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2006年3月4日、女子聖学院において、ギタリスト村治佳織さんのリサイタルが行われた。チャペルに満員の保護者が詰め掛ける中、第一部「トランスフォーメーション"音楽の旅"」、第二部「リュミエール"フランスの香り"」と題して9曲とアンコールの2曲が披露された。
チャペルに響くギターの音色はもちろんとても美しかったのだが、それにも増して演奏の合い間にはさまれる村治佳織さんの語り方にも非常に感銘をうけた。
「森に夢見る」という南米の楽曲を演奏する前の語りでは、コスタリカを訪れたときの印象を話してくれた。霧雲につつまれた森を満たす空気の香り、日本の植物とはちがう緑の色、森で出会った生き物たち、アカメガエルの鮮やかな色やハチドリの動きなどを、ひとつひとつ言葉を丁寧に選びながら描写する。自分が出会った生命のエネルギーを、どうしたらギターで表現できるのか、常に模索しているのだという。そんな話を聞いた後にギターのメロディに耳を傾けると、行ったことのない南米の森の情景が浮かんでくるから不思議だ。
村治さんは才能に恵まれたアーティストだから特別だ、と言うのは簡単だ。しかし、日々の出会いや体験から何かを受信できるアンテナを常に磨いておくこと、受信したものを自分なりに理解しそこから何かを創造すること、それを表現し人に伝えることは、どんな立場や職業にあっても共通して大切な力である。村治さんの創造力は突出したものではあるが、彼女だけに特別に与えられたものではなく、誰もが持ちえるものなのだと感じた。その創造力のベース、そして常に学び続ける彼女の姿勢には、女子聖で過ごした6年間がたしかに影響しているのだろう。
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