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NTS教育研究所スタッフによる【学び】をキーワードにしたコラム

シンガポールの生徒との出会い(1)
 先日、シンガポールの高校生と出会う機会があった。高校生とはいえ、飛び級制度が認められているため、中には弱冠14歳の子もいた。わずか、2時間という短い時間だったが、彼らが受けている教育の一端を垣間見ることができた。

 シンガポールの5つの教育の柱に、二言語主義というものがある。これは、法律、行政、商業、技術の言語である英語のほかに、各民族の母語(Mother Tongue)である華語(北京語)、マレー語またはタミール語を習得させて、文化的伝統を継承させようという理由に基づくもののようだ。

 そのためか、議論が始まるととにかく色んな言語が飛び交う。漢字をでメモを取っている生徒がいたり、耳慣れない言葉はおそらくマレー語またはタミール語で話していたのではないかと思う。質問をすると、もちろん英語で返事が帰ってくる。先ほどまで友人と議論していた時より明らかに発音を丁寧にしている様子がうかがえる。自分達の中で話す英語と使い分けているのだ。

 母語が異なるため、彼らは言語や文化の人とコミュニケーションを取ることへの抵抗が少ないようだ。そのため、共通語となる英語を見事に使いこなすしている。もちろん、単なる共通語という意味合いだけでなく、シンガポール政府がビジネスや科学・技術の言語である英語の価値も評価しているからだろう。そしてそれはシンガポールが国際経済の中で発展していくにあたって大きな強みとなるだろうことは、彼らを見ていて実感した。

 リサーチ中の彼らは、とにかくよく質問をする。展示物を見て、抱いた疑問を躊躇せずに聞いてくる。誰に聞けばよいのか迷えば、すぐに「誰に質問していいのですか?」と聞いてくる。中には「日本語できますよ」という生徒もいる。学校で勉強をしているのかと聞くと、日本の高校生に相当するジュニア・カレッジでは、華語、フランス語、ドイツ語、日本語などを受けることができるらしい。

 最後に感謝の気持ちを述べたスピーチも、見事な日本語だった。そっと手元のメモを覗いたら、ローマ字だったのが、ほほえましい。
石井 麻美
2006年6月7日更新

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