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理科教育の現状と対策(下) ≪2004年2月28日付 日本経済新聞より要約≫

2004年3月2日
by 藤村 晶子

■ 東京理科大学の澤田利夫教授(日本数学教育学会会長)は、数学の学力が二極化しており、基礎教科の授業時間数増加が必要だと指摘する。この傾向はすでに中学生から表れている。学級ごとに調べると、成績が「できる子」と「できない子」に二極化されており、教師はどこに焦点を当てて指導すればよいか困惑している。標準的な学力の子どもを対象にした教科書を使った授業では、両極の子ども双方に退屈なものになってしまう。

■ アンケート調査では、生徒の勉強に対する意識や、教師の指導方法などもたずねた。「数学の授業がよく分かる」生徒は全体の7%で、「大体分かる」を含めても35%だが、それでいて分からないことを「そのままにしておく」生徒は36%もいた。

■ 学校以外で「全く、またはほとんど勉強しない」高校3年生が43%もいるという衝撃的な結果も出た。以前の調査で小学6年生が11%、中学3年生が8%であったのに比べれば、驚くべき数値である。他方「3時間以上勉強する」生徒は22%だった。ほとんど勉強しない集団の成績は442点、3時間以上勉強する集団の成績は582点で、140点もの大差が出た。1時間以上勉強する高校生は、42%で、中学生(75%)に遠く及ばず、小学生(42%)並みという情けない結果が出た。

■ 宿題を出す教師とそうでない教師でも、生徒の成績に違いがある。19%の教師が「多くの時間で宿題を出している」と答え、その生徒の成績は553点なのに対し、16%の教師は「全く、またはほとんど出していない」と答え、成績は452点だった。発展的、応用的な課題を授業に取り上げている教師のクラスの成績も良い。「理解が不十分な生徒に対し、授業の合間や放課後などにさらに指導している」教師(21%)と「指導していない」教師(5%)の学級成績は40点の差が出た。

■ こうしてみると、高校生の学力低下は生徒、教師の双方に原因がありそうだ。授業が理解できない、分からないことをそのままにし、勉強しない無気力な生徒集団が全体の成績を下げている。宿題を出さない、発展的な課題を授業に取り上げない、授業の合間や放課後に指導しない教師が生徒のやる気をなくし、成績低迷の原因を作っているのではないだろうか。

■ さらに、生徒たちを取り巻く社会的情勢の変化や勉強することの意義を見いだせない現実、「ゆとり教育」によって指導内容や授業時間数が削減されたことなどが絡み合い、学力低下の誘因になったのではないかと思う。

■ 諸外国と比べて、日本の年間授業時間数は少ない。特に義務教育段階の数学や国語などの基礎教科が米英仏等では全体の50%を超えるのに、日本は40%強しかない。基礎教科の充実は「科学技術創造立国」を支える重要な柱である。学力向上の施策として、基礎教科の授業時間数の増加を切に願いたい。


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