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NTS教育研究所スタッフによる【学び】をキーワードにしたコラム

横浜中の新しい試み


◆ 今年の夏、横浜中は、新しい試みに挑戦。理科研修の一環として「理科『校外発展学習inもてぎ』プログラム」をスタートした。一般に理科というと実験とか観察という話になるのであるが、今回横浜中は、もう少し広い「科学の目」を身につけるステージに挑戦した。

※ プログラムの様子は次のサイトを参照→
http://eri.netty.ne.jp/hesp_repo/2006/yokohama/index.htm

◆ 「科学の目」を磨く基本条件は3つ。好奇心、開放的精神、そして日常的考え方に疑問を抱く視点。この点に関連して、プログラムの団長大場先生にNTS教研所員田中がインタビューした。一部紹介したい。

田中:今回のプログラムを通し、生徒のどのような変化を期待していますか。
大場先生:今回のねらいは「自分を表現する」「伝える」活動にチャレンジすることです。これは、表現しなさい、伝えなさいと言ったからといって、すぐに生徒が活動に移せるものではありません。表現したり、伝えたりする変化のきっかけをつかんでほしいと思います。

田中:そのきっかけを生む仕掛けというのはどういうところにあるのですか。
大場先生:いろいろあります。Hondaの「ものづくり」の専門家に、本物の製品を目の前にインタビューしてみたり、実際に触れながら疑問をもち、再び質問をしてみたりというコミュニケーションは、おもしろそうだとか、なぜだろうという気持ちが生まれてくるきっかけ作りになります。それにチームで学んでいきます、まあこれはそう簡単ではないのですが、それはともかく今回は中1から中3までの学年混合編成。互いにオープンになることによってシナジー効果が生まれ、アイディアやよき知恵が生まれます。そのためにはチームワークが必要です。

田中:理科研修の一環ですが、そのようなコミュニケーションの状況を作り出すというのも大事なのですね。
大場先生:そうです。やはり学びの雰囲気はコミュニケーションの状況が影響するし、考える前には「感じる」センサーを敏感にしておく必要がありますからね。ただ、それに終始するわけではありませんよ。そのような準備の後、いよいよ教わるという受動的な学びから自分から動きだすという能動的な学びにシフトしていくと期待しています。それが「知恵」を生むきっかけ、「知識欲」が生まれるきっかけになるはずです。

◆ 今回の理科研修の試みの背景には、どうやら理数系のキャリア・デザインの発想も盛り込まれているようだ。理数系の知識と技術は、教科の学習の中で充分に体得できる。ただ、今後の理数系のキャリア・デザインには、サバイバル能力を身につける必要性がある。すでにアメリカの大学では、医療系や工学系に進む人材にこの能力を体得してくることを要請している。どんなに賢くても、チームプレイ、コミュニケーション、リーダーシップ、ステイクホルダーへの助言、コスト計算などができなければ、研究活動はできないということらしい。東京大学の変革を見ていると、日本でも同様の動きが生じている。

◆ 今回の横浜中のプログラムは、このような大学や産業界の構造変化を見据えた、先見性のあるかつ本質的な教育の挑戦なのではないだろうか。


本間 勇人
2006年8月24日更新

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