SAP 〜Nasu-Kaijo Study Awakening Project〜
HOME
レポート!|A. 体験B. チームワークと関係図C. 議論・リサーチD. 編集・企画会議E. 発表・評価
 【中間発表】

■ 午後のプログラムはASIMOステージからスタート。目の前で時速6キロで走行するASIMOに、生徒は熱心にデジカメを向けていました。ステージを観た後は、FFLの2階を使って中間発表が行われました。いま、チームのコミュニケーションはどういう状態か、自分たちで設定した課題探究に向けたリサーチはどこまで仕上がっているのかは、すでにミニミーティングの段階で確認ができたはずです。今度はそれを相手に伝えるという作業です。伝える相手は、自分のチームとは違うチームのLAです。つまり、これまでのチーム状態や議論の内容を全く知らない相手に伝えなければなりません。自分たちで自覚していても、それを口に出して相手にうまく伝えることができるのでしょうか。

■ 短い準備時間の後、内容をまとめて1分間でLAに説明。チームによって、紙にポイントを書いたり、ノートを見せたりと工夫しながら説明します。1分間という短い間に、生徒たちは必死で思いを伝えます。例えを使って説明したり、チームみんなで補足説明を付け足したり、しかし、説明が終わる前に1分経ってしまったチームもちらほら見受けられました。限られた時間内で自分たちの主張が伝わるか、何を一番伝えたいのか、生徒たちは改めて“伝える”という難しさを痛感します。

■ 生徒たちが発表したら、今度は聞いていたLAからコメントをもらいます。「では結局、自然と技術どちらをテーマにするのですか」。チームの方向性をより明確にするために、各LAはアドバイスをします。「虫の触覚とHondaが開発したセンサーを絡めて発表したいんです」。「どういう風に絡めたいの」。「虫が触覚でエサを探すことと、ASIMOがセンサーで人を認識するのって一緒じゃないんですか」。こんなLAと生徒たちの会話が聞こえてきました。時間になったら、またLAが交代して同じように説明し、アドバイスを受けます。これを何回か繰り返すことにより、自分たちの探究内容が具体的な言葉となり、漠然としたテーマがより具体性を帯びてくるのです。中には、これから自分たちがどう編集作業に取り組めばいいのかを相談し始めるチームも見られました。

■ リサーチが終わったらホテルに戻り、次はいよいよ編集の段階です。チームの一番伝えたいこと、それを伝えるために上手く表現できるのでしょうか。

 
 【編集】

■ 長いリサーチを終え、生徒たちはたくさんの情報を得てきたはずです。しかし、得た情報をそのまま伝えてしまっては、“伝える”ことはできても“伝わる”ことはできないはずです。自分たちの主張を理解してもらうための情報だけを上手くピックアップして、プレゼンテーションを作成していかなければなりません。それぞれのチームは、一体どのように工夫しながら編集作業に取り組んでいるのでしょうか。

■ プレゼンテーション作成において大切なことは、まず、チームの意見・方向性をすり合わせることです。あるチームは、昨夜作ったI関係図を壁からはがしてきて、それぞれの意見を書きくわえ、その共通点を探そうとしていました。他には、どのようなロボットを作ったら良いかを付箋紙に書いて案を出し合ったりしていました。どのチームも、まずはお互いの情報を共有することから始めていました。

 

■ あるチームを見ると、虫についての議論をしていました。「この虫は、他の虫の死骸を食べてくれるらしいよ」。「家の中に大量に放したら掃除してくれるんじゃない?」。「でも気持ち悪いでしょ。どうしたらいいのかな」。その虫の特徴を捉え、身近な生活にどう取り入れるかなどの建設的な議論をしていました。



■ もちろん、議論に行き詰まるチームも出てきます。そんな時は、担当のLAと一緒に外へ出てリフレッシュ。芝生の上に寝転がって新鮮な空気を吸って気分を変えます。
すると、自然と芝生の上で議論が始まったり、中には、チームでぐるぐる輪を作って歩きながら意見を出し合って議論をしたりするという、ユニークなチームも見られました。気分を変えて考える、これが自由な発想を生み出すのです。また、発表会場を事前に見学し、自分たちの伝えたいことを、会場の空間を使ってどう表現できるかも考えます。生徒たちは、理想のプレゼンテーションを作成するために熱心に作業に取り掛かります。

■ さあ、夕食を挟んだら、次は企画会議です。3つの学習空間からスタッフ・キャストの方々にお越しいただいて、生徒たちのプレゼンテーションにさらに磨きをかけていきます。

 
 【企画会議】

■ 夕食の後、いよいよ企画会議が始まります。3つの学習空間から一人ランダムに各チームに付いてくれます。生徒たちは、いま自分たちのチームがどの段階にいるか、最終的にはどんなプレゼンテーションにしたいのかを相談することが出来ます。もちろん、専門的な知識を聞くことも出来ますが、プロの方々にチームの意見を見てもらえるという貴重な時間です。わずか20分、この企画会議をどう活かすかはチーム次第となってきます。各チームどのようなアドバイスを受けているのでしょうか。

■「チーム内からの意見が多すぎて、未来にあるべきロボット像が絞れないんです」。「絞る必要があるのかい。チーム意見すべてを上手に組み合わせることはできないのかな」。取捨選択に悩まされる生徒に、スタッフの方々は的確なアドバイスをします。また、「ASIMOというのは作り方によっては、友達にも兵器にもなりうる」といったように、同じロボットでもコンセプトにより全く相異なるものになるという考え方も生徒たちに投げかけてくれます。生徒たちは、現場のナマの声に終始耳を傾けながら、チームのプレゼンテーションに磨きをあげていくのです。

■ 企画会議が終わったら、生徒たちはもらったアドバイスを活かすためにすぐに作業に取り掛かります。「相手に伝わらなきゃ意味がない。文章だけじゃ伝わらない、ここに写真を入れよう」。「どういうロボットがいいのか、もう少し具体例を盛り込もう」。企画会議の影響を受け、生徒たちはもらったアドバイスを形に変えていきます。すぐに形にできないチームは、担当のLAやチームメンバーに相談しています。企画会議を経て、いよいよ本格的に発表というものが意識されるようになったようです。

■ 一晩ゆっくり休んで、明日は本番に向けての最終段階です。リハーサルを通して発表の仕方を試行錯誤しながら練り上げていきます。