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NTS教育研究所スタッフによる【学び】をキーワードにしたコラム

芝浦工業大学中学校が育む知


先日、9月に実施されるHondaのプログラムに先駆けて、中学2年生全生徒と事前学習を行った。大会議室で江藤校長先生は「今回のプログラムでは、何かを教えてもらおうという考え方は捨てなさい。自分達で考え、議論をすることで、創造的なものが生まれてくる。充実したプログラムにするかどうかは、君達次第なんだよ」と語る。

二酸化炭素の排出量グラフに国名をあてはめていくというプログラムを実施した。その際、どういう理由でその順序にしたのかを生徒に発表してもらった。議論している過程から早くも彼らの持っている知識の豊かさが伝わってくる。

「宇宙から地球を撮影した写真を見たことがあるけど、日本の形がはっきりわかった。それだけ、熱を放射しているんだよ」
「中国は急激に発展した国だから、エネルギーは使っているはずだ」
「人口は関係ないの?」
「京都議定書も関係あるんじゃない」
「GPDは?」「GPDってなんだよ」「国民総生産じゃないの」

一人ひとりの持っているパワーはとても高く、知識も豊かだ。しかし、この答えを一つにまとめていくのは、中々うまくはいかない。持っている知識をどのように目の前の事柄にあてはめ、整理しながら一つの合意に達するかというところで、チームのパワーやリーダーシップが求められてくる。事前学習の最後に、今日感じたことを生徒に書いてもらった。いくつか紹介しよう。

「少しの意見のくいちがいで話しがまとまらなかったり、どの情報を使っていいか分からなくなったりもしましたが、それでも発表した時の達成感のようなものは十分に感じ取れました。」
「数学や英語とはちがい、できてる問題を解くのではなく、最初から考えるという事は滅多にそういう事はしなかったのでとてもいい機会になりました。」
「この世の中、結局はすべて、科学的にできているのですが、それを証明するには、いろいろな事をやらなければならない。」
「人の意見を聞いてはじめて気づくことなどが多く、それを追求するのがたのしかったです。でもそれを他の人にくわしく説明し理解してもらうのが勤かしかったです。」

これはほんの一部だが、彼らが様々なことを考え始めていることがわかる。このアンテナの感度の高さこそ、芝浦工業大学中学校の先生方が大切に育んできたものなのだろう。彼らが「科学者の卵」から「科学者」へと成長する上で、欠かせない力となることは、言うまでもない。



石井 麻美
2006年7月18日更新

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