![]() ![]() |
| ホーム>編集者コラム>2006「私」立女子中高一貫教育に「触」れる「会」(私触会)開催される |
| NTS教育研究所スタッフによる【学び】をキーワードにしたコラム |
| 2006「私」立女子中高一貫教育に「触」れる「会」(私触会)開催される |
|
◆ 2006年6月12日、神奈川の私立女子中高一貫校19校が集まって、各校が私学の本来の教育力について大いに語った。会場は大きく2つに分かれていて、片方のウィングでは、各校のブースが立ち並び、もう片方のウィングでは、19校それぞれが10分間スピーチという連続講演をした。 ※私触会については→http://www.shishokukai.com/kanagwa_2006/index.htm ◆ 富士見丘(神奈川)の校長豊岡先生が会を代表して開会を宣言。「ここ数年私立中学受験生の数が増えている。それは端的にいえば、公教育に対する不安に帰因するだろう。その分私学教育には期待がかかっているのです。私学は伝統を大事にしつつ、時代の流れを読みきる先進性をも持っている。これからは生きる意味を見出すのは大人でも難しい時代。だからこそまずは子ども自身が生きる意味を見出せる環境を選択する必要があるのです。本日各ブースやスピーチで先生方からいろいろ話をお聞きください。私学がどんなにがんばって本物の教育を実践しているかおわかりいただけると思います。こんな子に育てたい、こういうふうに自律して欲しいとわが子の成長を考えて、自分の子に合った学校を選んでください。学校選択は子どもの未来を選ぶことなのです。」 ◆ このような内容だったと思うが、この私触会は、参加している各校の先生方が一貫して自分の学校のことと私学全体のことの両方を語っているのが大きな特色。19番目、つまり最後に話をされた横浜山手女子の野村先生などは、まとめの意味もこめてだろうが、ご自分の学校のこと以上に、神奈川の私立女子中高一貫校の共通点についてわかりやすく説明していた。実に頭がさがる。参加していないフェリスや横浜共立などの存在意味も語ったことになるのだから・・・。 ◆ 私立中高一貫「校」それぞれの話と私立中高一貫「教育」全体の話をするということは実に意義深い。このタイプの合同説明会は、なんだかんだと言って、ほとんど前者の話に終始しがちである。ところが私触会では両方のバランスがよい。私立中高一貫校に通う生徒は、同世代の約6%程度。しかも私学は文部科学省ではなく知事による所管。これは何を意味するかというと、大学の教育学部は、私学を研究対象にしないということだ。 ◆ 公教育の最大最強のスポークスマンは実は東京大学教育学部だ。では私学は?自らスポークスマンの役を背負うしかないのである。このような事態は実は明治時代にさかのぼる。たとえば政府側西周に対するは、江原素六。政府側加藤弘之に対するは、京都学派西田幾多郎がその思想を継承する大西祝。大西と同じような立場に立ったのは内村鑑三。ヨーロッパ合衆国建設の父クーデンホーフ・カレルギーは鳩山一郎と意気投合したし、カレルギーの父ハインリッヒ、つまりあの光子の夫は、井上円了と哲学と宗教について夜を徹して話した。 ◆ 江原素六は麻布学園を創設。西田幾多郎の周りには開成学園の徒が集結。内村鑑三は鴎友学園女子の設立に影響を与えた。鳩山一郎の母親は共立女子を創立。井上円了は京北学園を創立し、郁文館、京華学園、つまり白山御三家の創立に大きな影響を与えた。 ◆ この私学人たちの直接間接、師ともいうべき存在は、ラファエル・ケーベルだったが、彼は明治政府の欧化政策を「根を移そうとせずに、ただ人目を驚かすような花だけを切り取って来ようとする」と日本の行く末を案じたという(「近・現代日本哲学思想史」濱田恂子 関東学院大学出版会2006)。私立中高一貫教育は明治以来、この日本の行く末を案じ、守り続けてきたという意味で伝統を保守し、常に新しい教育を切り拓く先進性を有してきた。もちろん、今後もそうなのである。 ◆ そしてその使命を自ら受け入れ、実行しようと前進し続けるのは、私学人以外にないのである。そんな決意と覚悟を聞いた思いがした私触会であった。 |
|
本間 勇人
|
|
2006年6月13日更新
|
| このページのトップへ▲ |
| ホーム>編集者コラム |