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NTS教育研究所スタッフによる【学び】をキーワードにしたコラム

生徒一人ひとりの存在の響きが奏でられる 聖園女学院クリスマスタブロ


◆白いケープをまとい、中学1年生がハンドベルの澄んだ音色とともに、ゆっくりと入場してくる。生徒が手にするペンライトが暗い講堂をやわらかい光で照らしだす。そして、静かに朗読がはじまる。幕が開くと、一枚の絵画が現れる。

◆ 12月20日に聖園女学院で行われたクリスマスタブロは11年もの間続いてきた伝統ある行事。「Tableau(タブロ)」とは「絵画」という意味で、12世紀初頭フランスで始まった活人劇のことを指している。

◆ 同校の「クリスマス・タブロ」は、イエス・キリストのご降誕の場面を中心に構成されている。救い主を送って下さった神様の愛をたたえ、その喜びを表現していく。会場からの拍手は禁止されている。静謐な空気の中で展開されていくことに意味があるからだ。

◆ 不思議なもので、静かな、ほの暗い空間にいるためか、意識や神経が研ぎ澄まされていくように感じる。聖歌隊の歌声やハンドベルの演奏が耳だけでなく、体全体にしみわたっていく。中学1年生から高校2年生の生徒がつくりあげるクリスマルタブロ。生徒一人ひとりの存在の響きが奏でられ、聖園女学院全体の響きとして共鳴しているように感じられる。そしていつしか意識は舞台だけでなく、自分の内側へも向けられていく。

◆ 一歩外にでれば、ジングルベルが鳴り響き、イルミネーションがきらびやかに点灯し、賑やかに祝う声が聞こえてくるだろう。だが、この空間では、聖園女学院の精神を聴くことができる。自分のうちに響く言葉に耳を傾ける時間が流れる。

◆タブロを見ながら、ふと思い出したのは、かわら版の取材で出会った同校の斉藤さんの一言だ。「私は、聖園に入って、なにより、自分が幸せだなということを実感しています」。

◆ 今回ご招待いただいた鳩先生と美しい舞台を披露し、豊かな時間を過ごさせてくれた生徒全員に心から感謝したい。大切な人たちは「幸せを実感」しているだろうか。そんなことに思いを巡らすことができた、実に幸せなひと時だった。クリスマスまで残りわずか。皆様に素敵なクリスマスが訪れますように。

 

石井 麻美
2008年12月22日更新

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