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NTS教育研究所スタッフによる【学び】をキーワードにしたコラム

洗足学園イギリス語学研修オリエンテーション
◆洗足学園は、数週間の語学研修、4ヶ月の中期留学、そして約1年間に渡る長期留学など、様々な海外留学・研修制度を実施している。6月17日にこの中のイギリス語学研修に旅立つ保護者と生徒対象にオリエンテーションが行われた。その際、洗足学園の語学研修をサポートしているスタッフに依頼され、ワークショップを実施しに訪問した。

◆ イギリス語学研修まで残りわずかなため、ワークショップの進行は出来る限り英語で行った。名札シールを配り、名前を書いてねと言うと、「First name?」と緊張しながらも質問が出る。二、三度繰り返せば、ほとんどを理解していたのは驚いた。

◆ 参加生徒を2つのチームに分け、連合王国(United Kingdom)の白地図を配付し、イングランド、スコットランド、ウエールズおよび北アイルランドの位置を書き込んでいく。連合王国を指して"England"と呼ぶことが英語を話す人でも、よくある。しかしこの呼び方は「政治的に正しくない」として公式な場では控えられる傾向にある。また、国全体、個々の地域、またそこに暮らす人々をどう呼ぶべきかという問題は、個々人の政治的価値観や歴史観を含むため複雑であり、様々な見解がある。正確な位置を確認することも大事だが、地図を使いながらこのような理解を少しずつ深めていく。

◆ 次に、人口・面積・宗教・民族・首相・そして今多くの人々が熱中しているサッカーをイギリスと日本で比較できる表を生徒達に配布した。日本の情報は全て記入しておいたが、イギリスは空白の状態にしてある。「人口は、面積が日本より少し小さいから、1億くらいじゃない?」「首相って、誰だっけ。エリザベスは女王だから・・・」などとにぎやかに進んでいる。全て埋まったところで、正解の用紙が配れらた。「全然違うじゃん。あ、でもこれちょっとあたってる」とにぎやかに話し合っているところで、本題にはいっていく。重要なポイントなので、ここからは日本語に切り替えた。

◆ 「ところで、宗教や民族など日本と様々なことが違うことがわかったよね。どういう困難な場面に直面する可能性があるの?」と問いかけ、チームで話し合う時間をとった。「食事のマナー」「言語」「スリにあうかもよ。スラム街とか」などの意見があがったところで、「去年の7月のことは覚えてる?」と再度問いかけると、生徒たちはハッとした表情で考え込む。

◆ 「それでは、最後に。色んな国の人と出会うよね。ホストファミリーと2週間過ごすよね。最初に会った時の自分はイメージできる? なんて挨拶する? どういうコミュニケーションを取れば、楽しくかつ安全な語学研修にできるの?」と質問する。「笑顔」「きちんと自己紹介」「危ない所には行かない」「かばんは前で持つ」という答えからも、大分イメージができてきたことが伝わってくる。

◆ 「笑顔、自己紹介など、ファーストインプレッションはとても大事だね。あとは、ルールを守ること。ホストファミリーにどこに誰と出かけるのか。何時に戻るのか。出会った人や質問をした時にお礼を言ったり、挨拶をすることも大事だね。また困った時にどこに助けを求めればいいのかも大切な情報だよね。つまり、どういうコミュニケーションをとっていくのか、だね」とまとめると、生徒たちは聞き入っていた。最後に「Thankyou very much」とあいさつをした所、生徒から反応がなかった。改めて「コミュニケーションは?」と問いかけたらすぐに「Thankyou」という声が返ってきた。「これが大事だよ」ともう一度確認をして終わった。

◆ オリエンテーションの最後に松本先生が「どういう目的意識を持つのか。語学の難しさよりも、意識や伝えようという気持ちが何よりも大切です。発言を求められた時に黙ってしまうという姿勢を今から変えていきましょうね」と語りかける。教室を出る間際に、父親に「私、イギリスのこと何も知らなかった・・・」と話しかけている生徒がいた。2週間の滞在期間とはいえ、その間現地の家族と共に暮らし、また授業ではスペイン、イタリア、フランス、ブラジル、トルコなど世界各国の同年代の児童と接する機会がある。自分が「知らなかった」ということに気づき、そこから理解したいという欲求が生まれるたのだとしたら、洗足学園の生徒たちのイギリス語学研修は既にスタートしているのかもしれない。

石井 麻美
2006年6月19日更新

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