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私学の先生方の教育コラム12
環境は人をつくる・生活即教育
−イギリス・パブリックスクールの精神に学ぶ −

東京女子学院中 校長 酒井 A(ひろし)校長先生
 
 東京女子学院の一週間は芙蓉が丘講堂での朝礼から始まります。週番長の号令で「おはようございます」とご挨拶。続いて「瞑想〜吟詠〜校歌斉唱」が終わると校長先生のお話があります。今回は1月の講話の中から「イギリス・パブリックスクールの精神に学ぶ」をご紹介いたします。
   
本校は創立当初の64年前から「環境は人をつくる・生活即教育」を掲げその精神を受け継いできました。創立者である酒井尭(たかし)先生は自ら木場へ出向き校舎の建築材料を選び抜きました。皆さんの今立っているこの講堂の床は当時のものですがいまだに寸部の狂いもありません。豊かな自然や木の温もりの中でこそ理想の教育ができると考えたのです。
木造(本校の校舎は鉄筋コンクリートですが内装等はすべて木製です)は高温・多湿な日本の気候風土に適しているばかりでなく、木それ自体が呼吸をし、やさしさや温もりを日々私達は肌で感じる事ができます。これが感性や人格の形成にも大きな影響を与えていると私は考えます。
イギリスでは、社会的に高い評価を受けている学校にパブリックスクール(全寮制の私立学校)という種類の学校があります。13歳〜18歳を対象とした5年制の学校で、進学だけではなく全人格の陶冶を目的とし、歴代の首相のほとんどはこれらの学校出身です。物を大切にし、謙虚に努力をする学校生活・・・一口で言うと「清楚」というイメージの教育です。
 パブリックスクールでは、贅沢や飽食は青少年の脳・身体・心を「弱体化」させると考えられています。むしろ不自由で質素な生活の中からこそ、強い精神力や行動力、優れた能力が育まれるとされています。長い伝統と体験によって導かれた「結論」であり、気品ある自律性の高い人間教育が行われているのではないでしょうか?  しかもこれは、イギリス国内のリーダーを育成するだけでなく、世界的な指導者の育成をも視野に入れた結果なのです。
 日々の教育的環境や理念が人間の教育にとっていかに大切かおわかりいただけると思います。本校の教育理念・・・生活即教育・真面目に努力する・自然環境や木の温もりを大切にする等々・・・の発想は、実にイギリスのパブリックスクールの精神に共通することが多いのではないでしょうか?
 昨今、青少年の犯罪や様々な問題が多発しておりますが、私達にとって、今何が必要なのかをもう一度考えてみようではありませんか。

酒井校長先生は趣味で「校舎周辺の四季折々」を写真撮影しています。先日も降雪後の日曜日さっそく愛用の一眼レフを片手に歩かれたそうです。右の写真はその時の作品です。
日頃のお話しの中で「右脳(感性)と左脳(知性)の調和的発展が豊かな人間性を育てる」とおっしゃています。
私立中学高等学校協会の会長をつとめ、大変多忙な先生にとって、カメラを友のひとときは、右脳を磨く楽しい時間でもあるようです。

東京女子学院中学高等学校 
  URL: http://www.tjg.ac.jp    
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