聖光学院 「聖光塾 Post-ProjectX 〜最先端を超えろ〜」
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聖光学院では聖光塾と題した様々な試みを行っています。その中の一つ、ここツインリンクもてぎを舞台とした「Post Project X 〜最先端を超えろ〜」に、中学3年生9名、高校1年生4名、計13名の有志が参加します。大学生チームを加えた4チームで2泊3日の学習が始まりました。

 【体 験】 多様な学習フィールドでの体験

Honda Collection Hall(HCH)  

■ HCHでは、カテゴリーや年式の異なる2台の車両を考察し、モノの背景にある違い・意図・関係を探ります。さっそくチームごとにリサーチを開始。もてぎに来て初めて知らされたチーム、しかも学年の違うメンバーとのチームのためか、最初は会話もぎこちなく、ひとりひとりで写真を撮ったりデータを集めたりと、黙々と進めていく様子が目立ちます。それでも、思い思いに発見した違いをノートに書き込んで行きます。

■ リサーチを終えると、今度は発表の準備にとりかかります。それぞれが意見を持ち合い相談が始まりました。「自分たちはどう考えるか?」の前に、なにをどうまとめて発表すれば良いのかという方法からまず話し合いがスタートしているようです。意見がまとまらない時には高校生が中学生をリードする光景が随所に見られました。制限時間が短いこともあり、まとめ役の勢いに押され、なかなか自分の意見を言えない生徒もいるようです。

■全4チームの発表が終わると、SVから問いかけがありました。「見るってどんなこと? どんな視点で違いを見付けましたか?」生徒からは自主的に手が上がり、「形状」「機能」「時代背景」など、次々に意見が出てきました。すかさずSVは「ノートにたくさん書いたのに、自分の意見は発表に反映されましたか?」会場は一瞬静まりました。自分の意見を押し付けてしまったり、他人任せになっていたりと、まだまだ皆で議論していないことを感じ取ったようです。

■チーム自ら調べて発表した後で、HCH濱野氏から、Hondaの商品開発に関する考え方についての講演がありました。利便性とコストを両立させながら、決して作り手の独りよがりになっていないかを常に正し、地域ごとに異なる暮らしぶりを徹底的に調査する。そして、その先にあるユーザーのニーズを導き出し、製品を具現化して行く。当たり前の事を当たり前のように実践する大切さ、ユーザー視点に立つ物事の考え方に皆が聞き入っていました。いくつか出たキーワードの中でも印象的だったものを、ノートにメモする生徒もいました。
 

FAN FUN LAB(FFL)  

■ エコロジーに徹したエンジンや新たな視点で提案する安全性能、二足歩行ロボットASIMOやジェット飛行機など、Hondaの最先端技術を知ることができるFFLでは、「展示されている技術や製品にどのような機能があれば、生活や社会がどう変化するか?」を探究します。

 


■ FFLではチームの意見に対して、スタッフからさらに深くほりさげる質問が繰り出されます。そこでSVから、探究にはいる前に「知的にタフなチームとはどんなチーム?」との問いが投げかけられました。自分たちはどんな議論をしているのか? どんな考え方をしているのか? 生徒たちは少し自らをふりかえってみたようです。

■いよいよ探究スタート。HCHでの経験を基に、各チームが施設内をリサーチします。互いにノートを覗き込んだり、パネルを指差しながら意見を述べ合ったりし始めているようです。FFLでも、発表まで限られた時間しかありません。他のチームが議論を始めているにも関わらず、まだ調査を続けているチームもありました。時間をうまく使うということはなかなか難しいようです。


■発表は大学生チームからスタート。宇宙や介護分野など、人に出来ない事をASIMOにやってもらうという提案をすると、Honda小林氏より鋭い一言。「なぜ人に出来ないことをASIMOにさせるのですか? 人型ではないですが、工場などではアーム型ロボットが人間の何10倍というスピードと精度で働いています。人間以上のことをさせるという点では、もう既に実現しています。」和やかな雰囲気が一変します。聞いている生徒たちも、自分の発表にはどんな一言が飛んでくるのかと、会場にピリっとした空気が漂います。


■すると別のチームからは「人をロボットに近づける」という全く別の視点から提案がありました。「安全性や生産性を向上させることで、生活が豊かになるのでは」と。生身の人間がどこまでロボットに近づけるかは難しい問題ですが、逆転の発想に驚きました。

■小林氏からは「車を例にします。良い機能ばかりを求めるとコストが膨大になり、車重も重たくなってしまいます。燃費や環境にも影響し、返って良くないですよね。物事にはメリットとデメリットがあります。いくら良いものでも、周囲の賛同や協力がなければ決して実現できません。単なるアイディア論だけではダメなのです。皆さんの議論にも、このことは当てはまると思いますよ」とのアドバイスがありました。その言葉の真意を理解しようと生徒達は真剣に聞き入っていました。

■SVは総括して一言。「情報や意見を聞き入れるだけでなく、自分なりの意見を述べる事が大切です。そして、チームの皆のリソースを活用するように心がけてください。」個を打破して、チームという共同体を上手く機能させる為に自らをスキルアップさせて欲しいとの思いが込められていました。

 

Hello Woods(HW)  

■ 夕闇が迫る中、生徒達は元気に里山へ入って行きました。HWの森を知り尽くしたキャストの案内で、日常生活では体験できない自然を肌で感じます。落ち葉の上を歩く感触も新鮮のようで、くるぶしまで深く積もった落ち葉を蹴り上げながら歩きます。

■汚水を100%リサイクルする森のトイレでは、誰もがその仕組みに興味津々。バクテリアなど自然界の浄化システムに驚いていました。見た目は少々水道水とは違って色もついているため、最初はおそるおそるコップの中を覗き込みますが、ろ過の過程は実はミネラルウォーターと同じだったり、化粧品などにも利用されていることを聞き、先入観念で物事を判断してしまう怖さも感じ取ったようです。