NTS教育研究所NTS教育研究所
ホーム学校リサーチ:教育情報レポートアットマーク・インターハイスクール-課外スクーリング レゴラボ教室-

アットマーク・インターハイスクール
-課外スクーリング レゴラボ教室-

2002年4月16日
by 前田恭子

■ アットマーク・インターハイスクールでは、学生が学ぶことを楽しいと実感できるような環境づくりや学習課題への助言を行っており、ひとりひとりの自主性の確立をサポートしている。

■ 学習姿勢を応援する多彩な課外スクーリングの一環として、お台場にある日本科学未来館の実験工房で開かれたレゴラボ教室には、普段インターネットを利用して個別に学習を進めている学生たちが多数参加した。午前中には同館で今年度の入学式が行われたばかりで、新入生の5人にとっては初めての学習体験となった。




■ 今日体験するのは、RCXというコンピューターユニットを中心に、モーターやセンサーなどの部品を接続し、PCから既存のプログラムを転送してロボットに動作を実行させる作業。2時間半で、ひとり1台のロボットを完成させる。科学未来館のスタッフが講座を進行し、アットマークのサポートティーチャーと館のボランティアスタッフも一緒になって学習の手助けをしていく。

■ 館のスタッフが、RCXの仕組みや、プログラムの成り立ちを簡単に紹介し、今回の走行プログラムについての詳しい説明をして、学生たちのロボットの制御方法への理解を深めていく。

■ 「このセンサーで明るさを0から99までの数値に換算し、白を0、黒を99とすると、この緑色はだいたい25の数値になります。」発光ダイオードと受光ダイオードを利用したセンサーの機能について簡単に原理を説明。うまくプログラムがダウンロードされれば、ロボットは緑色を境に色が明るいか暗いかを判断できるようになる。

■ 日本科学未来館には「インタープリター」と呼ばれる展示解説員が各展示に配置されており、このレゴラボ教室においても最先端の科学技術を分かりやすい言葉に置き換え、学生に楽しく原理を理解してもらおうという姿勢がみられた。

■ 説明を終えたスタッフは一呼吸置いて質問がないかを尋ねる。学生たちはまだ緊張した様子も残り、特に質問は出なかった。専門的な説明についてはともかくも、全員が作業の流れを理解したことをもう一度確認すると、さっそく組み立て図に沿って細かな部品を探す作業に入った。

■ 学生たちは教科書の図解と照らし合わせながら、たくさんの部品の中から目当てのレゴブロックを探し出していく。この作業には根気が必要で、類似部品を混同してしまうことも度々。サポートティーチャーが積極的にパーツ探しに加勢し、館のスタッフが混同しやすいパーツをアドバイスする。

■ 教科書の順序どおりに段階を追って、パーツを探し出してはロボットを組み立てていく作業の繰り返し。学生は机とピックアップスペースを何度も往復し、四角いブロックや丸いビスなど対象物の特徴を絞り込んで、見当をつけてはパーツを見つけていく。漠然と全体を眺めて見つからないパーツをサポートティーチャーにたずねる学生もいれば、素早くパーツを見つけてテキパキと組み立てる、馴れた学生もいた。

■ ドライブベース(胴体部分)の組み立てが終わると、個別にプログラムを転送する作業に入る。全員が同じ周波数の赤外線通信のため、各自別々にダウンロードしないと混線することがあるとのこと。組み立ての早さには個人差がありダウンロードもほぼ別々に進行したが、スタッフの助言で念のため転送中は周囲を教科書などでカバーし、周囲の光線の影響を抑えていた。

■ 1時間半を過ぎた頃から、学生の中から溜息が聞こえて作業ペースが鈍ってきた。プログラム転送には多少時間がかかり、転送エラーで何度もやり直しとなる場合もあって、それも緊張が途切れてしまう一因だったようだ。のんびりとマイペースに楽しんでいたり、根をあげずにコツコツと作業に集中する学生もいるが、類似パーツとの格闘に「目がチカチカする」と弱音を吐く学生もいて、サポートティーチャーは明るく声をかけながらパーツ探しを手伝う。スタートの遅かった学生には、組み立て作業にも手を貸して作業ペースを盛り立てていた。

■ 仕上がったロボットは、ダウンロードされたライントレースプログラムにより白い紙に描かれた黒い枠に沿って周回するのだが、プログラムを赤外線転送する際のちょっとした障害や、走行の安定、センサーの感度や設置箇所など、様々な要素が絡んですぐにはうまく動作しない。

■ 動きのおかしなロボットに学生たちの歓声や落胆の声があがり、スタッフからアドバイスをもらってセンサー位置を移動したり、再度ダウンロードをして、自分のロボットを安定性のあるデザインに修正していく。作業の早い学生は走行ユニットを車輪からオプションパーツのキャタピラなどに作り変えて走行の安定を図っていた。

■ 本来3時間をかけて受講するプログラムに2時間半の予定で取り組み、始めはスムーズに進まなかった部品の選定も、学生同士の教え合いや、館のボランティアスタッフのアドバイス、サポートティーチャーの支援でペースアップし、全員がロボットを完成して終了することができた。走行の安定性はそれぞれだが、スタッフのアドバイスをヒントに原因の推測や対応策がとられ、有意義な学習体験となったようだ。

■ 追い風に乗ってでも時間内にゴールできたことは学生の自信となる。「やり遂げた」という事実は、次の一歩を踏み出す際に大切な指針となってくれる。このようなきっかけの場で、サポートティーチャーは学生に「達成への手助け」を約束し、共に学ぶ級友や先輩のような信頼関係を築いている。

■ 2000年4月の開校当初は10名だった入学者も順調に増加し、現在は約140人の学生を抱えるホームスクールサポート校となった。開校後丸3年の間に規定の単位を修了した学生が8人卒業し、大検やAO入試に取り組んでそれぞれの進路を獲得している。


このページのトップへ▲
ホーム学校リサーチ:教育情報レポートアットマーク・インターハイスクール-課外スクーリング レゴラボ教室-