NTS教育研究所NTS教育研究所
ホーム編集者コラム>中村中学校先生の想いが詰まった「LOVE CALL」

NTS教育研究所スタッフによる【学び】をキーワードにしたコラム

中村中学校先生の想いが詰まった「LOVE CALL」

◆ 「先生からのLOVE CALL」…この言葉を聞いて、まず何を想像するだろうか。先生から生徒への訓示、応援メッセージ、あるいは気持ちを綴った詩集などを思い浮かべるかもしれない。中村中学校においての「LOVE CALL」は、それとはまた異なりもっと具体的な形をとって生徒に贈られる。

◆ 毎年、読書の秋である今の時期に発行される小冊子。全教職員が、自分が読んだ中で一押しの本を紹介していく。表紙に記されているVol.16という数字から、すでに16年間も、先生から生徒へ「LOVE CALL」が発信されつづけているようだ。

◆ 編集のしかたも中村らしい。「数学」「英語」など教科ごとにまとめるのではなく、先生の氏名50音順で、一人1冊お薦めの図書と推薦文が掲載されている。今年のベストセラーとなったリリー・フランキーの「東京タワー」や、映画にもなった宮部みゆきの「ブレイブ・ストーリー」と言った、中高生にとって取っ付きやすいものも多い。他にも伝記、洋書、古典と様々。「歴史民俗資料館図録」や大相撲に関する本なども並んでいる。中には、複数の先生から紹介されている本もある。同じ本を取り上げながらも、それぞれの先生によって視点や感じ方が違うのが面白いところ。

◆ 2006年9月のコリドール貸出集計によると、中1〜高3まで107人が601冊の本を読んだ事になる。この中で一番多いのが中学1年生。40人で何と289冊の貸出があったようだ。

◆ 一方的に「本を読むことはいいことだ。だからたくさん本を読め」と指導されるだけでなく、「こんな面白い本があるんだよ」と紹介されるのとでは、生徒も「読んでみようかな」という気持ちになるのではないか。

◆ 同じ本を読んでも、読んだあとの受け取り方はそれぞれ違う。この「LOVE CALL」に載っている先生の紹介文に共感するかもしれないし、また別の感じ方をするかもしれない。コリドールで、「先生、あの本読んだよ」そんな先生と生徒の楽しげな会話も聞こえてきそうだ。「LOVE CALL」は教科指導という枠を超え、先生から生徒へ、もっと言えば人から人へのメッセージなのだ。本を通じたコミュニケーションがそこに成り立っているのである。

◆ 先生からの素敵な「LOVE CALL」。生徒達にもきっと届いている事だろう。




今村 衣里加
2006年11月15日更新

このページのトップへ▲
ホーム編集者コラム