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美術館 受難の時代[2] 散逸する美術品

2002年6月11日
by 前田恭子

■ 大阪市のアートマスターズが主催するインターネット・オークションで、竹内栖鳳(せいほう)の作品が67点落札された。栖鳳は横山大観と並び称された近代日本画家の巨匠だが、竹内栖鳳記念館と栖鳳の旧別邸は今年1月に京都地裁に差し押さえられ、競売の手続きが済んでいる。

■ 記念館の所有者は、愛知県豊橋市でホテル業を営むホリデイタワーのグループ会社で、5月13日に民事再生法の適応を申請している。同記念館には栖鳳や弟子たちの作品も含めた約千点が所蔵されており、同社は「所蔵品は法的に保全されている。」とする一方で「売ったかどうかは確認できない。」とも言う。

■ 栖鳳の弟子である石崎光瑤(こうよう)の作品を「購入した」と明言する富山県福光町立・福光美術館によると、記念館の様子がおかしいので福光生まれの光瑤の名作「燦雨(さんう)」をはじめとする作品を購入して散逸を免れたと言う。

■ 他にも、出光美術館から流出した作品中には陶芸家として初の文化勲章を受けた板谷葉波山(はざん)の作品があり、名作「彩磁延寿文花瓶」など20点を波山の地元、茨城の県陶芸芸術館(笠間市)が購入していた。

■ また、昨年3月に経営難から閉館した盛岡橋本美術館(盛岡市)では、閉館後も展示作品の一部が放置されていたため亀裂やカビなどで傷んでしまい、今年2月になって所蔵品を盛岡市民ホールの収蔵庫へ移送する措置が取られている。

■ あるじを失った美術品の保全策は急務だ。

5月28日付 日本経済新聞 「美術館 受難と再生」より

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