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§2 ダルフール紛争■2003年2月、ダルフール地方の武装勢力が、スーダン政府に対して武装闘争を開始した。武装勢力は、スーダン政府がダルフールの人々を差別し、土地や天然資源をめぐる民族間の紛争から市民を保護する義務を果たしていないと主張したが、これに対し、スーダン政府は、ジャンジャウィードと呼ばれる民兵組織を支援し、ダルフールの住民を攻撃した。
■紛争による暴力や飢餓と、ジャンジャウィードによる組織的で大規模な襲撃により、2005年までに、25万人以上が死亡したとされる。200万人以上が国内避難民となり、20万人が国境を接する隣国チャドで難民生活を送っているという。しかし、人道的危機による被害者が現時点においてどの程度の規模かという点について正確な情報はない。 ■チャドへ逃れたスーダン難民によると、夜明けとともに攻撃がしかけられ、村は焼き討ちにあい、道路は寸断され、家畜は盗まれ、飲料水には毒が投げ込まれるという。こうしたライフラインに対する直接的な攻撃が行われているようである。人道援助団体や外国人の立ち入り禁止区域が設けられているため、ジャンジャウィードは目の届かないところで巧妙に虐殺を行っているとされる。 ■2004年6月、アフリカ連合(AU)はダルフール派遣団(AMIS)を設置し、スーダン政府と武装勢力の間で交わされた停戦協定が守られているかどうか、監視を始めた。しかし、停戦協定はいずれの当事者からも無視されているという。 ■さらに、ダルフールの暴力の火種は隣国チャドに拡大しつつある。2003年の時点で国際社会がジャンジャウィードに対する断固とした対策をとれなかったことが原因のひとつとされているが、ダルフールで住民を襲撃していたジャンジャウィードは、昨年9月ごろからチャド東部で難民やチャド東部住民を襲撃し、その攻撃を拡大している。2006年6月時点で約5万人のチャドの人びとが国内避難民となり、ダルフールから逃れてきた20万人以上のダルフール難民とともに、新たな襲撃や武装勢力による強制的な徴兵におびえながら過ごしている。
■現在、チャド東部への国際的な関心は低いままだが、このままでは同地域でも、さらなる虐殺が起こる可能性もあり、また急激な人口増加により資源が枯渇し、チャドの物価は8倍にも膨れ上がっている。国際社会は今、迅速な対応に迫られている。
§3 国際社会の動き
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■国際世論がイラクや北朝鮮などの問題に注目を集めている間にも、別の地域では時代錯誤な虐殺や民族浄化が現在進行形で行われている現実がある。ダルフール紛争は、スーダンの豊かな石油資源、穀倉地帯や水資源を巡っての民族対立など複雑な利害関係が密接にからんでおり、国連やアフリカ連合の介入すら許されないという極めて深刻な状況にある。
■しかし、罪のない犠牲者の数は日に日に増加しており、より迅速に具体的な対応が必要とされている。ダルフール地方に推定2万人の国連平和維持軍を配備することにスーダン政府が反対していることは、危機的状況を持続させるだけである。
■スーダン政府は国際世論の動向を常に気にしているため、今出来ることといえば世論の喚起、ということに集約してしまうのかもしれない。2006年9月17日には、30カ国で数千人の一般市民が、こうした異常事態にも関わらず外国の介入の受け入れを拒否するスーダン政府に対し抗議した。ダルフールの危機に対し、国際社会が動き、アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、中国、ロシア、そしてアラブ諸国が一丸となった声を集結させたのだ。こうした国際世論の圧力が、スーダン政府の硬直した政策を緩和させるうえで大きな力となるに違いない。
■また、同時に国際社会は、その存在が脅かされている人々に対し、最大限の人道的援助を続けていく義務がある。もちろん、その人道的援助がスーダンの社会、個人、政治に影響を与えて、本質的解決を遠ざけるようなことがないよう、最善の援助戦略を熟考していかなければならない。「理想」と「現実」のバランスをうまくとり、慎重かつ大胆な対応を心がけていくことが重要であるだろう。
| 参考サイト | ○外務省HP(http://www.mofa.go.jp/mofaj/index.html) |
| ○国際協力NGOセンター(http://www.janic.org/) | |
| ○国連難民高等弁務官事務所HP(http://www.unhcr.or.jp/index.html) |
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