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教育の柱たるコミュニケーションの実践 〜宝仙学園理数インター


◆ 理数的思考力(理数)と、相互作用に基づいた関係(インター)を校名に掲げ、新しい挑戦に取り組んでいる宝仙学園理数インター。1期生を迎えた昨年の入試に引き続き、今年も多くの受験生の注目を集めているようだ。その秘密はどこにあるのか、取材に伺った最後の学校説明会でそれが見えてきたように思う。
 
◆ 理数インターの説明会はコンセプトの実践の結びつきが論理的で、イメージしやすいように語られる。例えば「社会で活躍できる素養を身につける」というコンセプトに向けて大切にしている基礎基本を星野副校長先生は「基礎とは知識、基本とは考える枠組み」と語っていたが、その実践の一つとしてパーソナルファイルというツールがある。これは定期テストのたびに、生徒自身が次に向けた目標、その時点での理解と課題点の分析、目標にむけたプランを書き出していくもの。書き出すことによって生徒と教員が目標や課題点を共有し、教員はコーチングの手法を使って生徒をその目標へ導いていくためのツールとして活用されている。自ら学ぶ意味を見いだすこと、それはまさに自己実現に向けた思考の枠組みを形作る試みと言えるだろう。

◆ また、さらなるステップアップとして、試験的に英数国の授業ごとにパーソナルファイルを記載する試みも行われており、意欲的に活用する生徒も出てきているようだ。課題点や改善点の分析、次に向けた目標設定というパーソナルファイルによって育まれる力が、先生方によって実践されており、学校選択者にとって、入学後の姿がよりイメージできるのではないだろうか。

◆ 説明会の中で星野副校長先生は、理数インターという名前に込めた意味、すなわち学校が育てていこうとする素養の1つとしてコミュニケーション能力を挙げていた。その中で「コミュニケーションとは、単にお互いの考えを理解し合えればよいということではありません。しっかりと自分の考えを表現できることです」と語られていた。

◆ 学校説明会は学校と学校選択者のコミュニケーションの場である。理数インターの説明会では、理数インターの考えが明確に表現され、まさしくコンセプトの実践となっている。一期生とその保護者の方々が学校に寄せられた要望から、学校の打ち出したコンセプトと入学者の共鳴が見られることについては、以前『コンセプトへの共鳴』でも触れた。またそのときに取り上げたきめ細やかなQ&A集は今年度も発行されており、入試や学校生活など多岐にわたる質問事項と学校の解答が30ページ近くにわたって掲載されている。

◆ 実は今回の説明会を通して印象を受けた点は大きく3つある。ここまでで書いたように1つはコンセプトや教育システムを語る学校としての表現。2つ目は学校選択者と学校の間にあるフィードバック回路の太さだ。そして3つめは入試問題。

◆ 入試問題に関しても『理念を具現化する分析の視点』の中で、入試という場が、問題と正答率そして合格ラインの引き方によって、求める生徒像を学校選択者に発信する場となっていることに触れた。これもまた学校と学校選択者のコミュニケーションと捉えることができるだろう。今回はコミュニケーションという一つの柱を例に取り上げたが、理念やコンセプトがただ語られているのではなく、学校として身を持って表現されていること、これが新規校でありながら学校選択者を強烈に引きつける理数インターの魅力なのではないだろうか。
 

 

川頭 邦晴
2008年2月1日更新

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