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| 安倍晋三首相の所信表明の背景? |
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◆ だいたい「美しい国」の基本要件の1つに、世界から愛される国というのもおかしなものだ。「品格」という言葉も使っていたが、だとするならば、愛されるよりも、世界の国々、人々を愛する国になるというのが本意ではないだろうか。 ◆ それに二極化を避けるのであれば、またイノベーション立国にすると言うのであれば、すべての子どもたちに詰め込み主義の教育ではなく、多角的に知識を活用し、複眼的に思考する教育を設定する必要があるのではないだろうか。 ◆ 小泉構想を引き継いで、道州制や地方分権を促進すると言い、海外から日本にやってくるようにすると言うが、これも詰め込み重視の基礎学力重視をする教育再生構想と根はいっしょだ。要するに、金は無いよということである。だからミニマムなことしか用立てない、紙と鉛筆だけでがんばれという節約国家宣言である。なるほど清貧は美しいのかもしれない。 ◆ しかし、海外から人がやってきてもらうには、円安がある程度持続しなければ到達できない。円安は日本の基幹産業にとっては好都合である。ただし、これはオイル・トライアングルを保守するということであるから、「勝ち組み」と「負け組み」の格差は広がるということである。基礎学力重視ということは、まさに労働者養成ということ。ニート、フリーター、女性労働力、そしてキッザニアに象徴される子どもの労働力も作ろうというのは、年収300万以下でも耐えられる労働者層を日本に固定させようということだ。 ◆ 「規律」「規範意識」を植え付け、日本人で下層労働力が確保できれば、犯罪率も低くなる。富裕層は私立学校出身者が占め、中間層は、海外から調達すればよいと考えているのだろう。移民問題を解決するには、アジアの優秀な層が、日本の中間層を占めればよい。人数比率的には移民を受け入れる口実に大いになる。そしてやはり犯罪率は抑えられるし、なんといったって税金を国家は回収できると思っているのではないだろうか。 ◆ それにしても所信表明で、明治期の長州藩の活躍を称えるというのはどういうことだろう。単純に代々にわたる自分の選挙区だからというわけではなかろう。明治の近代は2通りあった。1つは官僚的近代化路線。富国強兵、殖産興業を推進したのは有名だが、教育において東大の初代総理加藤弘之が「優勝劣敗」を促進したのは意外と知られていない。自然淘汰という名の二極化の権化は、東大の初代総理のときからだったというわけだ。 ◆ もう1つの近代化路線は、新渡戸稲造、内村鑑三、福沢諭吉、中村正直、中江兆民、新島襄、務台理作などの私学人の理念が進めた、理念的近代化路線。本来安倍晋三首相の母校、成蹊という私立学校もそうだったのだろうが、いつの間にかエクセレントスクールから脱し、合理的官僚的近代化路線に与しているエリートスクールになってしまったのかもしれない。安倍晋三首相の人格は、人間教育をやっている成蹊の教育力の賜物だろう。小学校から大学まで成蹊で育っているのだから。 ◆ 民力をと言いながら、官邸主導と言いながら、根本は官僚的近代化志向。市民のマーケット育成を支援する政策ではなく、制度改革によって儲かるところがシャッフルされるだけの改革で、所詮利権集団の構造は変わらない。見た目の市場活性化が行われるだけで、二極化は避けられない。国際市場は冷ややかに違いないが、安倍政権にとってはそれがよいのだ。円安は続き、株式市場の上下は激しく動くのだから
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本間 勇人
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2006年9月29日更新
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