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不登校留学を待つ現実≪2005年3月16日付 Newsweekより要約≫

2005年7月7日
by 井口 唯史

■ 最近、日本の学校が合わない子供が外国に行く例が増えている。フリースクールや通信制学校などに通う選択肢もあるなか、90年代から留学も進路の一つとして手軽に選ばれるようになってきた。外国の高校を卒業すれば、帰国枠での大学受験も可能である。

■ 文部科学省の発表では、不登校の数は小中学生で約12万6000人(高校中退者は約8万2000人)。朝日新聞によれば、00年には約500人の不登校生が留学している。全体からすればわずかだが、その数は増えていると留学斡旋業者は実感している。不登校の留学を専門に扱うWSOセンターには、年に600件以上の問い合わせがあるという。

■ 日本の学校に適応できなかった子供が、異国でやっていけるのか。彼らには「ゼロからやり直したい」という必死な思いがあるとEDICM海外教育コンサルタンツのスタッフは言う。「言葉も変わるから『変身』しやすいのではないか」

■ カナダ西部のブリティッシュコロンビア州に留学中の生徒は、押しつけがましい日本の学校に息苦しさを感じていた。変だと思えばはっきり口にする性格を、小学校では担任に毛嫌いされ、中学校でも部活の上下関係に疑問を感じてあまり通えなかった。昨年秋に留学したカナダの公立校では、誰もが堂々と意見を言う。「先生も『コーヒーを作ってくるから』と言って教室を出てしまう。日本だったら授業放棄とか言われそう」と、笑う。

■ 人づき合いが極端に苦手な子供は、米コネティカット州にあるオックスフォード・アカデミーのような学校がいいかもしれない。ここは、教師と生徒が一対一で学ぶ全寮制の男子高校。22人の教師が、43人の勉強を順番に見ている。学習のペースが極端に速い子や遅い子、集団で落ち着いて勉強できない子などが在籍している。

■ 特別なケアが必要かどうかは、不登校になった状況の「深刻度」や原因にもよる。サポートが整っていても、現地で引きこもったり、「友達ができない恐怖症」がよみがえって失敗する例はある。

■ 留学した不登校生の9割が「成功」しているという斡旋業者もいる。だが、不登校問題に詳しい田口教育研究所の田口正敏所長は、「さまざまなトラブルがあった子供の場合、成功と思われるのは5割」とみている。「最初の3ヶ月くらいは緊張しているから大丈夫。でも慣れてくると、時間を守らないなど日本での怠惰な生活が出てしまう」

■ 不登校の留学は、依存していた親から離れた時点で成功だとの見方もある。子供が自立し、自ら困難を乗り越えることで成長できるかもしれない。だが子供が留学を望んだのではなく、親が世間体を気にて「追い払う」ように行かせた場合はうまくいかない。

■ 前述したカナダに留学中の生徒は、音楽が大好きでカナダの学校でもコーラスの授業を履修している。次の大きなコンサートでは、ソロ役を見事に射止めた。「最近、笑顔になる機会が増えた。今では学校を休むなんて考えられない」と彼女は言う。


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