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◆生徒の部
共立女子中学校・小島先生の国語
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by 前田恭子

「先生の学校では『ごきげんよう』という挨拶をします。授業の始めも終わりも『ごきげんよう』です。みんなも今日はこの挨拶で授業を始めてみましょう。」小島先生に指名されて男子がみんなに「ごきげんよう。」と号令をかけると、みんなは照れながら「ごきげんよう。」と声を続けました。

「今日は詩を勉強します。詩が好きな人!いないかな?嫌いな人は?」圧倒的にキライな子が多いようです。

「取りたいと思ったらノートをとってもいいけど、聞いてって言ったときは書く手を止めて話を聞いてください。ノートは無理に取らなくていいからね。」

「詩を朗読したい人はいますか?」と小島先生が声を掛けると何人も手を挙げます。ひとつの詩を区分けして2人に読んでもらいました。

「読んでみてどうですか?難しいと思う?」「ムズカシイ!」子どもたちから声があがります。「そうかな?難しいかどうかみんなで内容をみてみましょう。」と小島先生。

「まず、登場人物は?」「少年とお父さん。」
「そうだね、言葉の意味が分からないところはなかったかな?みんな"黒んぼ"って分かる?」

即座に「黒い棒?」と答える子がいます。他の子も何のことだろう?と不思議に思っている様子です。「今は使っちゃいけない言葉だからみんな知らないかな?イメージできない?」すると「黒人のこと?」と答えてくれた子がいました。

「そうだね、黒人のことを"黒んぼ"と読んでいた時期があったんだけれど今はもう黒んぼとは言いません。なぜここに書いてあるかっていうと、この詩がずいぶん昔に書かれた詩だからです。」
「江戸時代ぐらい?」
「そんなには前じゃないかな。そうだね、20年30年前ぐらいのことだと思います。そのくらい前には黒んぼって言っていたんだね。」

「今言ったらどうなるの?」という子どもたちの質問に先生は答えます。「そうね、いい気はしないね。この詩に出てくるのは黒人の男の子とそのお父さんです。」

「他に"没頭"って分かる?」「ボーっとすること。」「熱中すること?」「熱中、そうだね。分からない人は分からないままでいいよ。」

「じゃ、まずタイトルがすごいと思いませんか?このタイトル。"だれにでもわかることば"って、あったらすごいよね?」
「そんなもんないよ。」
「そう?みんなどんな言葉を知ってる?日本語があるよね?英語、中国語、他には?」
フランス語、韓国語、ヒンドゥー語など、子どもたちが知っている言語を挙げる。「でもやっぱりそんな便利な言葉はないと思う?どうしてかな?」

「世界中でモノの名前が違うから、言葉としてはないけど、ジェスチャーとかだったら誰とでも話せる。」

「そうだね、日本語の中でも沖縄と東北とでは違う言葉でしゃべってるから、世界中でいくつぐらいの言葉がしゃべられているか分からないくらいたくさんあるんだよね。でも、この男の子はどう思ってるのかな?」

「少年は世界中の言葉を全部勉強して世界中の人たちと話をしたいと考えているんだね。ところが本当は世界にはたくさんの言葉があるからそれは無理だね。でもお父さんはそれを言わないよね?」

「海のしずくに例えて、数え切れないくらいたくさんの言葉があるんだっていうことを伝えたいんだよね。3つや5つなら頑張れば習うこともできるかもしれないけど、そんなにたくさん全部習うのは無理だよってコトだよね?」

「おとうさんは意地悪してるのかな?そうじゃないね。」

2連で悲しそうに鉄棒をしている少年をお父さんが励ましています。
「お父さんが"もうひとつ足しただけ"と言っているのはどういうことが言いたいのかな?分からないね。分からないけど、その後お父さんは笛を吹きます。」

お父さんがなぜ笛を吹いたのか、笛の音が何を意味しているのか、"もう一つ足しただけ"というのはどういう意味なのか、それらを考え合わせるとお父さんが何を言わんとしているのかが分かってきました。

「"もうひとつ"と言っているのは"だれにでもわかることば"のことだよね?」
「たくさんある言葉が通じなくても、笛の音ならどんな国の人とでもコミュニケーションができるってこと?」

「 "だれにでもわかることば"は、笛とか他に何があるかな?」小島先生の質問に、スポーツ、絵、マジック、芸術と声が上がります。"手話"という意見もありましたがコレはちょっと違うようです。
「ミュージカル!」そうだなぁ、
「笛の音のように、しゃべったりしなくても通じるもの、音楽や絵画やスポーツのような、"言葉を使わずに人の心が通じ合えるものがあるよ"と教えようとしているんだよね?」

「最後に一回音読しましょう。」

読み終わると、
「どう?この詩は難しいかな?カンタン?そうだね、理解可能だね。」

「では最後に挨拶しましょう。」
「ごきげんよう。」



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