NTS教育研究所NTS教育研究所
ホーム編集者コラム>「みやこどり」にみる中村学園

NTS教育研究所スタッフによる【学び】をキーワードにしたコラム

「みやこどり」にみる中村学園

■ 中村学園は、年に一度「みやこどり」という冊子を刊行している。創刊六十号を数える今号は「おはようがこだまする学校」という小林校長の温かみのある文章に始まる。読み進めていくと、そこに明るくのびのびとした校風の一端をみることができる。

■ 例えば「English Day」に関する作品。自由な発想をもとに創りあげたストーリーが並ぶ中、わがままで行儀の悪い白雪姫に小人たちがマナーを教える、という内容の作品。「白雪姫は王子様の求婚を断り、小人たちと楽しく暮らす」という意外な結末に、生徒たちのやわからい思考を感じる。また、『世界一のごちそう』では、「世界一」とつく食事がでてくる中、少年が自分で育てたさつまいもという「心のこもったプレゼント」をもらう嬉しさについて表現されている。普段の授業からこういった素晴らしい発想が生み出される土壌が育成されているのだろう。

■ 「働くということ」についての作文も考えさせられる。キャリアデザインの授業を受けた生徒達の作品だが、なぜ働くのか?という問いをきっかけに、勉強することと働くことのつながりを見つけ出している。「今この時に貯めた知識が自分の可能性を大きく広げる助けとなるのではないだろうか。…中略…私たちが日々経験している小さなことの一つ一つがとても重要なことであるように思えてくるのである」。他にも「自由」との関係について述べている作品もあり、一人ひとりが「働く」ことから思考を広く広く展開させている。

■ 編集後記にはこう記されている。「『みやこどり』の名前は変わらないであろうし、淡々と学園の今を伝える精神は変えるものでもないと思うが、学園の変化する部分に対応する内容の変化を、十分に受け止めるだけの柔軟性をもった器であるべきだろう」

■ これらの作品がずらりと並ぶ「みやこどり」、内容のユニークさや読み応えもさることながら、生徒・先生・保護者といった執筆者のバリエーションの豊かさにも中村学園ならではのアットホームな校風が表れている。

■ 「自分の可能性に、耳を澄まそう」。ふと、説明会ポスターに記された言葉を思い出した。常に耳を澄ませながら、様々な情報を発信している中村学園。みやこどりの飛び交う隅田川のほとりからは、様々な音色が聞こえてくる。その多彩な音色は、これからも聴くものの耳を楽しませてくれるのだろう。



麻生 偉宏

2007年4月10日更新

このページのトップへ▲
ホーム編集者コラム