2003年OECD「生徒の学習到達度調査」の結果以降、世界各国で教育改革を検討するために、様々な追跡調査を行っている。6月23日のセミナーにおいて<カナダ・フィンランド・ドイツ>の3カ国が現在成績向上に向けて実施もしくは検討している取り組みについて発表した。
カナダ人的資源開発省課長サティア・ブリンク博士の報告によると、カナダは長期追跡データを収集している。長期データを集めている国はまだ少ないが、短期のものと比較すると、次のような政策問題を検討するのに役立つという。
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学習の成果のどの面に焦点を当てて、制作を立案すべきか。 |
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一般的政策と個人的政策をどのように組み合わせるべきか。 |
| (3) |
政策目標はどのように定めるべきか。
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カナダは長期データを収集することで、高校までの経過データの蓄積と、高校卒業後の進路(進学と就職)の軌跡をだとっている。年代ごとの学習到達度の変化、特別グループの学習到達度、および子どもが成長するにつれて歩む軌跡について、調査を実施している。長期的な調査では、なんと2年ごとに3万人の生徒の情報を追跡しているようだ。
提示されたデータの中でも興味深かったのが、生徒児童のBehavior Problems(行動上の問題)とLearning Problems(学習上の問題)に関するデータだ(何歳児のデータなのかは情報提示されなかったため、不明)。このデータを公表することはできないが、次のような分析結果が得られている。
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全体の約5分の1近くの児童に行動上の問題がある |
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約12%の児童に学習上の問題がある。 |
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行動上と学習上の問題を両方抱える児童の割合は3%弱と少ない。 |
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性別でみると、行動上の問題は、少女よりも少年に多く見られる。 |
さらに、高校の卒業者と中退者にみる、学習上の問題と行動上の問題を比較すると、次のような結果が得られている。学習上の問題を卒業者と中退者の高校最終学年の平均点を比較することで見ると、卒業者のうち、A(80%〜100%)またはB(70%〜79%)を取得している生徒が全体の約85%。中退者は50%弱となる。また、行動上の問題を週に1回以上授業をさぼった生徒の割合を卒業者と中退者で比較すると、中退者のほうが30%近くも多い。この他にも飲酒の経験、マリファナの経験なども中退者のほうが割合が多いという結果となっている。
学習上の問題を成績だけで語ることはできないと思うが、ブリンク氏は、学習上の問題以上に、行動上の問題のほうが、生徒の中退理由に影響しているとまとめていた。
この他にも家族の収入と語彙能力のスコアを比較分析した結果、かつての政策が功を奏さなかった原因の一つは、家庭の経済状況にばかり焦点をあてすぎたためとしている。成績が高く、支援を必要としない生徒が収入に基づく政策の恩恵を受ける一方で、成績が低く、支援を必要とするにも関わらず、収入というガイドラインに基づく政策では恩恵が受けられなかった生徒児童がいた。このようにあまりにも的をしぼりすぎた政策は、本来支援が必要な児童生徒を見過ごす可能性になるとブリンク氏は指摘している。
長期的な調査の結果に基づいて、カナダの政策の方向性を以下のようにまとめている。
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Importance of early childhood learning 幼少期の学習の重要性 |
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Mix of preventive,universal investments and targeted interventions
予防的な全体向けの取りくみと目的を明確にした個別の介入の必要性 |
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Behavior problems may require interventions outside school
行動上の問題は学校外の支援が必要となる場合がある |
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Quality of initial education ensures that full benefit is drawn from further learning
初期教育の質は、その後の学習から最大限の成果を得られることを約束する |
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Policies for second chance and life long learning
再度の挑戦および生涯学習に向けての政策 |
ブリンク氏は、学習とは就学年齢だけのものではなく生涯を通して継続されるものであると強調し、再び学びたいという意欲を以下にサポートするかの重要性を今回の調査から実感していると語った。成績向上とあわせて、年齢に関わらず学ぶチャンスを支援することがカナダの教育においては重要視されているようである。
■その他のレポート
第10回OECD/Japanセミナーから(1)〜学校における教育の質の向上:学習到達度調査の役割と影響
第10回OECD/Japanセミナーから(2)〜Canadaの取り組み
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