でそれを聞いてみると、意外とまだまだ修正すべきポイントが見つかります。肝心なことは声を出すことだけではありません。いかにして相手に伝わるかです。生徒たちは相手に伝わることの難しさを痛感しながらそれぞれの担当の仕事を決めていきます。

■ リハーサルが終えたら、いよいよ各チームのプレゼンテーションの時間です。自分たちチームの主張をどのような形で表現してくれるのでしょうか。“伝える”から“伝わる”、各チームのアプローチの仕方に注目です。

発表 発表 発表

■ プレゼンテーションの順番は、抽選で決まりました。いよいよ発表です。各チーム様々なテーマと内容でした。“HELLOWOODS森のゆかいな仲間たち”と題された発表チームのテーマは“究”。一見気持ち悪い、このような生き物はいらないと思っても探究・研究をしたら使い道を見出せることを主張していました。また、“レーシングカーはなぜあんなに派手なのか”という疑問から、資本援助してくれているスポンサーの存在に結びつけ、経済的な観点で捉えているチームもありました。

 


■ 「そもそも自然とは何なのでしょうか」。こんな呼びかけで始まり、自然という漠然とした言葉を定義しているチームも見られました。そのチームは、プレゼンテーションの途中に見ている他の生徒たちに問いかけたり、質問をしたり、会場全体を巻き込んで発表を行っていました。また、あるチームは冒頭で「今回のSAPをただの行事としてではなく、成長のステップにしていきたい」。と話していました。そのチームのテーマは、未来という漠然としたものを考えるという内容。過去の失敗を今に活かす、環境問題は知ることより肌で体験しなければその恐怖は伝わらない、その熱い発表に会場もあちこちから質問の手があがります。

評価 評価 評価

■ 「では、温暖化を体験すればよいのですか」。「いいえ、自然と自然のない空間、両方を体験したら自ずと自然の大切さがわかってくるはずです」。まさに、会場の興味を上手く引きつけていました。また“ASIMOは今後、どう使われて行くべきか”という内容を発表しているチームもありました。お茶を持ってくるだけのロボットでは役に立たない、ではASIMOに何をしてもらいたいのか、ASIMOに感情をもたせるとどうなるか、日常生活に溶け込ませるにはどうすればよいのか、という考えを発表していました。ASIMOに感情をもたせる、この意見に様々な反応が見られました。「人間と全く同じにしたら問題があるのではないか」。「開発にお金がかかるのだから、やはり日常生活に導入することは難しいのでは」。生徒だけではなく、先生方からも質問があがっていました。


評価 評価 評価

■ 7分という発表時間で思いを伝えることができたでしょうか。そして、その思いが伝わることが出来たのでしょうか。全チームの発表が終わると、生徒たちはそれぞれのメモをふりかえりながら、素晴らしい発表をしたチームを選んで投票を行いました。


■ 投票後、生徒は3日間を振り返りながら、どう成長したのかを200字で記入します。わずか3日間の間でしたが、生徒たちは一つのチームとして活動してきました。チームの意見が分かれてしまったとき、議論が行き詰まったとき、各人いろいろな思いがあることでしょう。上手く整理がつかないであろう、漠然とした思いを字で表わすことによって、改めてこの3日間のプログラムが自分にとってどういうものになったのかをふりかえります。

 
 【評 価】

■ 閉会式が始まりました。まずはHondaの小林さんから、全プレゼンテーションを見ての応援メッセージをいただきます。「発表の最中に、全体を巻き込んでの議論。会場が和やかになり、緊張感がなくなった。そのため、各チームとも発表しやすくなりましたね」。全体に対して投げかけられた言葉、生徒たちの一体感を見ているともはや全体が一つのチームのように思えてきます。小林さんは、各チームに対してのアドバイスもします。“自然の不思議”という発表をしていたチームに対し、「自然とは何かを定義する哲学的なアプローチは素晴らしい。でも、定義だけに縛られるのではなく、もっと科学的に自然の不思議に迫るのも一つの手段ではないか」。生徒たちにもっと別の観方があること、いろいろな考え方がることを教えてくれます。

■ 小林さんから投票結果の発表。上位3チームに入ったチームはガッツポーズで喜びを表現していました。

■ 続いて、先生方からのサプライズプレゼント。3日間、生徒たちの活動を静かに見守りながらそれぞれの成長を応援していた先生方。その想いを、チームへの賞として贈ります。賞の名前はとてもユニークなものばかり。「なっとうスッポン賞」は、そのチームが粘り強く議論をしていたことを表わしています。もらったチームの特徴を上手く表現した賞です。その他にも、めざましい変化を遂げたチームに「カメレオン賞」、ハローウッズを探究しつくしたチームには「MAX獣賞」など、それぞれのチームの特長を、ユーモアを交えた賞で称えました。

■ 最後に、チームを担当したLAからメッセージ。「せっかく考えたことを発表しても、うまく伝わらない。その悔しさを踏み台にし、伝わるという表現を考えてみてください」。発表が終わり、各チーム様々な思いを抱えていると思います。各LAがチームに語りかける姿に、生徒は耳を傾けていました。


■ プレゼンテーションを見に駆けつけた渡辺教頭先生から、締めくくりのご挨拶。各チームのプレゼンテーションを見て、総括をいただきます。「去年と今年、2年にわたって同じプログラムをみてきました。ですが、同じプログラムでも、全く違った形に仕上がりました」。去年は今年に比べ、プレゼンテーションの仕上がりや内容の質がよかったこと、そして、今年は去年に比べ、質疑応答の内容が比べ物にならないくらいよかったことを話して下さいました。そして、今回のプログラムを通して、生徒たちが今後の学校生活・寮生活にどうつなげていくのか、生徒たちに問い掛けている姿もありました。

■ 最後に、「ありがとうございました」。生徒みんなの元気あふれるしっかりした挨拶が会場にこだまします。これにて、3日間にわたるプログラムは終了しました。この3日間のプロセスには“正解”と“不正解”は存在しませんでした。一人一人、いま何を考えているのかをチームで共有し合い、個人プレーではなく、どうチームとしての意見が出せるか、生徒たちは試行錯誤したことでしょう。答えがないものを考えることは、ある意味一番難しいことかもしれません。しかし、難しいからこそ、そこにチームがあるのです。一人ではなく、チームで考えるとより大きな問題に迫ることが出来ます。自分にはない知識、経験、それらを互いに共有しあうことのおもしろさ、そしてそこから形に変えていく楽しさ、わずか3日間で生徒たちはいつもとは違った楽しさを学んだことでしょう。