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大学院の時代が来た (4)シンガポール ≪2004年10月27日付 Newsweekより要約≫

2005年7月25日
by 井口 唯史

■ 世界の一流大学で学ぶためにシンガポールへ行く学生が増えている。教育はシンガポールの「得意科目」であり、外貨を稼げる分野でもある。そこでシンガポール政府は、世界の名門大学の誘致に力を入れてきた。

■ 世界の留学生のなかで最も増えているのが、アジア太平洋地域の出身者だ。2025年には、大学レベルの留学生の70%以上がこの地域の出身者になるとみられる。

■ 「留学生市場」でのシェア拡大をねらうシンガポールの目標は、02年には5万人だった留学生数を12年に15万人に増やすことだ。政府の推定では、留学生がもたらす経済効果は年間4900億円相当にのぼる。

■ シンガポールに現地校を設立したか設立予定、または現地の大学との提携に取り組んでいる外国の大学は、すでに12校。アメリカのジョンズ・ホプキンズ大学やスタンフォード大学、中国の上海交通大学など、有名校が名を連ねている。一歩先を行くのが、オーストラリアのニューサウスウェールズ大学だ。07年に、外国の大学としては初めて大学・大学院を併設するシンガポール校を開校。1万5000人の学生を受け入れ、70%はシンガポール以外から集める計画だ。

■ 「大学に一つだけ求めているのは、どの科目も本校と変わらない内容を教えること。そして、本国と同じ学位を与えてほしい」と、シンガポール経済開発委員会のケネス・タンは言う。

■ 日本の早稲田大学も今年7月、オリンパスと共同で脳の機能解明をテーマとする研究所をシンガポールに開設。06年には技術経営の大学院も設置する計画だ。日本から来る学生には生活費の安さも魅力だが、最も大きいのは授業が英語で行われることだろう。

■ シンガポールの留学生数は、この2年間に約1万人増えて6万人になった。「あまりに短期間に目標を達成しようとしていることが心配だ。現在の計画にこだわると、質の低下を招きかねない」と、急激な増加ぶりには、懸念の声も上がっている。

■ シカゴ大学シンガポール校で学ぶ日本人は、そんな心配とは無縁のようだ。「うちの大学には、現地で雇われた教授はいない。みんなアメリカの本校から来ている。大学は質の面で、本校と同じものを提供すると約束している」。他の大学も同じ姿勢なら、やがてシンガポールは世界の大学のショーケースになるかもしれない。


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