NTS教育研究所NTS教育研究所
ホーム編集者コラム>クラブフェアから見た桐光学園が育む「次世代のリーダー」(2)

NTS教育研究所スタッフによる【学び】をキーワードにしたコラム




「クラブフェアから見た桐光学園が育む「次世代のリーダー」(2)


◆ 前回、8月に行われた同校のクラブフェアで様々な生徒と対話した内容を取り上げた(前回の記事)。その中でも、桐光学園のイメージのごく一部しか捉えていなかったことを恥ずかしながら実感したエピソードがある。それは、何でも相談コーナーを担当していた中学1年生の男子生徒との対話だ。

◆ 相談コーナーでどのような質問を受けたのかを聞いたところ次のような質問が多かったようだ。
 「どれくらい受験勉強が必要ですか?」
 「どんな受験勉強が必要ですか?」
 「入学した後も、塾にいかないと勉強にはついていけないですか?」
 「学校生活で先生はどうですか?」

◆ このような質問を受け、答える時に難しいなと感じるのはどのような時かを聞いたところ「先生に関しては、先生それぞれ違います。優しい先生もいるし、普段から怒る先生もいます。でも、それは自分のために怒っていることはわかります。質問した人に答える時に自分のことは話せるけど、自分の体験のみでいいのかな、と思います。僕の体験が相手に合うとは限らないから。きちんと伝わるかが気になります。」という答えが返ってきた。

◆ この答えに衝撃を受けた。さらに、中学1年生だということを思い出し、ショックを受けた。この生徒はコミュニケーションとはどういうことかをしっかりと理解している。自分の体験や考えと他の生徒の体験や考えには共通点もあるが、違いもあるということ。それが必ずしも相手に伝わり、理解されるとは限らないということ。そのことを、彼は考え、言葉を選びながら保護者に解答していたのだ。果たしてそれは、インタビューした生徒がたまたま卓越した生徒だったのだろうか。
 
◆ 伊奈校長先生は『次世代の新しいリーダー』像について次のように語っている。「『次世代の新しいリーダー』とは、集団において先頭に立つだけの人物ではありません。それぞれの集団の中でリーダーシップを発揮することはもちろん、人を思いやる心を持ち、人のために自ら進んで動くことのできる人格者、そういう人物こそが、周囲から全幅の信頼を寄せられる『次世代の新しいリーダー』であると考えます。(中略)本校の最大の特長である『桐光流徹底めんどうみ指導』を実践していくことで、本校が目指す『次世代の新しいリーダーの育成』という目標が実現できると考えています。」

◆ 集団の中で先頭に立つことがリーダーなのではないと伊奈校長先生は明確に語っている。だからこそ、先生はあらゆる行事を生徒に運営させ、それを見守っている。そこから、生徒は規律と自由の違いを体感していく。試行錯誤しながら、判断し行動ができるようになる。自分と他者との違いに気づき、受けとめられようになる。そして6年後、彼/彼女たちは次世代のリーダーとなって巣立って行く。

◆ 桐光学園の卓越した指導に気づくきっかけを与えてくれたのは、対話である。コミュニケーションとは、難しさや困難を伴うことが少なくない。しかし、時にはこんな豊かな発見を与えてくれる。

関連記事
◆学校選択の変化[35]〜桐光女子部
http://blog.netty.ne.jp/hotnews/2007/08/35_54aa.html
◆学校選択の変化[34]〜桐光男子部
http://blog.netty.ne.jp/hotnews/2007/08/34_8c4f.html
◆名門校の条件の1つ〜学校のリーダーの質
http://blog.netty.ne.jp/hotnews/2007/08/1_afc3.html

 

石井 麻美
2007年9月10日更新

このページのトップへ▲
ホーム編集者コラム