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聖園女学院が育むリーダーシップ

◆ 昨年、かわら版の取材で聖園女学院の鳩先生と平野先生からお話をうかがった。
中でも印象的だったのが、同校のボランティアに対する考え方だ。全校で行っている5円ランチなどの活動もあるが、部活動単位や少数で行っているボランティアもある。たとえば、聖歌隊は老人ホームを訪問したり、クリスマスには駅の構内で美しい歌声を披露している。

◆ しかし、ホームページを見ても、学校案内を見ても、聖歌隊の活動については触れていない。思わず、「なぜそのような素晴らしい活動を紹介されないのですか」と聞いてみた。すると「ボランティアを行っているという事実が大事なのではありません。単なるイベントや行事にしないこと。思いつきでやるのではなく、一度はじめたことなのであれば、火を消さずに、どのように続けていけるのか。責任と役割を担うことが大切だと考えています。上級生もそのように下級生をリードしています」と先生方は語る。自分の問いかけが少し恥ずかしくなった。

◆ 東京にある医学系の大学の先生が学校を訪問したさいに、大学入試のために生徒が提出した自己推薦文を高く評価されたお話を平野先生にうかがった。ある重要な役職で活動している友人がうまくことが運ばずに苦しんでいる姿を察し、その思いを熱心に周りに伝え、書類を取り寄せてサポートした過程を書いたことが高く評価されたそうだ。

◆ 一人の人物が中心となり、全体をまとめ、率いるリーダーシップもある。しかし、自分のいまある立場の中でできることを懸命に模索し、周囲にいる一人ひとりに丁寧に話をし、理解を得るという力もまた、リーダーシップである。大学入試の形態が近年多岐に渡っているためか、自分の活躍を声高に語り、アピールする大学生は少なくない。果たしてその姿に本当に自分なりの信念と社会のニーズと他者を思う気持ちがあるのか、疑問を抱くことがある。

◆ 自分の進むべき道をしっかりと見極められる力。悩みながらも、大事なことを見失わない力。この力は、困難にぶつかったときに必ず自分を支えてくれる糧となる。聖園女学院の生徒は大人しいという印象を受けるようだが、静かに漲る力や信念があると、訪問するたびに感じる。

石井 麻美
2010年1月18日更新

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