◆ リーダーがいてその下にメンバーがいる一般的なチームのコミュニケーションスタイルは、よくピラミッド型などというレトリックで表現されている垂直的な関係によって成り立っています。私たちの言葉でいえば、抑圧型(一方向型)コミュニケーションのスタイルが中心になっています。
◆ Honda発見・体験学習プログラムにおけるチーム学習は、その状態を学習型、双方向型、創造型という水平関係によるコミュニケーションスタイルを生み出すための場だと考えています。
◆ したがって、あらかじめチーム編成をするとき、メンバー1人ひとりのコミュニケーションスタイルを80問の質問に回答してもらって、垂直的な関係になりがちかそうでないかを分析(先述の「LICO分析」)しておきます。この分析と先生方の日頃の感じ方をアドバイザー・ミーティングで確認し合い、垂直的関係が水平的関係になるダイナミズムが起きるようなチーム編成づくりをしておくわけです。そして、毎日生徒たちの就寝後、アドバイザー・ミーティングを実施し、チームのコミュニケーションスタイルの状態を情報交換し、問題がある場合どうしたらよいのか話し合っていきます。
◆ また、アドバイザー側だけが縁の下の力持ちのように見守っているだけではなく、生徒自身にも自己評価シートを使って自分のチーム学習時における役割や自分のリーダーシップ度や思考のスタイルを考えさせます。アドバイザーも同じ15の項目を1人ひとりチェックしていますから、それをお互い見せ合うことができます。そのとき当然ズレが生じるわけで、そのズレがどうして生じるのか話し合うことで、役割とは何か、リーダーシップとは何か、思考とはどういうことなのかを深めて行くことができます。もちろん自分とは何かも。(これらの発想は、「ジョハリの窓」に依拠しています。)
◆ さて、チーム学習のコミュニケーションを、学習型、双方向型、創造型という水平的なコミュニケーション状態にするには、このような役割分析が重要だと考えています。自分は促進者としてチーム活動にかかわっているのか、もしかしたら妨害者としての役割が強くでてしまったのかなどを振り返り、自分も仲間も積極的に参加するには1人ひとりどういう役割を果たしていこうと話し合うことをおいてほかに良好なコミュニケーションを維持していく方法はないでしょう。そして、この良好な状態を基本に生産的なチーム活動を行っていくには、生徒1人ひとりが考えなければなりません。さて、考える活動を促進するにはどうしたらよいでしょう。これも、1人ひとりが自分の思考スタイルを振り返ることで、自分も仲間も考えているようで考えていなかったことを感じたり、考えるにはどうしていったらよいのかを自覚したりしていきます。
◆ アドバイザーやスーパバイザーは、コミュニケーションとは何か、思考とは何か、学習とは何かという問いは発しません。それを将来考えるのは生徒1人ひとりです。ただ、生徒たちがそういうことを考えていくための、コミュニケーションの「スタイル」、学習の「行動」、思考の「スタイル」という「手がかり、足がかり」の学習環境をサポートしていくのが役割です。それから、外部スタッフとの出会いのきっかけを作ることももう1つの役割です。ツインリンクもてぎで言えば、各館の館長やスタッフと協働して学習プログラムを遂行していくということがそうなのです。 |