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21世紀の留学生戦略 学生誘致へ多彩な策 (4)オーストラリア ≪2005年2月28日付 朝日新聞より要約≫

2005年3月10日
by 藤村 晶子

■ オーストラリア南東のメルボルンにある州立モナシュ大学のキャンパスの一角には、「モナシュ・インターナショナル」の本部がある。同大が全額出資する企業で、スタッフ約300人が、空港への出迎えから寮のあっせん、留学ビザ関係の情報提供、24時間の電話相談などの留学生にとって至れり尽くせりのサービスを提供する。

■ 同大の約4万9,000人の学生のうち、約9,000人が留学生。授業料収入は1人年間1万6,000〜3万4,000オーストラリアドル(約130〜280万円)に上る。同大だけでなく、オーストラリア内の大学・大学院に在籍する留学生は13万6,000人。海外校舎などを含めると、30万人を超える。

■ オーストラリア政府は、教育費を全額税金でまかなっていたが、1980年代後半に一部を学生に負担させ、留学生は全額自己負担が原則になった。留学生の定員制限が廃止されるとともに、大学は授業料収入を求めて、留学生の受け入れを加速させた。2003年の教育の「売上高」は、サービス産業の15%を占める5.6億オーストラリアドル(約460億円)。これは、観光、交通に次ぐ3位で、政府は留学生教育を「重要な産業」と打ち出しており、留学生は教育という商品を買う「顧客」なのだ。

■ オーストラリア政府国際教育機構(AEI)は米英など競争国の動向や戦略分析のリポートを毎年作成し、「英語・割安・安全」という強みにさらなる競争力を加えようとしている。1997年には「留学生のための教育サービス法」を制定し、教育機関の登録制度や第三者評価機関を置くなど「品質保証」に余念がない。さらに一昨年には「スタディー・イン・オーストラリア」ロゴをつくり、教育を「ブランド」として売り込む。

■ オーストラリアは、各大学以外に国内38大学が出資するNPO法人「IDP」が留学情報の提供や学生の募集、あっせんなどを担っており、海外事務所は55カ国にある。IDPが予想する世界の留学生数は、2002年の190万人から2025年には720万人と飛躍的に拡大するとされている。

■ オーストラリアへの留学はIT(情報技術)やビジネス関連が多いが、北京五輪を控える中国ではスポーツ関連の学科に、米国では映画やテレビ関連のコースに力を入れるといった具合に巧みに戦略を立てている。「小さな市場であっても、需要に細かく応じられることが大切」とIDP総括責任者は話す。


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