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| 私学の先生方の教育コラム18 |
| 最先端学習への期待 〜共栄学園における六年一貫の総合的学習プログラム〜 共栄学園中学校・高等学校 諏 訪 啓 太 先生 |
| 学習指導要領の改訂に伴い、中学校でも「総合的な学習の時間」が2002年度より導入される。これまで、多くの学校において先進的に試行されてきた「総合的学習」であるが、最近になって、再びその導入をめぐる是非についてあちこちで議論されるようになってきている。共栄学園においても、数年前から総合的学習の在り方について検討が重ねられてきたが、その中で6年間の一貫した進路指導体制に関わる取り組みとして展開できないかどうかが話題となり、やがて議論の中心となっていった。 このような流れを経て、最近では積極的に導入するという方針が定まりつつある。現在、本校では6年間の一貫した総合的学習の具体的カリキュラム構成を検討する段階に至っており、共学化を実現した現在の中学1年生から実践に入っているところである。 まず、六年一貫の指導方針について、本校では以下の通り3つの大きな目的を据えている。 【 1 】体験学習活動の充実これらの方針に基づき、6年間をおおむね3段階にわけて取り組んでいく予定である。(なお、高校3年生は、進学指導に重点を置くことを前提とするため、実質的には高校2年生までの5年間のカリキュラムとなっている) まず、第1段階として、中学校1・2年の感性の非常に豊かな時期に、特に質の良い体験を十分に与えることが重要であると考え、この時期を『発見・出会い』の期間としておき、学校内外での体験学習活動を重視していくことを計画している。特に共学化を実現したことからも、男子の持つ理論的な思考と、女子の持つ感覚的な思考をうまく融合させ、豊かな感性を養うことを目指している。なお、この段階での具体的な活動内容については後述する。 また、第2段階として、中学3年から高校1年の前期までを『広がり』の時期と位置付け、より対象地域を拡大しつつ、興味・関心の範囲を拡大することを目指している。ここでは北海道における自然体験学習や、高校の海外研修など、広くは海外まで視野を広げるための取り組みが検討されている。 さらに、第3の時期として、高校1年の後期から2年生までの時期を『深まり』の時期ととらえ、これまでの実践から各自が課題を設定し、それを探究していく活動を展開する予定である。それと平行して、より高度な調査活動の方法を教授する選択学習を設け、課題研究を支援していくことを考えている。これらの実践が、生徒の自己決定能力を育成し、さらに自分の適性を発見し、具体的な進路設定を導くものと期待している。 本稿ではさらに、6年間のカリキュラムの中で特に重要な位置を占めることになる『発見・出会い』の時期について、自動車産業のホンダとの共同開発による『最先端学習』に重点をおきつつ、ここでの具体的な活動内容等について記していきたい。 中学校1年次には、『自然』『社会』『文化』についてまんべんなく体験学習活動をさせることを目指し、静岡県清水市を対象地域として選び、7月に実施する予定となっている。また、その事前指導として、パソコンの基本的な操作と、これによる情報収集の方法に関する指導をおこなっている。さらに事後指導として発表会を数回企画し、プレゼンテーションおよびコミュニケーションの能力を高めることを目指している。なお、ここではパワーポイント等を積極的に活用したプレゼンテーションの方法を指導してゆくことも考えている。 中学校2年次においてはこれらの活動をさらに発展させつつ、体験学習活動をより深く充実したものとするために、テーマを『最先端技術』と『環境とのかかわり』といったものに深めることを検討している。これらを実現する上では、地域との連携など、外部との支援関係に支えられた中でのカリキュラム開発が非常に重要となってくる。本校においても、このような発想のもと検討が重ねられたが、この中で、地域連携にとどまらず、さらに一歩進んだ新しいネットワーク構築を目指すことで、より一層充実したカリキュラムを実現する可能性がないかと議論されるようになった。この中で生まれたのが、ホンダとの提携企画による『最先端学習』であり、これによって『企業連携』という新たな方策が可能となったのである。 栃木県茂木町に『ツインリンクもてぎ』というサーキットコースがある。この周辺地域には、ホンダが多くの体験学習や自然観察等の教育施設を設置し、ホンダの持つロボット工学などの先端技術や、環境への配慮事項などを駆使した優れた体験学習プログラムを開発している。『最先端学習』はここでの体験学習活動を中心とし、さらにそこで学んだ知識をもとにした、プレゼンテーション能力やコミュニケーション能力の開発など、様々な展開の可能性を持っていると期待される。『世界のホンダ』と共同でカリキュラム開発をしつつ、企業を含めた広く外部に広がるネットワークが構築できることは、子供達にとっても、我々教師にとっても、新しい道を切り開いてくれるものと確信している。この取り組みを究極の体験学習活動としてとらえながら、『発見・出会い』の期間の締めくくりとしたいと考えている。 なお、今後の計画に関しては、すでにホンダとのディスカッションを進めており、来年度に向けた準備に取り組んでいるところである。具体的には9月以降の学校説明会にて御紹介させて頂くと共に、このページにも掲載していく予定である。 |
| 2001年6月7日寄稿 |
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