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大学で留学では遅すぎる? ≪2004年11月24日付 Newsweekより要約≫

2005年5月19日
by 井口 唯史

■ 日本人にとって留学といえば海外の大学や大学院に入ることを意味したのは昔の話。今や高校生はもちろん、中学生や小学生の子供を海外の学校で学ばせようとする親も珍しくなくなってきた。

■ 15年前から留学のアドバイスをしている○○によると、「留学の問い合わせは若年齢化している。留学経験のある親が、子供にも同じ貴重な体験をさせたいと思っている。あるいは自分が留学できなかったので、その夢を子供に託している」と言う。

■ 文部科学省の調査によれば、高校生の留学はこの10年、年4000人前後で推移している。しかし、留学斡旋業者は10代の希望者は増えていると口をそろえる。1年程度の交換留学ではなく、卒業まで外国の中学や高校で学ばせるケースも少なくない

■ 80年代までは、高校生以下の子供を留学させるのは富裕層の家庭がほとんどで、それ以外の親がそんかことをすれば「子育て放棄」となじられかねなかった。しかし今は、中流層の家庭がローンを組んで子供を外国に送り出す時代である。

■留学斡旋業者によると、5年ほど前から小学生を留学させたいという問い合わせが増えてきた。就学前に英語を学ぶ子供は多いが、インターナショナルスクールは狭き門である。そのため親は、英語力を維持させるために留学を考える。一方で、親自身が外国に住みたいという理由で、子供の留学を口実に、「親子留学」を希望する例も増えているという。

■ 専門家は、小学生で留学させることのマイナス点にも目を向けるべきだと指摘する。留学先で日本語を使う機会がなければ、日本語の力がそこで止まってしまい、親が外国語を話せない場合、親子の会話が成り立たなくなる可能性もある。

■ 「日本人としてのアイデンティティーを確立させる意味でも、小学校は日本で学んだほうがいいかもしれない。まず小学校高学年でサマースクールなどに参加させて、留学の適正をみる。その後、中学以降に外国へ行かせるのも方法の一つであろう。」と言う意見もある。

■ 中学以降の留学については、むしろ早いほうがいいという見方もある。高校より中学のほうが学習内容が簡単なため、英語力がそれほどなくても授業についていきやすいのである。また、ESLやFFLなど、英語を母語としない生徒向けの補助クラスも増えており、思春期の不安定な時期に送り出すことについても、日本の学校より生徒をサポートするシステムが整っている場合が多い。

■ スコットランドのエディンバラにあるフェテス・カレッジは、8〜18歳の550人の生徒全員に個別指導教官がつき、週1回、さまざまな相談に乗る。4年前からフェテス・カレッジで学ぶ日本人留学生は「日本の学校では先生との間に壁があったけど、ここでは問題があれば指導教官やスタッフに気軽に話せる」と言う。

■ 中高生のなかには周囲の影響を受けやすく、自己抑制のできない子供もいる。親に「お金がない」と訴えてくる子供もいるが、むやみに仕送りをするのは危険である。子供がお金を何に使うかわからず、それこそドラッグを買うためかもしれないのである。

■ 斡旋業者の多くは、子供がトラブルや悩みを相談してきても、親はあまり介入しないほうがいいとアドバイスしている。「親が心配して甘やかしては、子供が(問題を自ら解決することで)成長する機会を奪ってしまう」と、全国高校生留学・交流団体連絡協議会の新谷勝利事務局長は言う。

■ 留学希望者が増えるにつれ、悪質な業者も現れはじめた。「留学斡旋業界には規則がなく、約款さえもたない業者がいたりする。倒産手続きをして行方をくらまし、留学生の金を持ち逃げする業者もいる」と留学に関するNPO(非営利団体)「留学協会」の理事長は言う。

■ それでもグローバル化が進むかぎり、留学熱が冷めることはないだろう。子供が留学の意義を自覚していれば、世界への扉が開かれる可能性があることは確かだ。

■ 12歳の娘をニュージーランドに留学させたある父親は「他国の生徒との友情は宝物だ」と言う。「いずれ世界中に散らばる友人と気軽に情報交換できることは、ビジネスにも私生活にも計り知れない可能性をもたらしてくれるだろう」


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