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§2 国連における軍縮・軍備管理への取り組み■国連は、創立以来積極的に軍縮・軍備管理に対して取り組んできた。しかし、冷戦時代には国連を通じた具体的な成果はあまり見られず、むしろ二国間または地域的な枠組みを通じて軍縮に関する取り決めが行われてきた。一方、国連は総会においての軍縮問題に関する議論や採択を行うという形で、国際社会に影響を与えてきた。こうした議論や決議は、長期的なスパンで考えるならば国際世論の形成に大きく貢献したと言える。 ■また、冷静終結後には国連軍備登録制度の設置や「包括的核実験禁止条約(CTBT)」の国連総会による採択、「国連小型武器行動計画」の採択など、総会を通じて具体的な軍縮・軍備管理に対する成果をあげている。安全保障理事会においても、1992年に軍縮・不拡散の重要性を強調する議長声明が発表された。
■では、国連内の軍縮に関わる機関を見ていきたい。軍縮に関する問題を審議する主要な責任は、国連総会が負っている。そして、軍縮問題を取り上げる総会を補助する機関として、「軍縮・国際安全保障委員会(第1委員会)」と「国連軍縮委員会(UNDC)」がある。前者は通常総会の際に開かれ、総会における軍縮問題に関するすべての議題を取り上げる。一方、後者は特定の問題に焦点をあてることによって専門化された審議機関である。 ■さらに、「ジュネーブ軍縮会議(CD)」という機関があり、国連の枠外において軍縮協定について審議する唯一の多国間交渉の場となっている。この機関はそもそも、冷戦下にあって国連を中心とした軍縮の成果があがらないために作られた「10カ国軍縮委員」を母体としている。65カ国で構成されており、国家の安全保障上の利害に触れる問題については厳しいコンセンサスに基づいて進行することになっている。国連との関係は特殊であり、軍縮会議においては独自の規則を用い、議題も自ら決定するが、総会の勧告は考慮にいれ、毎年総会に報告をするという形をとっている。 ■CDは、化学兵器や包括的核実験禁止条約に関する交渉を成功させるにいたった。けれども、1997年以降は、軍縮の優先順位について加盟国間においてコンセンサスを得ることができず、そのまま交渉は中断している。 ■また、これまで多くのNGOが国連と連携して経済・社会問題について重要な役割を果たしてきたが、軍縮問題に関しては国家の安全保障と密接に関連しているため、国連における軍縮交渉の当事者はあくまで各国政府とされNGOが直接的に関与することは許されなかった。よって、軍縮問題に関してはNGOが国連になんらかの影響を与えるためには、自国の国内世論を喚起して政府の政策の形成に働きかけるか、世界的な平和運動などによって国際世論を喚起することしかできなかった。 ■しかし、冷戦が終焉し1990年代に突入すると、軍縮に関わるNGOの国連における活動も活発になってきた。安保理の理事国代表が、NGOを含む市民社会からも多様な助言や情報を入手しようと、理事会の政策問題を討議するための機会を設けるようになったのが一つの理由であろう。その結果、安保理のNGO作業部会が1995年に設置され、人道的救済から人権、軍縮など安保理の問題を幅広く扱った。けれども、軍縮問題に関する審議の中心はあくまでも総会やジュネーブ軍縮会議であり、NGO作業部会は国連の軍縮問題に関して十分な影響力を与えることはできなかった。 ■それでは、個々の問題への対処についてみていきたい。まず、核兵器に対するアプローチであるが、持続的な努力の末、国際社会では徐々にではあるが、核兵器を削減し、その拡散を制限する協定の締結に成功している。しかしながら、核兵器が国際社会の脅威であるという事実はいまだにかわっていない。 ■1996年に国際司法裁判所は、核兵器に関する勧告的意見を発表しており、その中で「あらゆる側面における核軍縮へ導く交渉を誠実に追及し、かつそれを終わらせる」義務を国家が有することを確認した。中でも、弾道ミサイルとミサイル防衛システムの開発、隠密に行われる核兵器計画の可能性、核兵器拡散の危険性、南アジアにおける核実験、核軍縮の中心となる国家による包括的核実験禁止条約の批准の必要性、などが核兵器に関する主な問題となってくる。 ■次に、化学・生物兵器に対するアプローチであるが、1997年に化学兵器禁止条約が発効された。これは、国際軍備管理史上初めて、締約国の条約上の義務順守を監視する厳格な国際検証体制をとった。そのため、オランダのハーグには化学兵器禁止機関が設置され、各国で査察が行われた。そして、条約において宣言された60の化学兵器生産施設の閉鎖を確認した。 ■また1975年には、生物兵器禁止条約が発効されたが、これは検証機構については規定していない。そこで、条約順守の促進や、技術協力や技術援助を履行するシステムを設けるための再検討会議が1995年から行われている。(BWCについて現在の状況を補足)こうした条約を確実に浸透させ、これらの兵器の非締約国への拡散を未然に防ぐよう努めることが、国際社会の将来のために必要とされている。
§3 今後の課題
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| 参考サイト | ○外務省HP(http://www.mofa.go.jp/mofaj/index.html) |
| 参考文献 | ○「新しい国連」(2004年 有信堂)編臼井久和・馬橋憲男 |
| ○「国際連合の基礎知識」(2002年 世界の動き社)国際連合広報局 | |
| ○「やさしい国際問題のはなし」(1996年 法学書院)著谷川平夫 |
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